ボルドー赤ワイン醸造

ワインの造り方

このブログを開設当時、ワインの醸造について書いたんやけど、絵のクオリティも中々…なので、新たに一つ書きます。

前よりわかりやすく書けるようになっていると信じたい。

まとめ

最初にまとめた絵をお伝えします。

その後それぞれの項目ごとに軽く説明しますね。

念のためにお伝えしますが「ボルドーの一般的なワインの作り方」です。

他の地域とは異なる部分も多いかと思いますが、どうぞよろしくおねがいします。

収穫

ボルドーの中でも地域によりますが、機械収穫だったり手摘みだったり。

地域によっては手摘みが「義務化」されている所もあります。

ただ、ここ最近機械のクオリティが上がっているので、機械収穫の方が良いのか、手摘みの方が良いのかを言うのは中々難しいところ。

機械収穫だと実だけ収穫するので、次の項目は省かれます。

ちなみに機械収穫の圧倒的なメリットは「時間」。

広い範囲を短い時間で収穫できるのが良い。

収穫機械については以前LIQUL(リカル)さんでコラム書いたのでもしよかったら読んでください。

除梗

その名の通り梗を除く

手摘みのワイナリーだと、除梗前に選果を行うところも多いです。

つまり収穫した房のままで選果です。

除梗前の選果は、ブドウの房が全体的に良くないもの、葉っぱなども除かれます。

除梗されたものは実だけの状態になるので、機械収穫の場合はこの行程を省略します。

この除梗の機械は下の写真。

選果

除梗前に選果をするワイナリーもあれば、除梗後に選果をするワイナリーもあれば、どちらもするワイナリーもあります。

生産者によって様々。

可能性としては

  • 収穫→選果→除梗→選果
  • 収穫→除梗→選果

かなぁ。

ちなみに複数回選果をするワイナリーもあるので、

  • 収穫→選果→除梗→選果→選果

というパターンもあったりします。

②番で書いた、実の小さいものやまだ成熟していない実などが除かれます。

手で行うところもあるし、光学選果機を使うところもあるし、どちらもするところもあります。

これまた様々。

冷蔵

これは最近行うワイナリーが増えてきた印象。

ブドウの実の冷蔵です。

とはいえ、どのタイミングでやるかはタイミング次第。

私の感覚で、除梗の後タンク内で行うワイナリーが多いので④番目の行程にしました。

が、ワイナリーによっては収穫してすぐ梗も一緒に冷蔵するところもあります。

タイミングとしては「収穫後すぐ」か「発酵前ですかね。

発酵前の冷蔵も、タンク内でする所もあれば、下に載せた写真の様に専用の冷蔵庫を持っている所もあります。

タンク内でする所は、タンクの機能で温度を下げるところと、ドライアイスをいれるところと…。

本当にワイナリーによって様々です。

タンク

タンク内でアルコール発酵が行われます。

ボルドーの赤ワインは発酵温度が他の地域と比べて高いなぁって。

以前発酵について記事にしたので、それを見てもらえると嬉しいなぁ。

簡単には、糖がアルコールに変わる発酵です。

ここでは果帽とワイン(ブドウジュース)を混ぜる方法ピジャージュ」「ルモンタージュ」「デレスタージュについても書いています。

最近新しい方法も生まれているので、またこれも新しく書こうかな。

そしてタンクの材質も色々あって、それによってワイナリーの特徴が出たりもします。

タンクについても前に書いたのでそちらをどうぞ。

エクラージュ

発酵が終わったら、ブドウジュースがワインになります。

タンクの上部にブドウの種や皮などが浮かんでいます。

この浮かんでいる固体分のことを「果帽」といいます。

なのでワイン(液体)と果帽(固体)を分ける作業がエクラージュです。

簡単に言えば、タンクからワインを出して別の容器に入れて、残った果帽を別の容器に入れる作業。

この絵でわかるかな…。

⑤番がアルコール発酵後のタンク、⑥番がワイン、⑨番が果房です。

うーん、わかるかな…。

ちなみに⑥番の赤色量が少ないのは便宜上です。

そしてタンクに入れているのも便宜上です。

詳しくは以前書いたのでそちらを見てもらえると嬉しいです。

マロラクティック発酵

ではさっきの⑥番の流れを。

さっきも書きましたが、タンクに入れているワインの量は便宜上です。

抽出されたワインはタンクないし、樽に入れられます。

そこで行われるのがマロラクティック発酵

これはリンゴ酸を乳酸に変える発酵です。

タンク内で行うワイナリーもあるし、樽内で行うワイナリーもあるし、アルコール発酵とマロラクティック発酵を同時に行うワイナリーもあります。

熟成

次は最後、熟成です。

基本的に樽内でマロラクティック発酵をした場合は樽で熟成します。

アペラシオンにもよりますが、樽熟成が義務化されている場所もあります。

が、タンク熟成するワイナリーもあります。

熟成中もワインが蒸発するので補てんする「ウイヤージュ」や澱引き「スーティラージュ」などの作業があります。

熟成中に行う作業等々は以前に書いたのでそちらもご覧いただけると嬉しいです。

プレスワイン

「エクラージュ」をしたところまで話が戻ります。

集められた果帽は圧搾(プレス)されます。

含まれた水分を抽出する作業です。

そこで生まれるのが「プレスワイン」。

このプレスワインは最終的なブレンドに少し加えられることがほとんどです。

タンク、ないし樽でプレスワインも熟成されます。

ちなみにタンク内に書いたプレスワインの量は便宜上。

現実ではタンクいっぱいに入れて熟成しています。

清澄作業

ワインが完成したら瓶詰め、ですがその前に清澄作業があります。

これはワインの濁りを除いて、透き通ったワインにするための作業です。

ボルドーでは歴史的に卵の白身を使って清澄作業を行います。

のこった黄身でカヌレがつくられるのも有名な話ですよね。

これに関わる記事もいくつか書いているのでよろしければどうぞ。

瓶詰め

そして完成したワインの瓶詰め作業です。

ここまで収穫から約2年。

基本的にボルドーのワイナリーはワイナリー内で瓶詰めを行います。

自社で瓶詰めの機械を持っている所もありますし、最近は瓶詰め業者に依頼するワイナリーも多く見かけます。

とはいえワイナリー敷地内で瓶詰めを行う必要があるので、トランクの荷台に瓶詰め機械が設置されていて、敷地内で瓶詰めしています。

参考記事

コニャックの生産に欠かせない「グレゴワ」とは?

ワイン醸造:アルコール発酵について。

材質別タンクのメリット・デメリット

ワイン醸造:マロラクティック発酵について。

ワイン醸造:熟成中の作業いろいろ。

ワイン醸造:樽熟成について

樽熟成について

ワイン醸造:エクラージュとプレスワイン

フランス経済・財務省公開資料翻訳:ワインのエチケット

ワイン醸造:瓶詰め作業

最後に

長い記事でしたよね。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

今度は白ワイン用の記事も書こうと思っています。


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