有名オーナーになり、どんどん品質を上げているChâteau de Camensac(シャトー・ド・カマンサック)。
ワイナリー観光にも力を入れていて、有料ですが誰でも見学可能です。
しかも見学の種類も色々あるから、訪問が楽しいワイナリーの一つ!
昔飲んであまり印象が良くなかった、という人もいると思いますが、今のカマンサックを飲むと印象が変わると思います!
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歴史
1701年 |
Camensac(カマンサック)と呼ばれる場所には家、沼地に囲まれたブドウ畑、Château La Tour Carnet(シャトー・ラ・トゥール・カルネ)とChâteau Lagrange(シャトー・ラグランジュ)に囲まれた場所にありました。 |
1767年 | 水の通りであったSt Laurent Médoc(サン・ローラン・メドック)のコミューン内にあるこの場所はBelleyme(ベイェイム)の地図に記載されています。 |
メドックの土地はHenri IV(ヘンリー・4世)による開発運動の恩恵を受け、湿地帯の排水ができるようになりました。 | |
フランス革命の混乱の中Beychevelle(ベイシュヴェル)領主のDelphine-Catherine de Brassier(デルフィーヌ=カトリーヌ・ド・ブラシエ)が無くなると、領地が分割されました。 彼女の娘はBeychevelle(ベイシュヴェル)の城は守ったが、Camensac(カマンサック)とLamarque(ラマルク)は国の所有になりました。 |
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1799年 |
Camensac(カマンサック)がオークションに出され、Joseph Popp(ジョゼフ・ポップ)が購入します。 Popp(ポップ)家は1707年にボルドーシャルトロン地区に移住してきた、ハンブルグ出身の一族です。 |
1855年 |
メドック格付け5級に選ばれました。 |
1860年 |
Château de Camensac(シャトー・ド・カマンサック)をBruno Popp(ブルーノ・ポップ)が引き継ぎ、醸造施設を現在の形に改築しました。 この時移動式の圧搾機が導入され、これはメドック全体のモデルとなりました。 |
1887年 | Popp(ポップ)家に後継者がおらず、売りに出されていたワイナリーをAlphonse de Tournade(アルフォンス・ド・トゥルナード)とAntonia Garrigou(アントニア・ガリグー)が購入しました。 |
1906年 | lphonse de Tournade(アルフォンス・ド・トゥルナード)とYvonne Tournade(イヴォンヌ・トゥルナード)の死後、Lahens(ラハンス)伯爵がワイナリーを購入しました。 |
1912年 |
Paul Cuvelier(ポール・キュヴェリエ)とAlbert Cuvelier(アルベール・キュヴェリエ)がChâteau de Camensac(シャトー・ド・カマンサック)の新たな所有者になりました。 この時Cuvelier(キュヴェリエ)家はサンテステフのChâteau le Crock(シャトー・ル・クロック)を所有していました。 |
1964年 |
Elysée Forner(エリゼ・フォルネール)とHenri Forner(エンリ・フォルネール)は廃れていたブドウ畑を購入しました。 Emile Peynaud(エミリー・ペイノー)の持続的な助けにより、新しいオーナーは偉大なテロワールを表現することに成功しました。 |
メドックのブルジョア階級であるJaques Merlaut(ジャック・メルロー)氏の一族は、ワインとは離れた仕事をしていました。 しかし、彼はフランスの高等商業専門学校に通い、商業を学びました。 当時のフランス人は1年で350ℓにも及ぶワインを消費していたこともあり、Jaques Merlaut(ジャック・メルロー)はワイン商人になります。 |
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2005年 |
Jean Merlaut(ジャン・メルロー)とCéline Villars-Foubet(セリーヌ・ヴィラース=フーベ)によってワイナリーは購入されました。 彼らはメドックでGruaud-Larose(グリュオ=ラローズ)、Haut Bages Libéral(オー・バージュ・リベラル)、Ferrière(フェリエール)、Chasse-Spleen(シャス=スプリーン)、Citran(シトラン)などを所有する一族で、彼らの目的は評価が下がっていたこのワイナリーの評価を正当な場所まで戻すことです。 |
