またきました!ルリュトン一族のワイナリー。
記事の多さで、ボルドーにおけるルリュトン一族の持つワイナリーの多さがわかってもらえるのではないでしょうか。
今回はChateau Ferriere(シャトーフェリエール)のご紹介です。
歴史
18世紀 |
Gabriel Ferrière(ガブリエル・フェリエール)によってワイナリーの歴史が始まります。 Gabriel Ferrière(ガブリエル・フェリエール)は海運仲立人で、狩り担当の王付き役人でした。 |
いとこであり、ボルドー市長であったJean Ferrière(ジャン・フェリエール)によって、ワイナリーは少しずつ大きくなりました。 | |
彼の死後、共同財産だったワイナリーは裁判所によって売りに出され、未亡人となった妻のMarie Commet(マリー・コメ)がワイナリーを買い戻しました。 彼女に遺されたのはワイナリーと3人の子供、Gabriel(ガブリエル)、Michel(ミッシェル)そしてRosa(ローザ)です。 |
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Marie Commet(マリー・コメ)の死後、Michel Ferrière(ミッシェル・フェリエール)が跡を継ぎます。 |
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Michel Ferrière(ミッシェル・フェリエール)の死後、Gabriel(ガブリエル)とRosa(ローザ)がワイナリーを引き継ぎ、兄妹での経営になります。 その時、Rosa(ローザ)も自身の母親と同じ様に未亡人になっていました。 このRosa(ローザ)が結婚していたのはChâteau Chasse-Spleenの当主であったJacques Castaing(ジャック・カステン)です。 |
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ワイナリーはいとこであるHenri Ferrière(アンリ・フェリエール)のものへ。 |
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1913年 |
Château Marquis de Terme(シャトー・マルキ・ド・テルム)のオーナーであったArmand Feuillerat(アルマンド・フォイェラット)に売却されます。 |
Armand Feuillerat(アルマンド・フォイェラット)の娘であるDurand(デュランド)がシャトーを継ぎ、彼女の子供たちへワイナリーが受け継がれます。 |
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1952年 |
子供たちはChâteau Lascombes(シャトー・ラスコンブ)のオーナーであるAlexis Lichine(アルクシ・リシーヌ)にブドウ畑を貸します。 それにより、Château Ferrière(シャトー・フェリエール)のブドウ畑はChâteau Lascombes(シャトー・ラスコンブ)のワインを生産することになりました。 それにより残念ながら40年もの間、Château Ferrière(シャトー・フェリエール)は目立たないワイナリーとなってしまいました。 |
1988年 |
Jacques Merlaut(ジャック・メルロ)氏がワイナリーと畑を購入した後に変化が訪れます。 |
1992年 |
Château Lascombes(シャトー・ラスコンブ)へ畑を貸す契約が終了し、Jacques Merlaut(ジャック・メルロ)の娘であるBernadette Villars-Merlaut(ベルナデット・ヴィラー・メルロー)によって最初のビンテージが造られます。 Jacques Merlaut(ジャック・メルロ)とその家族はChâteaux Chasse-Spleen(シャトー・シャス・スプリーン)とChâteau La Gurgue(シャトー・ラ・グルグ)、Château Haut-Bages Libéral(シャトー・オー・バージュ・リベラル)のオーナーでした。 |
ブドウ畑
シャトー・フェリエールはメドックでも最も小さなワイナリーの一つです。
その大きさは24ヘクタール!
(サンテミリオンの平均は7~8ヘクタール程度と言われていますが、メドックの平均は40~60ヘクタール程度と言われています)
ブドウ品種
4品種を植えています。
- 60%カベルネ・ソーヴィニョン
- 20~30%メルロー
- プティ・ヴェルド
- カベルネ・フラン
栽培方法
2015年からビオでの栽培をしています。
メドックで、オーガニック栽培を始めたのはこのシャトー・フェリエールが最初です!
