久しぶりにメドック地方のワイナリーです。
今回はマルゴー地区にあるChâteau d’Issan(シャトー・ディッサン)について。
ここはまだ車を持っていなかったときに、駅から歩いて行ったこともあるの。
その時、ブドウ畑全体が紅葉しててめっちゃ綺麗やったんよなぁ。
車で移動するの好きやけど、歩いたり自転車で移動すると違う感覚があって、そっちの方が繊細にモノを感じられる気がする。
目次
歴史
12世紀 |
当時はLa Mothe-Cantenac(ラ・モス・カントナック)と呼ばれていましたが、Théobon(テオボン)氏との結婚により、ワイナリーはThéobon(テオボン)邸と呼ばれるようになりました。 |
3世紀もの間、Noailhan(ノアイヤン)家、Meyrac(メイラック)家、Ségur(セギュール)家、Salignac(サリニャック)家、De La Vergne(ド・ラ・ヴェルニュ)家、Les Escodeca de Boisse(レ・エスコデカ・ド・ボイッセ)家など数々の家族がこのワイナリーを相続していきました。 |
|
1152年5月18日 |
Aliénor d’Aquitaine(アリエノール・ダキテーヌ)と後のイングランド王になるHenri Plantagenêt(ヘンリー・プランタゲネット)の結婚式でワインが提供されました。 |
1453年 |
カスティヨンの戦いの翌日、イギリス人はこの有名だったワイナリーのワインを奪い取ることを忘れませんでした。 |
1575年 |
この年からEssenault(エセノー)家が5世代に渡ってワイナリーを所有していました。 そして、彼らの名字を縮めることでChâteau d’Issan(シャトー・ディッサン)が誕生しました。 |
1723年 |
Prince de Galles(プランス・ド・ガレ)のソムリエHenry Powell(ヘンリー・パウエル)によってさらに注目を浴びました。 |
1787年 |
将来のアメリカ大統領Thomas Jefferson(トーマス・ジェファーソン)のリストに選ばれました。 |
フランス革命 |
Foix de Candale(フォア・デュ・カンダル)家はワイナリーを手放さざるを得なくなり、複数の人の手に渡りました。 |
1824年 |
Jean-Baptiste Duluc(ジャン・バティスト・デュリュック)がワイナリー所有者となりました。 ブドウ畑の品質を良くするための工事を行いました。 |
Blanchy(ブランシー)家が所有者となりました。 |
|
1866年 |
Gustave Roy(ギュスタヴ・ロワ)が経営者となります。 彼は、グラヴィティでの醸造を可能にするために工事を行い、フィロキセラの影響を受けたブドウ畑の植え替えを行いました。 |
19世紀末 |
オーストリアの宮廷にChâteau d’Issan(シャトー・ディッサン)が招かれました。 Château d’Issan(シャトー・ディッサン)のワインはFrançois-Joseph(フランツ・ヨーゼフ)皇帝のお気に入りでした。 シャトーの扉の上に彫られてある「Regum mensis aris que deorum(国王の食卓と神の祭壇のために)」は皇帝の言葉です。 |
2つの世界大戦の間は、残念ながらワイナリーは放置されてしまいました。 |
|
1945年 |
Cruse(クルーズ)家がワイナリー所有者となります。 |
Lionel Cruse(リオネル・クルーズ)のおかげで、ワイナリーは復興を遂げます。 ブドウ畑の植え替えと、施設の近代化が行われました。 |
|
1995年 |
セカンドワインBlason d’Issan(ブラゾン・ディッサン)の生産開始。 |
1998年 |
息子で3世代目のEmmanuel Cruse(エマニュエル・クルーズ)がブドウ畑や醸造施設に投資を行ったおかげで、そのテロワールを十分に発揮できるワインとなりました。 |
2012年 |
Françoise Lorenzettit(フランソワーズ・ロレンツィ)、Jacky Lorenzetti(ジャッキー・ロレンツィ)夫婦が所有者となりました。 彼らはサンテステフのChâteau Lilian Ladouys(シャトー・リリアン・ラドゥイス)とポイヤックのChâteau Pedesclaux(シャトー・ペデスクロー)のオーナーでもあります。 |
