【独断と偏見】ポンテカネ、今飲むならどのビンテージ?

左岸

質問頂いたので、完全なる私の独断と偏見で今飲むべきポンテカネのビンテージをお伝えしたいと思います。

完全に私の好みなので、意見が違う人もいるかと思いますが、一意見だと思って聞いてもらえればと思います。

今回は写真いっぱい載せてます!

以前、ポンテ・カネについては色々書いているのでもしよかったらご覧ください。

変化

味わいに関わる変化について少しだけお届けします。

私の独断と偏見なので、異論がある方もいると思います。

実際私も全てのビンテージを飲んでいる訳ではないので…。

皆さんがどう思ったか、意見を頂けると喜びます。

変化のタイミング

2009年

今まで木製タンクのみで醸造していたものが変化したのが2009年

ここでコンクリートタンクが導入されます。

とはいえ木製タンクも並行して使われていますが、コンクリートタンク導入により少し味わいが変わったと言われています。

が、私自身ここでの大きな変化はないかなぁと。

美味しいポイヤックのワインが造られている時代です。

2012年

大きく味わいが変化したのは2012年のこと。

個人的には2012年以前と以降で大きく変化しています。

ちなみに私の好みは2012年以降。

今まではポイヤックの素晴らしいワインでしたが、ポンテカネのワインを造る様になったと思っています。

というのもドリアと呼ばれるコンクリートの容器での熟成を始めました。

全体の35%がこのドリアで熟成されています。

また、澱引きの回数もぐっと減らして5~6か月に1回だけ行われます。

2014年

この年でセカンドワインの生産を辞めました。

つまりこの年以降、Château Pontet-Canet(シャトー・ポンテ=カネ)しか生産していません。

今までセカンドワインに使っていたブドウをファーストワインに使うなら、品質が下がったのでは?と思う人もいると思います。

それが、栽培にかなり力を入れて「セカンドワインに使うためのブドウが生産できなくなった」が正解かと。

つまりブドウの品質が上がったことで、全てファーストワインとして生産できるという判断です。

個人的にはこれ以降フレッシュさが増し、複雑さも増したと思っている。

2017年

さらに新しいコンクリートタンクを導入しました。

どんどんタンクが小さくなっていて、どんどン小さな区画ごとの醸造が可能になっています。

また選果方法も変えて、この年から収穫時に全く電力を使わなくなりました。

中世で使われていた、選果機を導入します。

とはいえ味わいの変化はそれほどないかな、と。

収穫中にポンテカネを訪問すると、その静かさにびっくりすると思う。

電気を使ってる機械が何もないから、皆普通に会話ができるの。

年々クオリティが上がっているのは間違いないです。

で、どのビンテージ?

正直2012年以降はどのビンテージ飲んでもおいしい!笑

元も子もないことを言ってしまったけど、個人的な事実なのです。

2012年以降のポンテ・カネのワインって、飲み手に寄り添ってくれる。

それまでのビンテージはポイヤックらしいワインで、とてもとても美味しい。

でも、あえてポンテカネを飲むなら2012年以降を!

酸とタンニンのバランスが良く、フレッシュさもありながらフルーティーで複雑。

そして飲んでいる私たちにエネルギーを与えてくれる。

これはどのビンテージも変わらず持っている性格かなと。

それぞれのビンテージについて簡単にご紹介しようかな。

2012年

多分私が一番飲んでいるビンテージ。

何度も言うけど、ここからポンテカネらしさが全開に!

収穫は10月4日~17日と少し遅め。

ブレンドは65%カベルネ・ソーヴィニョン、30%メルロー、4%カベルネ・フラン、1%プティ・ヴェルドです。

フルーツの爆発力はないけれど、柔らか。

心地の良いスパイシーさもあります。

2013年

雨が多かった年ですね。

私がフランスに渡ってきた年なので、個人的に印象深い。

この年のボルドーワインは良くない!と言う人がいるけれど、それは間違い。

きちんとブドウに向き合っているワイナリーの2013年ビンテージは素晴らしい出来です!

