以前特集したシャトー・デュフォール・ヴィヴァン。
(参考;ビオディナミック栽培のワイナリー、Château Durfort-Vivens)
そのオーナーであるゴンザック・ルリュトンの奥さんであるClaire Villars(クレール ヴィラール )所有の、Château Haut-Bages Libéral(シャトー・オー・バージュ・リベラル)についての特集です。
歴史
18世紀初頭、Libéral(リベラル)親子の所有していたこのワイナリー。
彼らは土地と、ブドウ畑を買っただけで、当時は建物がありませんでした。
リベラル家はオランダとベルギーにワインを卸すクルティエ一族。
その後、1855年の格付けで5級に選ばれます。
(参考;1855年メドック格付けまとめ)
偉大なる場所に畑をもつこのワイナリーは、1960年Cruse(クルーズ)一族のものとなります。
このクルーズ一族は、1965年からシャトー・ポンテカネを所有していました。
(参考;【長文】大好きなワイナリー、シャトー・ポンテ・カネについて)
さらにその後、1982年にVillars-Merlaut(ヴィラール・メルロー)一族がオーナーに。
Jacques Merlaut(ジャック・メルロー)氏とその家族は、Châteaux Chasse-Spleen(シャトー・シャス・スプリーヌ)とChâteaux La Gurgue(シャトー・ラ・グルグ)を所有していました。
両親が亡くなったことで、後継者である娘、Claire Villars(クレール・ヴィラール)が2000年よりオーナーとなります。
クレールはChâteaux Ferrière(シャトー・フェリエール)とChâteaux La Gurgue(シャトー・ラ・グルグ)も所有しています。
彼女はもともと物理や化学を専攻する人で、その後ブドウ畑と化学物質について考えるようになります。
最初にも触れましたが、シャトー・デュフォール・ヴィヴァンを所有するのが旦那さんのGonzague Lurton(ゴンザク・ルリュトン)氏。
彼と一緒に2012年にアメリカ、ソノマにワイナリーを購入しました。
ブドウ畑
30ヘクタールあるうちの半分、15ヘクタールがシャトー・ラトゥールと接しており、
残りの15ヘクタールがシャトー・ピション・バロンに接しています。
ポイヤックらしい土壌をもつ「バージュ」に畑を持つワイナリーの一つ。
ブドウ品種
メルロとカベルネ・ソーヴィニョンを栽培しています。
お城の周り、粘土石灰が多いところにメルロを。
標高が少し高く、石が広がる土壌にカベルネ・ソーヴィニョンを植えています。
栽培方法
歴史部分で触れたように、夫婦でいくつものワイナリーを所有しています。
共通しているのが、「ビオ」そして「ビオディナミ」でのブドウ栽培。
ここ、シャトー・オー・バージュ・リベラルでは2006年に「ビオとしてのブドウ栽培」を始めました。
そして2009年には「ビオディナミとしてのブドウ栽培」を開始。
最終的に2019年にビオの認定を受け、2021年にビオディナミの認定を受ける予定。
収穫
収穫はもちろん手摘み。
3~4週間くらいかけて30人程度で行います。
その後、選果、除梗、フロワール(fouloir)を通ってポンプでタンクの中にブドウが入れられます。
醸造施設
2000年に新しくなった醸造室を持ちます。
タンクはステンレスタンクとコンクリートタンク。
ステンレスタンクは16基、様々な大きさのものを持ちます。
コンクリートタンクは20基。
毎年、ブドウの状況を見ながらどのタンクを使うかを決定するそう。
熟成
樽とコンクリートタンクで熟成しています。
コンクリートタンク
ここにもコンクリートタンクがあります。
20ヘクタールの小さなもので、醸造ではなく熟成に利用されるもの。
2018年から今現在に至るまで使われています。
2018年は生産の3分の1をこのコンクリートタンクで熟成しました。
外見は角張ってるけど、中はつるんと丸い卵型です。
樽
7社の樽会社と取引していて、焼き加減はミディアムからミディアムプラス。
ファーストワインは40%新樽使用、セカンドワインは新樽使用ゼロです。
最後に
見学して得た情報を記事にしているので、今回は普段に比べて畑の話が少し多めです。
良い場所に畑を持ち、技術力もどんどん上がっているワイナリーで、今後も注目です!
参考記事
ビオディナミック栽培のワイナリー、Château Durfort-Vivens
感想やこんな内容書いて欲しい!などあればお気軽に連絡ください。 sachiwines@gmail.com その他色々やってるので、良かったら見てください☆ Instagram・sachiko0418 レストランブログ Facebook・Bordeaux-Japon.net ボルドージャポンネット Homepage・SachiWines 旧ブログ・Bordeaux-Japon.net ボルドージャポンネット レストランブログ
コメント
[…] (参考記事;ラトゥールの隣、シャトー・オー・バージュ・リベラル) […]