ペサック・レオニャンの実力派、シャトー・ラリヴェ・オー=ブリオン

左岸

私がボルドーに来たとき、最初に好きになったワイナリーで、今でも思い出深いワイナリーの一つ。

ペサック・レオニャンのChâteau Larrivet Haut-Brion(シャトー・ラリヴェ・オー=ブリオン)です。

ボルドーからも近いし、白赤ワイン共につくってるし、いろんなタンク使ってるから一度に色々知れるので訪問にもおすすめです。

歴史

1840年~

ワイナリーはいくつも名前を変えてきました。

最初はChâteau de Canol(シャトー・ド・カノール)、La Rivette(ラ・リヴェット)、La Rivette(ラ・リヴェット)、Brion-Larrivet(ブリオン=ラリヴェ)に名前の変化がありました。

1874年 ボルドーのネゴシアン、Ernest Laurent(エルネスト・ローラン)によってChâteau Haut-Brion Larrivet(シャトー・オー=ブリオン・ラリヴェ)に一旦確定しました。
1893年

Château Haut-Brion-Larrivet(シャトー・オー=ブリオン・ラリヴェ)はボルドーの船主であるMMの所有になりました。

彼らはThéodor Conseil(テオドール・コンセイユ)の息子たちです。

ワイナリーを発展させ、ブドウ畑も50ヘクタールまで拡大させました。

1898年 Féret(フェレ)ガイドがこのワイナリーのワインをグラーヴのcru exceptionnel(クリュ・エクセプショネル)に選ばれました。
1930年代 相次ぐ栽培危機が訪れます。
1929年 現在の名前Château Larrivet Haut-Brion(シャトー・ラリヴェ・オー=ブリオン)に変わりました。
1941年 全てのブドウ畑とワイナリーをGuillemaud(ギユモー)氏が買収しました。
1982年 この年までGuillemaud(ギユモー)氏はオーナーで居続けました。
1897年

Gervoson(ジェルボソン)家がワイナリーを取得しました。

当時、17ヘクタールのブドウ畑と13ヘクタールの森を所有していました。

Philippe Gervoson(フィリップ・ジェルボソン)とChristine Gervoson(クリスティーヌ・ジェルボソン)はブドウ畑の地理的調査を含む再構築を始めました。

 

数年後、ブドウ畑は72.5ヘクタールまで広がりました。

白ワイン用ブドウ11.5ヘクタール、赤ワイン用ブドウ畑61ヘクタールを有します。

2007年 ワイナリーのゼネラルマネージャー兼ワイン生産担当にBruno Lemoine(ブルーノ・レモワンヌ)氏が就任しました。
2009年 3人娘の一人であるEmilie Gervoson(エミリー・ジェルボソン)が広報担当に任命されました。

生産ワイン

赤ワイン・白ワイン共に3種つくっています。

いつもはファーストワインをメインに書いていますが、今回はそれぞれのワインについて書きます。

まずはつくっているワインの名前だけを。

赤ワイン

  • Château Larrivet Haut-Brion(シャトー・ラリヴェ・オー=ブリオン)
  • Les Demoiselles de Larrivet Haut-Brion(レ・デモワゼル・ド・ラリヴェ・オー=ブリオン)
  • Les Hauts de Larrivet Haut-Brion(レ・オー・ド・ラリヴェ・オー=ブリオン)

の3種をつくっています。

白ワイン

白ワインも赤ワインと同様の名前を冠しています。

  • Château Larrivet Haut-Brion(シャトー・ラリヴェ・オー=ブリオン)
  • Les Demoiselles de Larrivet Haut-Brion(レ・デモワゼル・ド・ラリヴェ・オー=ブリオン)
  • Les Hauts de Larrivet Haut-Brion(レ・オー・ド・ラリヴェ・オー=ブリオン)

これも「ブドウ畑」項目の後にそれぞれのワインについて書きます。

ブドウ畑

72.5ヘクタール所有していて、内61ヘクタールが赤ワイン用のブドウが栽培されています。

赤ワイン用品種は

  • 50%メルロー
  • 45%カベルネ・ソーヴィニョン
  • 5%カベルネ・フラン

白ワイン用品種は

  • 80%ソーヴィニョン
  • 20%セミヨン

が栽培されています。

ソーヴィニョンはソーヴィニョン・ブランとソーヴィニョン・グリの2種をさします。

平均樹齢は赤ワイン用品種が30年、白ワイン用品種が25年です。

グラーヴらしい土壌を所有していて、地表には白い石粘土が混ざり合っています。

水はけが良く、ワイン用ブドウ栽培に向いた土地を所有しています。

収量は赤ワイン用品種が1ヘクタールに45ヘクトリットル、白ワイン用品種が1ヘクタールに40ヘクタール。

さらに畑全体で1ヘクタールに7700株植えられています。

赤ワイン

まずは赤ワイン3種について、収穫から瓶詰までお届けします。

シャトー・ラリヴェ・オー=ブリオン

Château Larrivet Haut-Brion(シャトー・ラリヴェ・オー=ブリオン)はファーストワイン

手摘み収穫され、小さなカゴで収穫したブドウが運ばれます。

これはブドウが自重でブドウを潰してしまわないために。

除梗前に手で選果され、その後光学選果機で選果されます。

小さなコンクリートタンクで、区画ごとに醸造が行われます。

醸造期間が4~5週間と醸しも含めてゆっくり行うのも特徴です。

熟成は温度管理された熟成セラーの中で行われます。

フレンチオークの中で14~18か月間ワインが眠ります。

樽については新樽、1度ワインを熟成させた樽、2度ワインを熟成させた樽の3種使っています。

そして熟成後の澱引きは卵の白身を使って行われ、瓶詰め前に軽いろ過も行われます。

95%がネゴシアンを通して販売され、残り5%が一般の方に直接販売されます。

レ・デモワゼル・ド・ラリヴェ・オー=ブリオン

Les Demoiselles de Larrivet Haut-Brion(レ・デモワゼル・ド・ラリヴェ・オー=ブリオン)は赤ワインのセカンドワイン

70%メルロー、30%カベルネ・ソーヴィニョンがブレンドされています。

収穫は機械で行われ、その後光学選果機で選果を行います。

ステンレスタンクの中で醸造され、まさかの発酵温度は30度!