『ビオディナミックはシャトー・デュフォール・ヴィヴァンが最初なので、クレール・ルリュトン、ゴンザック・ルリュトン夫婦はすごい…!』
そしてに2018年からビオディナミとしてブドウを栽培しています。
収穫
30~35名の収穫者と共に3週間かけて手摘み収穫しています。
収穫の順番はメルロ、カベルネ・ソーヴィニョン、プティ・ヴェルド、カベルネ・フランが基本。
その後除梗、選果、フロワーの行程を行い、タンクの中へブドウが入れられます。
醸造施設
現在はコンクリートタンクとステンレスタンクを所有しています。
醸造に使われるのは基本的にコンクリートタンクのみ。
ワイナリーのロゴが入ったタンクは本当に美しい。
醸造
アルコール発酵中はルモンタージュを1日に2回行います。
アルコール発酵が終わると、果帽はプレス機にかけ、プレスワインを樽に。
ワインになったぶどうジュースはステンレスタンクでマロラクティック発酵を行います。
- 参考記事;ワイン醸造:アルコール発酵について。
熟成施設
ボルドーの他のワイナリーと同様に、1年目の熟成室と2年目の熟成室を持ちます。
このワイナリーは樽以外に、卵型のコンクリートタンク、アンフォラも持ちます。
樽はフランスオークで、6社から購入。
コンクリートタンクとアンフォラを使う理由は、力強さを抑えめに、フルーツ感を強調させたいからだそう。
オーナーご夫婦は、コンクリートタンクやアンフォラ利用が好きなので、彼らの求める味わいに近づけるためには、これらの利用が欠かせないのでは?と思います。
熟成期間は18か月。
まとめ
ブドウ品種 |
60%カベルネ・ソーヴィニョン 20~30%メルロー プティ・ヴェルド カベルネ・フラン |
タンク |
コンクリートタンク(アルコール発酵) ステンレスタンク |
マロラクティック発酵 |
ステンレスタンク |
熟成 |
樽 コンクリートタンク(卵型) アンフォラ |
新樽期間 |
18か月 |
テイスティング
ここは何度も訪問したワイナリーです。
ソムリエ協会で訪問した時は、ものすごく色々飲ませてもらった!
通常見学だと、ファーストワインと同オーナーが持ってる別ワイナリーの1種類ずつかな。
なぜかテイスティングノートがあるビンテージは写真がなくって、写真があるやつはテイスティングノートがない…。
どちらも2016年を飲んだ時はこんな印象でした。
左のChâteau La Gurgue(シャトー・ラ・グルグ)は同じくマルゴーにあるワイナリー。
フルーティーで、タンニンのエレガントさを持ってる。
若い時から楽しめるし、比較的安いので、マルゴーのワインを飲みたい方にお勧め!
そしてChâteau Ferrière(シャトー・フェリエール)はもっとクラシックだった。
まだまだ若々しいから後10年は待ちたいなぁぁって。
バランスも良くて、次から次へと飲みたくなる(笑)
そしてこの間行ったときはこんな感じでした。
ファーストワインの垂直!
2009年、20015年、2016年をいただきました。
2009年と2015年は傾向の似ているビンテージだそう。
2016年はまだまだ若い!
力強さを持ってて、まだ成熟していなくて、酸を持ってるカリカリのフルーツみたい。
2015年はタンニンも重くなくって、若さもあるけど赤黒フルーツがしっかり。
少し苦みもあったって。
そして2009年はこの中で一番女性的でした。
しなやかで柔らか。でも、カラフェしたいなぁって。
全部バランスも良かった!
参考記事
ビオディナミック栽培のワイナリー、Château Durfort-Vivens
最後に
シャトー・フェリエール、いかがでしたか?
ここ数年、醸造/熟成の方法も変わってきているので、今後も注目していきたい。
そして、このオーナー夫婦のワイナリーは行けば良く程、訪問すればするほど魅力が増す。
またお邪魔したいなぁ。
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