ラトゥールの隣、シャトー・オー・バージュ・リベラル

左岸

以前特集したChâteau Durfort-Vivensシャトー・デュフォール=ヴィヴァン

そのオーナーであるGonzague Lurtonゴンザック・ルリュトンの奥さんであるClaire Villarsクレール ヴィラール所有の、Château Haut-Bages Libéralシャトー・オー・バージュ・リベラルについての特集です。

格付け第5級 シャトー オー バージュ リベラル 2018 750ml 赤ワイン カベルネ ソーヴィニヨン フランス ボルドー

歴史

18世紀初頭

Libéralリベラル親子の所有していたこのワイナリー。

彼らは土地と、ブドウ畑を買っただけで、当時は建物がありませんでした。

Libéralリベラル家はオランダとベルギーにワインを卸すクルティエ一族。

1855年

メドック格付けで5級に選ばれました。

1960年

Cruseクルーズ一族のものとなります。

このCruseクルーズ一族は、1965年からChâteau Pontet-Canetシャトー・ポンテ=カネを所有していました。

1982年

Villars-Merlautヴィラール・メルロー一族がオーナーに。

Jacques Merlautジャック・メルロー氏とその家族は、Châteaux Chasse-Spleenシャトー・シャス・スプリーヌChâteaux La Gurgueシャトー・ラ・グルグを所有していました。

1994年

Château Durfort-Vivensシャトー・デュフォール=ヴィヴァンを所有するGonzague Lurtonゴンザク・ルリュトン氏と結婚。

2000年

両親が亡くなったことで、後継者である娘Claire Villarsクレール・ヴィラールがオーナーとなります。

クレールはChâteaux Ferrièreシャトー・フェリエールChâteaux La Gurgueシャトー・ラ・グルグも所有しています。

彼女はもともと物理や化学を専攻する人で、その後ブドウ畑と化学物質について考えるようになります。

2006年 サンテステフにChâteau Domeyneシャトー・ドメイヌを購入。
2012年

旦那さんのGonzague Lurtonゴンザク・ルリュトン氏と共にアメリカ、ソノマにワイナリーを購入しました。

このワイナリーはAcaiboアカイボと名付けられました。

ブドウ畑

30ヘクタールあるうちの半分、15ヘクタールがChâteau Latourシャトー・ラトゥールと接しており、残りの15ヘクタールがChâteau Pichon Baronシャトー・ピション・バロンに接しています。

ポイヤックらしい土壌をもつ「Bagesバージュ」と呼ばれる場所に畑を持つワイナリーの一つ。

ブドウ品種

メルロとカベルネ・ソーヴィニョンを栽培しています。

お城の周り、粘土石灰が多いところにメルロを。

標高が少し高く、石が広がる土壌にカベルネ・ソーヴィニョンを植えています。

  • 70%カベルネ・ソーヴィニョン
  • 30%メルロ

を栽培しています。

栽培方法

歴史部分で触れたように、夫婦でいくつものワイナリーを所有しています。

共通しているのが、ビオ」そして「ビオディナミ」でのブドウ栽培

ここ、Château Haut-Bages Libéralシャトー・オー・バージュ・リベラルでは2006年に「ビオとしてのブドウ栽培」を始めました。

そして2009年には「ビオディナミとしてのブドウ栽培」を開始。

最終的に2019年にビオの認定を受け、2021年にビオディナミの認定を受ける予定。

収穫

収穫はもちろん手摘み。

3~4週間くらいかけて30人程度で行います。

その後、選果、除梗、フロワール(fouloir)を通ってポンプでタンクの中にブドウが入れられます。

醸造施設

2000年に新しくなった醸造室を持ちます。

タンクはステンレスタンクとコンクリートタンク

ステンレスタンクは16基、様々な大きさのものを持ちます。

コンクリートタンクは20基。

毎年、ブドウの状況を見ながらどのタンクを使うかを決定するそう。

熟成

樽とコンクリートタンクで熟成しています。

ここにもコンクリートタンクがあります。

20ヘクトリットルの小さなもので、醸造ではなく熟成に利用されるもの。

2018年から今現在に至るまで使われています。

2018年は生産の3分の1をこのコンクリートタンクで熟成しました。

外見は角張ってるけど、中はつるんと丸い卵型です。

7社の樽会社と取引していて、焼き加減はミディアムからミディアムプラス。

ファーストワインは40%新樽使用、セカンドワインは新樽使用ゼロです。

新しい容器

2022年に訪問した時、新たなタンクが導入されていました!

まさかの陶器。

今はまだ4基ですが、これからもしかしたら増えていくかもしれないとのこと。

テイスティング

確か一昨年から一般見学ができるようになり、試飲もできるようになりました。

この日はちょっと特別にファーストワインを3種、セカンドワインをいただきました。

そしてロゼ!

生産量が少ないからワイナリーでしか買えないのだけれど、ボルドーらしいロゼでこれも飲んでみて欲しい。

果実の凝縮感もあるし、ポイヤックらしいしっかりしたワイン。

でも、なんか素朴なのよ。

なんなんやろね、このちょっとした素朴さ。

とはいえ、これがワイナリーの良さなのだけれど!

畑の仕事量が年々増えているので、今後どんどん良くなっていく景色しか見えないワイナリー。

まとめ

ブドウ品種

70%カベルネ・ソーヴィニョン

30%メルロ

タンク ステンレス、コンクリート
新樽使用率 40%

ワイナリー情報

Château Haut-Bages Libéral(シャトー・オー・バージュ・リベラル)

住所;18 Balogues, 33250 Pauillac

電話;+33 5 57 88 76 65

参考記事

ビオディナミック栽培のワイナリー、Château Durfort-Vivens

【長文】大好きなワイナリー、シャトー・ポンテ・カネについて

1855年メドック格付け1級、シャトー・ラトゥール

ポイヤックの2級シャトー、シャトー・ピション・バロン

1855年メドック格付けまとめ

ワイナリーSNSまとめ、メドック編

メドック格付けワイナリー、セカンドワインリスト

2009年ボルドー左岸格付け by Liv-ex

2018年野田祥子的メドック格付け

AOCメドックについて

メドック地方の土地柄を詳しく!

ワイン醸造:アルコール発酵について。

AOCボルドーで認められている品種(赤/白/ロゼ)

ボルドーワイン=ブレンドワイン

最近のボルドーワインについて

ファーストワインとセカンドワイン…って何?

材質別タンクのメリット・デメリット

最後に

あまり目立たないけれど実力派ワイナリー。

このご夫婦の造るワイン、私はとっても好きなんです。

ちなみにオーガニック栽培だから、ビオディナミック栽培だから好き、という訳ではなく単純においしいと思うので好き。

ワイナリー敷地内に家庭菜園もあって、そこで採れたものは従業員が持って帰ってもいいらしい!

トマトは時々試飲の時に出してくれます。笑

またお邪魔したいワイナリー!


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コメント

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