ボルドーは他の地域に比べると発酵温度高いけど、これだけ高いのは珍しい。

その後の熟成は温度管理されたセラー内で14か月行われます。

27ヘクトリットルの大樽と、樽、ステンレスタンク内で熟成が行われます。

卵のアルブミンを使って清澄作業を行い、瓶詰め前に軽いろ過を行います。

販売は一転、レストランやワインショップ、一般の方にのみ行われます。

レ・オー・ド・ラリヴェ・オー=ブリオン

Les Hauts de Larrivet Haut-Brion(レ・オー・ド・ラリヴェ・オー=ブリオン)は同じくセカンドワインですが、大きなスーパーマーケットのみでの販売です。

70%メルロー、30%カベルネ・ソーヴィニョンがブレンドされています。

レ・デモワゼル同様に、機械収穫後、光学選果機で選果されます。

ステンレスタンクで区画ごとに醸造します。

発酵温度が30度とかなり高いのも特徴。

温度管理された熟成セラーで14か月間熟成されます。

熟成に使われるのは27ヘクトリットルの大樽と樽、ステンレスタンクの3種です。

熟成後はアルブミンを使って清澄作業が行われ、ろ過のあとに瓶詰めをします。

白ワイン

ここからは白ワインについてです。

これも3種別々にお届けします!

シャトー・ラリヴェ・オー=ブリオン

Château Larrivet Haut-Brion(シャトー・ラリヴェ・オー=ブリオン)は白ワインのファーストワイン

収穫は赤ワインと同様に手摘みで行われ、小さなカゴに入れられます。

まずはデブルバージュを小さなステンレスタンクで48時間行います。

その後醸造が始まります。

醸造は50%新樽で、30%中サイズの大樽で、最後20%がコンクリート製の卵型タンクで行われます。

醸造の後の熟成も同じ容器で行われ、11か月熟成されます。

その間、バトナージュを行うことでこのワインの特徴であるまったりしたオイリーさがでます。

ベントナイトで清澄作業が行われ、瓶詰め前にろ過します。

95%ボルドーのネゴシアンによって販売され、残り5%が一般の方に販売されます。

レ・デモワゼル・ド・ラリヴェ・オー=ブリオン

Les Demoiselles de Larrivet Haut-Brion(レ・デモワゼル・ド・ラリヴェ・オー=ブリオン)はセカンドワイン

レストランやワインショップ、一般の方にのみ販売されています。

品種は90%ソーヴィニョン・ブラン、5%セミヨン、5%がソーヴィニョン・グリです。

手で収穫され、小さなカゴに入れられます。

小さなステンレスタンク内、6~8度下でデブルバージュを48時間行います。

醸造は卵型のコンクリートタンクと中サイズの大樽を使って。

11か月間、卵型のコンクリートタンクと中サイズの大樽で熟成され、ベントナイトを使って清澄作業が行われます。

その後ろ過をし、瓶詰め作業に。

レ・オー・ド・ラリヴェ・オー=ブリオン

Les Hauts de Larrivet Haut-Brion(レ・オー・ド・ラリヴェ・オー=ブリオン)は大手スーパーにのみ販売されるセカンドワインです。

90%ソーヴィニョン・ブラン、5%セミヨン、5%がソーヴィニョン・グリが使われています。

小さなステンレスタンク内、6~8度でデブルバージュを48時間行います。

卵型のコンクリートタンクと中サイズの大樽を使って醸造が行われます。

その後、同じ容器で11か月熟成が行われます。

清澄作業はベントナイトを使い、その後軽いろ過をして、瓶詰めが行われます。

まとめ

ブドウ品種

赤ワイン用品種

50%メルロー

45%カベルネ・ソーヴィニョン

5%カベルネ・フラン

白ワイン用品種

80%ソーヴィニョン(ブランとグリ)

20%セミヨン

タンク ステンレス、コンクリート、木製

ワイナリー情報

Château Larrivet Haut-Brion(シャトー・ラリヴェ・オー=ブリオン)

住所;84 Av. de Cadaujac, 33850 Léognan, France

電話;+33 5 56 64 99 87

参考記事

ワイナリーSNSまとめ、グラーヴ編

グラーヴ、ソーテルヌ・バルサックの格付けまとめ

ボルドー赤ワイン醸造

ワイン醸造:アルコール発酵について。

AOCボルドーで認められている品種(赤/白/ロゼ)

ボルドーワイン=ブレンドワイン

最近のボルドーワインについて

ファーストワインとセカンドワイン…って何?

環境配慮から見るボルドーワイン

材質別タンクのメリット・デメリット

最後に

このワイナリー、結婚式もあげれるのです。

実はここで結婚式挙げたくて色々見ていたのだけれど、宿泊施設がないからあきらめたのが懐かしい。

ボルドーから車で30分弱で行けるし、時々ピクニックやったりイベントも開催してるし、おすすめです!

ペサック・レオニャンは赤白つくっているので、いろんな造りを教えて貰えるのもいいよね!

個人的にペサック・レオニャンの訪問はおすすめです!


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