生産ワイン
- Château d’Issan(シャトー・ディッサン)
- Blason d’Issan(ブラゾン・ディッサン)
- Haut-Médoc d’Issan(オー・メドック・ディッサン)
- Moulin d’Issan(ムーラン・ディッサン)
の4種類が生産されています。
Château d’Issan
Château d’Issan(シャトー・ディッサン)はファーストワインです。
この記事でお伝えしているのは基本的にこのワインについてです。
生産本数は10万本程度。
比較的古木から採れたブドウを使っています。
さらに表面に砂利、地中に粘土を持つ土壌から採れたブドウを使っていてるのがこのワイン。
Blason d’Issan
Blason d’Issan(ブラゾン・ディッサン)はセカンドワインです。
若木から採れたブドウを使っています。
熟成期間も14~16か月と少し短く、新樽35%使用です。
ちなみに生産数は年間12万本程度。
Haut-Médoc d’Issan
Haut-Médoc d’Issan(オー・メドック・ディッサン)はその名の通り、オー・メドックに畑を持ちます。
シャトーのあるところから5㎞くらい、Arsac(アルサック)村に畑があります。
年間の生産は1万8千本に制限されていて、カベルネ・ソーヴィニョンとメルローのブレンド。
Moulin d’Issan
Moulin d’Issan(ムーラン・ディッサン)はアペラシオンボルドー・シューペリオールのワインです。
これはジロンド河口に近いところに畑があり、土壌は粘土石灰。
メルローに向いている土地なので、メルローが90%以上含まれています。
年間4万本程度の生産。
ブドウ畑
53haの畑を所有しています。
- 65%カベルネ・ソーヴィニョン
- 35%メルロー
と2品種のみの栽培を行っています。
収穫と選果
収穫は手摘みで行います。
まずは房で選果、除梗をしてから実だけで選果を行います。
醸造施設
タンクはステンレスタンクのみ。
35基タンクを所有しています。
まずは8日間醸しを。
その後アルコール発酵を行います。
アルコール発酵中は、ボルドーらしくルモンタージュを1日に2回。
(参考;ワイン醸造:アルコール発酵について。)
熟成
フランスオーク樽を7社から購入しています。
新樽使用は50%、16~18か月熟成です。
澱引きは3か月に1回と、ボルドーらしい作業を行います。
まとめ
ブドウ品種 |
65%カベルネ・ソーヴィニョン 35%メルロー |
タンク |
ステンレスタンク |
熟成期間 |
16~18か月 |
新樽使用率 |
50% |
ワイナリー情報
住所;Château d’Issan, Chemin de la Ménagerie, 33460
電話;+33 5 57 88 35 91
参考記事
コスパのいいおすすめワイナリー、Château Lilian Ladouys
最新の技術?メドック格付け、Château Pédesclaux
最後に
如何だったでしょうか。
最初にも書いたけど、歩いてワイナリー訪問するの大変やったけどめっちゃ楽しかったのを思い出した。
今は、ワイナリーまで車で行ってワイナリー内だけあるくから、行くまでの空気感とかは感じてないなぁって。
車で行かないといけないワイナリーも多いから、行きたいところに行くにはやっぱり車なんやけど。笑
なんかちょっとノスタルジーな気分になった記事でした。
|
|
感想やこんな内容書いて欲しい!などあればお気軽に連絡ください。 sachiwines@gmail.com その他色々やってるので、良かったら見てください☆ InstagramやTwitter レストランブログ Facebook・Bordeaux-Japon.net ボルドージャポンネット Homepage・SachiWines 旧ブログ・Bordeaux-Japon.net ボルドージャポンネット レストランブログ
コメント
[…] ンドがイマイチだったので、全く飲む気がせず、1年以上セラーで放置していた今回のワインを、何故このタイミングで抜栓したかというと、きっかけはこちらの記事を読んだからです。 […]