ワイナリーによって良し悪しが分かれたビンテージ。

収穫は9月30日から10月10日で少し遅いかな、と。

ブレンドは変わらず65%カベルネ・ソーヴィニョン、30%メルロー、4%カベルネ・フラン、1%プティ・ヴェルドです。

繊細さがあり、赤いフルーツが好きな方はこのビンテージ好きやと思う。

2014年

セカンドワインが生産されている最後の年。

2013年とほぼ変わらず9月29日から10月10日の収穫。

ブレンドも変わらず65%カベルネ・ソーヴィニョン、30%メルロー、4%カベルネ・フラン、1%プティ・ヴェルドです。

フルーツをしっかり感じる年ではあるけれど、2013年より黒いフルーツをより感じます。

エレガントさを持ちながら、しっかり深みのある2014年。

2015年

収穫は9月18日から10月3日までとボルドーらしい年。

グレートビンテージと呼ばれる年です。

ブレンドは変わらず65%カベルネ・ソーヴィニョン、30%メルロー、4%カベルネ・フラン、1%プティ・ヴェルド。

この年は力強さがしっかりある。

そしてフレッシュなフルーツ。複雑で、力強い。

2015年はボルドーらしさとポンテカネらしさが共存している年。

2016年

9月28日から10月12日に収穫が行われました。

この年もグレートビンテージと言われていますよね。

ブレンドは少し変わって、65%カベルネ・ソーヴィニョン、30%メルロー、3%カベルネ・フラン、2%プティ・ヴェルドです。

個人的に2016年の方がポンテカネは深みがあると思う。

力強く、それでいて繊細。

こういうブドウがしっかり熟した年にもしっかり出るフレッシュさが魅力の一つかな、と。

2017年

9月18日~10月4日まで収穫が行われました。

ブレンドはまた少し変わって、64%カベルネ・ソーヴィニョン、30%メルロー、4%カベルネ・フラン、2%プティ・ヴェルドです。

この年は特別お花の香りが沢山あると思う。

2016年みたいなフルーツの凝縮感はないけれど、代わりにエレガントさをしっかりもつビンテージかな、と。

この年からまた少し変わった印象。

ポンテカネらしいフレッシュさがあります。

2018年

9月24日から10月4日まで収穫が行われました。

ブレンドが少し変わります。

70%カベルネ・ソーヴィニョン、22%メルロー、5%カベルネ・フラン、3%プティ・ヴェルドです。

ボルドーワインやのに若すぎて、飲めるの?と思う人もいると思いますが、ポンテカネは美味しくいただけます。

ワイナリー公式にも、ポイヤックのワインでなく、ポンテカネのワインが出来た!と書いてある。

凝縮感がしっかりありつつ、フルーティーでエレガントなワイン。

2019年

9月23日から10月10日まで収穫されました。

ブレンドもまた少し変わります。

65%カベルネ・ソーヴィニョン、30%メルロー、3%カベルネ・フラン、2%プティ・ヴェルドが使われています。

酸が綺麗で、タンニンもしっかりあるけどバランスが良い。

年々やっぱりポンテ・カネのクオリティが上がっているのが分かる!

若いビンテージを飲むと、そのすごさを体感できます。

ワイナリー情報

Château Pontet-Canet(シャトー・ポンテ=カネ

住所;Château Pontet-Canet, 33250 Pauillac

電話;+33 5 56 59 04 04

参考記事

【長文】大好きなワイナリー、シャトー・ポンテ・カネについて

1855年メドック格付けまとめ

ワイナリーSNSまとめ、メドック編

メドック格付けワイナリー、セカンドワインリスト

2009年ボルドー左岸格付け by Liv-ex

2018年野田祥子的メドック格付け

AOCメドックについて

メドック地方の土地柄を詳しく!

メドック格付けワイナリー栽培品種比較 – 格付け毎

メドック格付けワイナリー栽培品種比較 – AOC毎

最後に

私はポンテカネが好きですが、私の好きなポンテカネは2012年からということで、2012年以降の情報をお伝えしました。

それより前に造られたワインも飲みましたが、今のポンテカネではなく、素晴らしいポイヤックのワインって感じ。

敢えて「シャトー・ポンテ=カネ」のワインを飲むのは2012年以降がおすすめです!


感想やこんな内容書いて欲しい!などあればお気軽に連絡ください。
sachiwines@gmail.com

その他色々やってるので、良かったら見てください
Instagram
Twitter
レストランブログ
Facebook|Bordeaux-Japon.net ボルドージャポンネット 
Homepage|SachiWines 
旧ブログ|レストランブロ
広告

コメント

error: 申し訳ないですが右クリック禁止にしました。データが欲しい方は直接連絡ください。
タイトルとURLをコピーしました