【長文】大好きなワイナリー、シャトー・ポンテ・カネについて

ワイナリーについて詳しく書こうと思った時、最初に頭に浮かんだのがこのシャトーでした。

大好きなChâteau Pontet-Canet(シャトー・ポンテ・カネ)!!

最近、私がポンテ・カネを好きなことを知ってくれている人が増えていて、日本でも沢山このワイナリーの話をできてとてもうれしかったです。

 

初めに、何故私がポンテ・カネを好きか

ポンテ・カネが好きすぎて、語りたいことがいっぱいあるのですが、ポンテ・カネって最近様子がおかしいです(笑)

端的に言うと「ワインバカのワイナリー」

最初は絶対反対されたであろうことを続け、突き詰め、実際できているワインがとても魅力的。

メドックらしさ、ポイヤックらしさとはかけ離れているので、賛否両論あるかとおもいます。

ボルドーで他に見ない、「シャトー・ポンテ・カネ」のワインが存在しているのでとても好きです。

心が折れそうな時、ポンテ・カネを思い出すと元気になれる。

もはやポイヤックのアペラシオンから抜けて「アペラシオン・ポンテ・カネ」を作ればいいのに、と思うほど他との違いを感じるワイナリー。

と、ポンテ・カネについて話したり、書いたりしているだけでドキドキする(笑)

完全にこのワイナリーに恋をしています。

ということで、時々私の主張が入ってくるかもしれませんが、どうぞお付き合いください。

ちなみに本など全く見ずに、訪問して教えてもらったことを書いていますが、ここまで詳しく書いているものは他にないと思います!

写真も今回は敢えて大きく載せているので、ページが重いかと思いますが、ご了承下さい。

 

ポンテ・カネの歴史

メドックでは珍しく約300年の歴史で3家族のみを経て現在に至っているワイナリーです。

1家族大体100年ずつくらいでしょうか。

ちなみにポンテ・カネという名前は、最初のオーナーの名前が「ポンテ」、そしてシャトー・ポンテ・カネの位置している場所のことを「カネ」と呼ばれることよりつけられています。

シャトーと呼ばれる建物も、3家族それぞれで3種類の異なる様式で建てられています。

上の写真では、青い屋根の部分が始めのポンテ一家、その隣(真ん中)の窓の赤い建物が2つめのクルーズ一家、最後に一番左が現在のテスロン一家が建てたものです。

(そして増築は現在も続いています)

 

ポンテ・カネの歴史年表

こちら興味のある方だけどうぞ。

かなりマニアックです…(^_^ ;

18世紀末

最初のオーナーPontet一家(フランス人)

→以降1世紀もの間、ポンテ・カネのオーナーで有り続ける

1781年 Pontet一家により最初にネオクラシック様式の建物が建てられる
1865年

デンマークのCruse一家がシャトーの所有権を得る

クルーズ一家はシャトー・ジスクール、シャトー・ディッサンなども所有するネゴシアン(総従業員約300人)

→以降1世紀もの間、ポンテ・カネのオーナーで有り続ける

1895年

現在も利用している醸造室の建設

2階からブドウをタンクに入れられるシステムは当時斬新だった

1975年

Michel Tesseronがシャトーの所有権を得る

→以降、現在に至るまでテスロン一家が所有

2004年

Jean Michel Commeが醸造責任者となる

(ちなみに彼がシャトー・ポンテ・カネで働き始めたのは1989年)

(元々アントル・ドゥ・メールにてディオビナミのワインを生産していた)

Bio栽培を始める(当初14ha)

2005年 81ha全てをBio栽培にする
2008年

ボルドー在住のAlfred Tesseronがオーナーとなる

馬を飼い始める

2012年

アンフォラでの熟成を本格的に始める

(2009年より実験は行っていた)

以降50%新樽、15%一度ワインを造った樽、35%アンフォラ

2014年

セカンドワイン生産最後の年

1st:Château Pontet-Canet

2nd:Hauts Pontet-Canet

2016年 ナパバレーにPym-Raeというワイナリー(8ha)を購入する
2017年

地熱発電のコンクリートタンクを32導入

新しい選果方法を導入

 

畑について

今現在81haもの畑を所有していて、そのうちの31haがジロンド川のすぐそばに位置しています。

現在81haすべてをビオディナミでブドウ栽培しています。

シャトー・ポンテ・カネはメドックで最初にビオディナミとしてのワイン栽培の認定を受けたワイナリーでもあります。

畑の平均樹齢は45年ほどで、一番古いものは91年だそう!

植えられているブドウ品種は

62%カベルネソーヴィニヨン
32%メルロー
4% カベルネフラン
1% プティ・ヴェルド

の4種類。

 

畑で行っていること/行っていないこと

他のシャトーでは行っていないことを行い、他のシャトーで行っていることを行わない、それがポンテ・カネです(笑)

普通のシャトーは常に畑の高さを切り揃えていますが、ここではそれを行いません。

とりあえず伸ばしっぱなしにして、ある程度の長さになると2本の枝を組み合わせて円のようにします。

ちょっと言葉では伝えにくいので、写真を載せます。

と、夏の姿はわかりにくいですね。

ちなみに2017年の8月の写真。

 