当時、Château de Camensac(シャトー・ド・カマンサック)は格付けワイナリーにもかかわらず、あまり良いものではありませんでした。 現在は50%程度生産しているセカンドワインも、昔は0~20%の生産であったこともその要因の一つだと考えられています。 また、安く生産の90%がスーパーマーケットでの販売でした。 これを変えるために、2人は大きな決断をします。 |
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セカンドワインの生産を40%まで増やします。 醸造コンサルタントMichel Rolland(ミッシェル・ローラン)と共に厳しい規格でブレンドを行いました。 |
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2006年 |
醸造コンサルタントEric Boissenot(エリック・ボワスノ)がMichel Rolland(ミッシェル・ローラン)の後を引き継ぎます。 この年には、昔の目立たないChâteau de Camensac(シャトー・ド・カマンサック)ではなくなりました。 同時期に、ブドウ畑の再調査が行われました。 25haの植え替えを行い、細かい区画ごとの調査をしました。 |
2021年 | HVEレベル3を取得しました。 |
生産ワイン
Château de Camensac(シャトー・ド・カマンサック)とCloserie de Camensac(クロゼリー・ド・カマンサック)の2種を生産しています。
これは単純にファーストワインとセカンドワインの違い。
この後に書かれているのは基本的にファーストワインについて書いています。
セカンドワインは、軽やかで比較的早く飲めるような造りをされています。
熟成期間も12か月、新樽10%とファーストワインとかなり差が付けられているので、若いビンテージでも楽しめるワインです!
ブドウ畑
150ヘクタールもの敷地を所有していて、内86ヘクタールがブドウ畑です。
ブドウ畑でない所には羊や山羊が居て、草原が広がっています。
この86ヘクタールを123区画に分けていて、区画ごとに栽培、醸造が行われています。
基本的に石が地表に広がっていますが、粘土や砂が多い土壌もあります。
ブドウ品種は
- 50%カベルネ・ソーヴィニョン
- 50%メルロー
が栽培されています。
HVEレベル3を取得していますが、内7haはビオディナミで栽培されています。
収穫と選果
品種、樹齢、土壌によって区画分けされたブドウ畑は手摘みで収穫されます。
収穫されたブドウは、選果が行われ、タンクに入れられます。
醸造施設
木製タンクを8基、コンクリートタンクを30基所有しています。
木製タンクは85ヘクトリットル、コンクリートタンクは50~100ヘクトリットルと様々です。
アルコール発酵は1週間程度、28度下で行われます。
その後醸しが3週間程度。
この間に行われるのはルモンタージュとピジャージュです。
それぞれのタンクでどの攪拌作業を行うかは、タンク内の状況によって決められるとのこと。
熟成
発酵が終わったワインはタンクに入れられ、マロラクティック発酵を行います。
樽は全てフレンチオークで、新樽使用は60%。
さらに熟成期間は14~18か月、年によって変動します。
まとめ
ブドウ品種 |
50%カベルネ・ソーヴィニョン 50%メルロー |
タンク | 木製タンク、コンクリートタンク |
マロラクティック発酵 | 樽内 |
熟成期間 | 14~18か月 |
新樽使用率 | 60% |
ワイナリー情報
住所;Route de Saint-Julien, 33112 Saint-Laurent-Médoc
電話;+33 5 56 59 41 69
参考記事
メドックで最も小さいワイナリーの一つ、シャトー・フェリエール
最後に
メドックのワイナリー開放日でもワイナリーを開けてくれる貴重な格付けワイナリーの一つです。
ここ最近は良いワイン造りをするための投資を行っていて、格付けワイナリーとしての品格を取り戻しているので、最近のカマンサックのんでないなぁ、という方是非一度飲んでみてください!
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