1級ワイナリーに引けを取らない、シャトー・パルメ

左岸

1855年、メドック格付け3級に選ばれているワイナリー、Château Palmerシャトー・パルメをご紹介します。

ビオディナミ栽培をしているワイナリーとしても有名ですよね。

格付け第3級 シャトー パルメ 2010 750ml 赤ワイン メルロー フランス ボルドー

この間久しぶりに訪問してきたので、追記してお届けします。

新しいタンクも増えてたし、私の心情とかも書こうかなぁと。

歴史

1720年~1740年 Château de Gascqシャトー・ド・ガスクをボルドー人のGascqガスク家が所有。
18世紀初頭 ワインの品質もあり、Château Palmerシャトー・パルメは名声を得ます。
1814年

未亡人となったガスク夫人(Marie Brunet de Ferrièreマリー・ブルネ・ド・フェリエール)は醸造家の息子であるCharles Palmerシャール・パルメ大佐にシャトーを売却します。

というのも、ボルドーからパリへの長旅の間に若い未亡人は隣に座った人に相続から1日で売り払ったのです。

この時Palmerパルメ大佐は自らワイナリーを訪問することなく、ワイナリーの所有者になったと言われています。

Palmerパルメ大佐が自らの名前を付けてChâteau Palmerシャトー・パルメが生まれました。

  Palmerパルメ大佐は30年近くかけてワイナリーを近代化し、モダンなスタイルに変えました。
19世紀中頃

パリでÉmile Pereireエミーユ・ペレールIsaac Pereireイザック・ペレールは鉄道、不動産、銀行からハイテク産業までなどあらゆるビジネスに関わっていました。

それでも物足りず、ボルドーで育った兄弟は偉大なワインに夢を馳せていました。

2人ともChâteau Palmerシャトー・パルメの買収を希望していたのです。

1853年

Émile Pereireエミーユ・ペレールIsaac Pereireイザック・ペレールがついにワイナリーを手に入れます。

その後ネオ・ルネサンス様式の城をたった1年で建築しました。

余談ですがChâteau Pichon Baronシャトー・ピション・バロンのお城と同じ建築家の作品です。

19世紀 うどん粉病、フィロキセラ、ベト病、さらに第一次世界大戦などを経てもPereireペレール家がワイナリーを所有し続けます。
1938年

4社がワイナリーを経営することになり、その後2社がワイナリーを経営しています。

オランダのMähler-Besseメーラー=ベッセは繊維とワインの貿易で地位を確立し、Sichelシシェルはイギリス、フランスやドイツで高級ワインを専門に扱う商社です。

以降Château Palmerシャトー・パルメはボルドーの最高のワイナリーの一つとしてその名をとどろかせています。

数々のオーナーが世界的に認知されるまでに導いてきたおかげです。

2012年 新たな醸造施設が完成。
2013年 畑全体をビオディナミ栽培に。
2018年 ビオディナミの認証を得る。
2021年9月~ 新たに工事。

ブドウ畑

ジロンド川から900メートルのところに66ヘクタール畑を持ちます。

メドックでは、畑から水(川や海)が見えるところはいいワインができると言われています。

パルメはかなり近い!

川から近いことによるメリットはメドック地方の土地柄を詳しく!をご覧ください。

土壌

グラーヴと呼ばれるがたくさんあります。

さらに砂や粘土を多く含みます。

ブドウ品種

3品種を植えています。

  • 47%メルロ
  • 47%カベルネ・ソーヴィニョン
  • 6%プティ・ヴェルド

メドックにしては、メルロの割合が高いワイナリーです。

それによって、パルメらしい繊細で、フルーティなワインを生産しています。

栽培方法

現在はビオディナミックで栽培しています。

2004年から化学肥料を大幅に減らし、2008年からビオディナミとしての栽培を始めました。

そして2014年から100%ビオディナミとして栽培し、2018年に認定を得ます。

収穫から醸造まで

収穫されたブドウは、2度選果を行います。

その後除梗をし、さらに光学選果機で選果を行います。

この時に密度や色、大きさなどで必要のないブドウが除かれます。

選ばれたブドウは、Cuvonキュボンと呼ばれる大きな漏斗じょうごみたいなもので2階に運ばれ、タンクの中に入れられます。

醸造施設

醸造はステンレスタンクで。

タンクは80~180ヘクトリットルのものを所有しています。

一番大きい180ヘクトリットルのものは、ブレンドする際に使用するものです。

比較的大きいものは1995年に、小さいものは2012年に導入しました。

ちなみに1995年以前は木製のタンクを使っていたそうです。

発酵

アルコール発酵中はルモンタージュを1日に2~3回行います。

そして、必要であればデレスタージュを。

タンクってもちろん綺麗に洗って除菌しないといけないのだけれど、2000年以降Château Palmerシャトー・パルメではUVを使って除菌をしています。

熟成施設

ボルドーの多くのワイナリーは1年目の熟成室と2年目の熟成室を持ちますが、ここは奇数年の熟成室と偶数年の熟成室を持ちます。

つまり、一度熟成が始まったら熟成室を変えることなく熟成を終えます。

樽について

7社の樽を利用しています。

6社フランス、1社オーストリアののものです。

さらに2018年から大樽が導入されました。

最初は2つのみでしたが、現在は45~50程度所有しています。

さらに60~80程度まで増やす予定とおっしゃってました。

熟成期間

シャトー・パルメは22~22か月熟成、60~70%新樽使用です。

アルテ・エゴは16~18か月熟成、15~35%新樽使用です。

セカンドワイン

前にリスト化した時に書きましたが、シャトー・パルメではセカンドワインとは言っていません。

セカンドワインというよりは、シャトー・パルメの造るもう一つのワインを製造しています。

というのもAlter Ego de Palmerアルテ・エゴ・ド・パルメ用の畑があるからです。

参考記事

ボルドーのワイン生産地

ブドウ畑に咲いている薔薇について

最近のボルドーワインについて

ボルドーワイン2017年の出来は?当たり年?ハズれ年?

2018年のボルドーワイン

AOCボルドーで認められている品種(赤/白/ロゼ)

ボルドーワインの良年/悪年について

ボルドー赤ワイン用品種を、ブドウを見ずに見分ける方法。

【ワインニュース】ボルドー、新たに6品種!?

カベルネとメルロー、左岸と右岸の違い。

ボルドーワイン=ブレンドワイン

ボルドーのネゴシアンとブルゴーニュのネゴシアンの違い

フランス経済・財務省公開資料翻訳:ワインのエチケット

材質別タンクのメリット・デメリット

ボルドーでのステンレスタンク

ボルドー赤ワイン醸造

環境配慮から見るボルドーワイン

樽熟成について

ワイン、ウイスキーなどに必須、樽の作り方ご紹介

ファーストワインとセカンドワイン…って何?

ポイヤックの2級シャトー、シャトー・ピション・バロン


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コメント

  1. […] Château Palmer […]

error: 申し訳ないですが右クリック禁止にしました。データが欲しい方は直接連絡ください。
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