今年、2018年1月はこんな感じでした。

冬のほうが圧倒的に分かりやすい。

そしてヴァンダンジュ・ヴェルドと呼ばれる、ブドウの実が青い段階で房を切り落とすこともしません。

働いている人曰く、例えばブドウ1株に10房付けられる力があったとします。

その年に6房まで減らしてしまうと、翌年にブドウ自身がつける実が6房で良いと思い、実際にブドウが持っている力を発揮しない、ということだそうです。

 

ポンテ・カネが大切にしていること

これは他のワイナリーさんでも言えることだとおもいますが、ポンテ・カネは真摯に「土壌」に向き合っています。

土壌がおいしいブドウを作り、その美味しいブドウがおいしいワインを作る。

その上で行っているのが「ビオ」としてのワイン造り、そして「ビオディナミ」としてのワイン造りです。

今回は長くなってしまうので、ビオやビオディナミについては、また詳しく記事にしたいと思います。

 

醸造について

年表にも書きましたが、19世紀に2階からブドウをタンクに入れられる醸造室を造りました。

現在は、重力を使ってタンクをブドウで満たすのは沢山のシャトーで目にしますが、当時はかなり革新的だったようです。

 

この昔ながらの醸造室に木のタンクを16もっています。

一番大きいものが150hlで、大体3ha程醸造できるそう。

この木のタンクではカベルネソーヴィニヨンやカベルネフランを醸造するそう。

 

そしてコンクリートタンクが32

タンクの重さが9トン、厚さが15センチだそう。

このコンクリートタンクでメルローやプティ・ヴェルドを醸造するそう。

ちなみにですが、1970年代から2009年まではコンクリートタンクの代わりにステンレスタンクを利用していたそうです。

コンクリートタンクの方が外からの温度変化を受けにくいのでコンクリートタンクに変えたそうです。

タンクについてはこちらで書いているので、よろしければ見てください。

 

そして昨年2017年からさらに32のコンクリートタンクを導入しました。

40hl(=1ha)の醸造が可能なタンクで、より小さなタンクを使うことで、細かい区画ごとの醸造が可能になったそう。

このタンクの内側はグラーヴと呼ばれる石、外側は粘土、さらに一番外の壁は砂が使われています。

これらはシャトー・ポンテ・カネが所有する(畑が植えられている)土壌からとってきたものだそう。

「ブドウが畑から離れても畑を感じられるようにしたいの」

だそう。

さらにコンクリートタンクはなんと、地球の力、地熱発電によってタンクの中の温度を上げられるような仕組みになっているそう!

「ブドウは地球から生まれたものだから、私達は地球の力を最大限に使うのよ」

とのこと。

 

熟成室

ワインに欠かせない熟成。

16か月から18か月熟成されます。

メドックにしては珍しく、地下にも熟成セラーを持つワイナリーです。

年表にも書きましたが、2012年からアンフォラを使って熟成を行っています。

 

2012年からの熟成は

50%新樽
15%一度ワインを造った樽
35%アンフォラ

という割合。

ちなみにこのアンフォラはカベルネソーヴィニヨンを熟成するものにはグラーヴ(石)が、メルローを熟成するものには石灰が練りこまれています。

それぞれブドウの木が植えられている土壌からとってきたものです。

 

澱引きはかなり少なく、5~6か月に1回。年間2,3回しか行いません。

澱引きについての説明はこちら

 

2017年に新たに挑戦したこと

ポンテ・カネは現在も新たな?昔ながらの?方法に挑戦し続けています。

先ほども書きましたが、2017年に新たなコンクリートタンクを導入しました。

(というか、新たにタンクを置くための部屋も建てました)

 

そして昨年から除梗機を減らしました。

え?除梗しないの?と思うかもしれませんが、除梗はします。

どうするかと言うと、中世のワイン造りで使われていた、網目のある箱の上にブドウを置き、手動で除梗するとのこと。

こんな道具で、網の上にブドウを置いて、除梗します。

「ブドウにできるだけストレスを与えずに醸造したいの」

とのこと。

 

ちょっと笑ってしまうようなことを真面目にやって、その上で素晴らしいワインが出来ているのが凄いところ。

 

見学について

どんどん見学希望者が増えてきたので、今年からプロしか見学できなくなってしまいました。

ただ昨年までと違い、1つのグループにかけてくれる時間がとても伸びました。

そして、樽から1組の見学者に向けてブレンドしてくれたワインを出してくれます。

私が行くと、なぜかいつもアジアのマーケティング担当者のトップの方が現れて色々話してくれます。

時々、醸造責任者のジャン・ミッシェル・コムも来てくれます。

初めに見学するシャトーがポンテ・カネだとボルドーワインの概念と違いすぎて戸惑うことも多いかと思いますが、一見の価値あり!のワイナリーです。

 

まとめ

ちょっと今回は熱が入りすぎてしまった感がありますが、本当に大好きなワイナリー。

毎年新たなシステムを導入していて、今現在は馬小屋を建てて居ます。

「今、馬が生活している所は畑から少し遠いから、馬が仕事に行きやすい様に近くに馬小屋を建てることにしたの」

だそうです。

そしてその馬小屋の上に従業員用の宿舎と、農薬の代わりに香草を使うので、その香草の調合場も造っているそうです。

今後もまだまだ目が話せないシャトー・ポンテ・カネ。

これからどんな変化をしていくのでしょうか。

ワイナリーに変化があれば、書き足して行きたいと思います!

そしてTesseron一家の造っているコニャックについても記事を書きたいと思っています!


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