まだこのブログを初めて間もないのに、いくつかコメントを頂いていて、嬉しい限りです。
サンテミリオンのAOCについて書く予定でしたが、予定変更でボルドーワイン2017年物の出来について!
コメントを頂いていた、2017年もののワインの出来について(特に霜について)今日はマニアックに語りたいと思います。
ちなみに写真は2017年5月に訪れたとあるシャトーの畑。
サンテミリオンは特に霜被害が激しく、春なのに葉っぱが枯れて秋の様そうでした。
ちなみに私はボルドーのワイナリーを見学して聞いた話をまとめているので、同じフランスでも他の地域では当てはまらないことを前提に読んで下さい☆
2017年は当たり年?
うーん…難しい質問です。
とりあえずとても難しい1年でした。
最初にやってきた難関。それは4月の霜被害。
フランスでは霜を2種類に分けている、と言うのは知らない人も多いのでは無いでしょうか。
私も今年あるワイナリーを見学して初めて聞いた話で、たくさん読んできた本にも書かれていないことでした。
『白い霜』
“白い”と言われている通り、それほど意地悪ではない霜。
朝気温が下がり、霜が降るが、太陽が昇ることで気温が上がることでそれほど被害はありません。
霜は降るが、自然の力がぶどうの畑を助けてくれます。
『黒い霜』
“黒い”霜はとても意地悪。
今年ボルドーに襲いかかってきた霜はコレでした。
何が大変って、深夜1時や2時から霜が降り始め、太陽が昇り気温が上がるまでの数時間、ぶどう畑を凍らせてしまう、ということ。
霜の対策について
対策としては
- ぶどう畑に火を焚く。
- ヘリコプターを飛ばす。笑
などなど。
ヘリコプターを飛ばす
このヘリコプターを飛ばすのは、お金持ちで畑の面積も大きいボルドーらしい対策法だなぁと初めて聞いた時笑ってしまいました。
ただ、この方法はヘリコプターをチャーターしたり、いつ霜が降るかわからないので、パイロットとヘリコプターを常に待機させて置いたりとかなりお金がかかる方法だそう。
ちなみにヘリコプターの下から温風が出るようになっているそうです。
ぶどう畑に火を焚く。
ぶどう畑に火を焚くのは、ブルゴーニュの霜対策でよく写真を目にする方法です。
畑の中に幾つもの焚き火をするイメージでしょうか。
とても美しいけど、ずっと見守る必要があるので大変だと言っていました。
被害状況
今年は、全く被害の無い優良シャトーから、100%の被害が出たシャトーまで様々。
ちなみにこういう自然に依る被害を保証する保険があるのですが、支払っている値段より見返りが少ないと、小さなシャトーが嘆いていました。
そしてそして!今年の霜被害はこれだけでは無いのです。
先程も書いたとおり、霜はとても長い間降り続いていました。
春先ということで、ぶどうの木には2017年に成長して実をつける、蕾の種のようなものがあり、それが被害に会いました。
そして、ぶどうの木には2018年(今年)に成長して実をつける、要は種の種、のようなものがすでに2017年の春に木の幹の中に眠っています。
霜被害のとても大きかったシャトーはこの種の種もやられてしまったので、今年の生産も見込めないところがあります。
と、それほど甚大な被害を産んだ霜被害。
(またかなりマニアックに書いてしまいましたが、皆さん興味を持ってくれるのか心配です)
そして、最初の質問。良年か否か。
シャトーが口を揃えて言うことがあります。
「被害のなかった畑は、例年以上の収穫量で、質も量も良い」
ということで、2017年ワインは2016年ほどでないにせよ良いものが出来ているようです。
私は今年4月のプリムールにも足を運ぶ予定なので、この時に出来をお知らせできればと思います!
どうぞ4月2週目をお楽しみに!
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