以前特集したChâteau Durfort-Vivens。
そのオーナーであるGonzague Lurtonの奥さんであるClaire Villars所有の、Château Haut-Bages Libéralについての特集です。
歴史
18世紀初頭 |
Libéral親子の所有していたこのワイナリー。 彼らは土地と、ブドウ畑を買っただけで、当時は建物がありませんでした。 Libéral家はオランダとベルギーにワインを卸すクルティエ一族。 |
1855年 |
メドック格付けで5級に選ばれました。 |
1960年 |
Cruse一族のものとなります。 このCruse一族は、1965年からChâteau Pontet-Canetを所有していました。 |
1982年 |
Villars-Merlaut一族がオーナーに。 Jacques Merlaut氏とその家族は、Châteaux Chasse-SpleenとChâteaux La Gurgueを所有していました。 |
1994年 |
Château Durfort-Vivensを所有するGonzague Lurton氏と結婚。 |
2000年 |
両親が亡くなったことで、後継者である娘Claire Villarsがオーナーとなります。 クレールはChâteaux FerrièreとChâteaux La Gurgueも所有しています。 彼女はもともと物理や化学を専攻する人で、その後ブドウ畑と化学物質について考えるようになります。 |
2006年 | サンテステフにChâteau Domeyneを購入。 |
2012年 |
旦那さんのGonzague Lurton氏と共にアメリカ、ソノマにワイナリーを購入しました。 このワイナリーはAcaiboと名付けられました。 |
ブドウ畑
30ヘクタールあるうちの半分、15ヘクタールがChâteau Latourと接しており、残りの15ヘクタールがChâteau Pichon Baronに接しています。
ポイヤックらしい土壌をもつ「Bages」と呼ばれる場所に畑を持つワイナリーの一つ。
ブドウ品種
メルロとカベルネ・ソーヴィニョンを栽培しています。
お城の周り、粘土石灰が多いところにメルロを。
標高が少し高く、石が広がる土壌にカベルネ・ソーヴィニョンを植えています。
- 70%カベルネ・ソーヴィニョン
- 30%メルロ
を栽培しています。
栽培方法
歴史部分で触れたように、夫婦でいくつものワイナリーを所有しています。
共通しているのが、「ビオ」そして「ビオディナミ」でのブドウ栽培。
ここ、Château Haut-Bages Libéralでは2006年に「ビオとしてのブドウ栽培」を始めました。
そして2009年には「ビオディナミとしてのブドウ栽培」を開始。
最終的に2019年にビオの認定を受け、2021年にビオディナミの認定を受ける予定。
収穫
収穫はもちろん手摘み。
3~4週間くらいかけて30人程度で行います。
その後、選果、除梗、フロワール(fouloir)を通ってポンプでタンクの中にブドウが入れられます。
醸造施設
2000年に新しくなった醸造室を持ちます。
タンクはステンレスタンクとコンクリートタンク。
ステンレスタンクは16基、様々な大きさのものを持ちます。
コンクリートタンクは20基。
毎年、ブドウの状況を見ながらどのタンクを使うかを決定するそう。
熟成
樽とコンクリートタンクで熟成しています。
ここにもコンクリートタンクがあります。
20ヘクトリットルの小さなもので、醸造ではなく熟成に利用されるもの。
2018年から今現在に至るまで使われています。
2018年は生産の3分の1をこのコンクリートタンクで熟成しました。
外見は角張ってるけど、中はつるんと丸い卵型です。
樽
7社の樽会社と取引していて、焼き加減はミディアムからミディアムプラス。
ファーストワインは40%新樽使用、セカンドワインは新樽使用ゼロです。
新しい容器
2022年に訪問した時、新たなタンクが導入されていました!
まさかの陶器。
今はまだ4基ですが、これからもしかしたら増えていくかもしれないとのこと。
テイスティング
確か一昨年から一般見学ができるようになり、試飲もできるようになりました。
この日はちょっと特別にファーストワインを3種、セカンドワインをいただきました。
そしてロゼ!
生産量が少ないからワイナリーでしか買えないのだけれど、ボルドーらしいロゼでこれも飲んでみて欲しい。
果実の凝縮感もあるし、ポイヤックらしいしっかりしたワイン。
でも、なんか素朴なのよ。
なんなんやろね、このちょっとした素朴さ。
とはいえ、これがワイナリーの良さなのだけれど!
畑の仕事量が年々増えているので、今後どんどん良くなっていく景色しか見えないワイナリー。
まとめ
ブドウ品種 |
70%カベルネ・ソーヴィニョン 30%メルロ |
タンク | ステンレス、コンクリート |
新樽使用率 | 40% |
ワイナリー情報
Château Haut-Bages Libéral(シャトー・オー・バージュ・リベラル)
住所;18 Balogues, 33250 Pauillac
電話;+33 5 57 88 76 65
参考記事
ビオディナミック栽培のワイナリー、Château Durfort-Vivens
最後に
あまり目立たないけれど実力派ワイナリー。
このご夫婦の造るワイン、私はとっても好きなんです。
ちなみにオーガニック栽培だから、ビオディナミック栽培だから好き、という訳ではなく単純においしいと思うので好き。
ワイナリー敷地内に家庭菜園もあって、そこで採れたものは従業員が持って帰ってもいいらしい!
トマトは時々試飲の時に出してくれます。笑
またお邪魔したいワイナリー!
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