実業家ベルナール・マグレ氏の所有ワイナリー、シャトー・パプ・クレマン

左岸

ボルドーから車で10分強、公共交通機関でも行けるワイナリーChâteau Pape Clément(シャトー・パプ・クレマン)のご紹介です。

レストランはないですが、ホテルはあるので宿泊可能!

歴史

1252年

最初の収穫があったと言われています。

当時はDomaine de la Moth(ドメーヌ・ド・ラ・モテ)と呼ばれていました。

1299年12月末

ボルドー南部の命家の息子であるGaillard de Goth(ガイヤール・ド・ゴト)によってワイナリーが購入されました。

この購入は彼の兄弟であるBertrand de Goth(ベルトランド・ド・ゴト)の要請で会ったと言われています。

というのもBertrand de Goth(ベルトランド・ド・ゴト)はボルドーの大司教に任命されたばかりでワイナリーへの立ち入りができない立場だったからと言われています。

1305年 Bertrand de Goth(ベルトランド・ド・ゴト)はフランス王フィリップ・ル・ベルの支援を受け、教皇(Pape)に就任し、Pape Clément V(パプ・クレマン5世)を名乗りました。
1306年

Gaillard de Goth(ガイヤール・ド・ゴト)が亡くなる数日前、教皇クレモン5世(Pape Clément V)はペサックの領地を遺贈され、自身の名前をワイナリーに与えることでChâteau Pape Clément(シャトー・パプ・クレマン)が誕生しました。

Bertrand de Goth(ベルトランド・ド・ゴト)はブドウ栽培が好きで、自身のブドウ畑をとても大切にしました。

教皇である彼は、ローヌ地方やアヴィニョン周辺のブドウ畑の発展にも貢献します。

シャトーヌフ・ド・パップやジゴンダス、ボーム・ド・ヴェニーズなどのブドウ畑がボルドーワインと肩を並べるほど有名になったのは彼のおかげだと言われています。

1306年8月30日

教皇クレモン5世は突然高熱に襲われました。

命の危険を感じた彼は、ペサックのラ・モテの畑に住み着きたいと考えました。

彼が療養中ペサックに居たのは、フランス王フィリップ・ル・ベルと交わされた多くの手紙の消印がペサックであることより分かります。

1305~1309年 教皇クレモン5世は自分のブドウ畑を特別なものにするために、細心の注意を払って管理を続けました。
1309年12月 教皇クレモン5世は教皇としての職責を全うするために、ブドウ畑の管理ができなくなり、ボルドー大司教に自身のワイナリーを寄付することを決めました。
1314年 教皇クレモン5世の死去。
1789年 フランス革命までボルドー大司教の所有であったワイナリーが革命派に没収されました。
1791年 ワイナリーが競売にかけられます。
1864年

ワイナリーの歴史の中で忘れられないJean-Baptiste Clerc(ジャン=バティスト・クレール)がオーナーになります。

現在のネオ・ゴシック様式のお城の原型となる建物を手がk目明日。

さらに彼の指導の下30ヘクタール以上モノ畑の植え替えが行われました。

1937年6月8日 激しい雹により、Château Pape Clément(シャトー・パプ・クレマン)のブドウ畑のほとんどが被害に遭いました。
1939年 Paul Montagne(ポール・モンターニュ)氏がワイナリーを購入し、ブドウ畑と施設を以前の形に戻し始めました。
1959年

グラーヴの格付けが造られた時、Paul Montagne(ポール・モンターニュ)氏の努力と結果が現れました。

1980年代

実業家のBernard Magrez(ベルナール・マグレ)氏がワイナリーを購入し、国際的な評価を得ました。

Bernard Magrez(ベルナール・マグレ)氏は区画ごとの醸造を可能にするなど、ワインの品質を上げるために尽力します。

1985年 有名なコンサルタントであるMichel Rolland(ミッシェル・ローラン)氏が入り、ワインの品質がさらに高まりました。
2003年 新しい熟成セラーが完成します。
2007年 木製タンクだけが置かれた醸造施設が改修されました。

生産ワイン

赤・白含め複数のワインを生産しています。

  • CHÂTEAU PAPE CLÉMENT(赤)
  • CHÂTEAU PAPE CLÉMENT(白)
  • CLÉMENTIN DE PAPE CLÉMENT(赤)
  • CLÉMENTIN DE PAPE CLÉMENT(白)

今回は赤白あるので、それぞれのワインについて後程書きます。

ブドウ畑

ブドウ畑は60ヘクタール所有しています。

土壌は100万年前に堆積した砂利が地表に広がる、素晴らしい畑を持ちます。

様々なブドウを栽培しており、赤ワインは

  • カベルネ・ソーヴィニョン
  • メルロー
  • カベルネ・フラン
  • プティ・ヴェルド

を栽培しており、白ワインは

  • ソーヴィニョン・ブラン
  • ソーヴィニョン・グリ
  • セミヨン
  • ムスカデル

を栽培しています。

また、栽培にはHVEレベル3の認証を得ています。

赤:シャトー・パプ・クレマン

赤のファーストワインがChâteau Pape Clément(シャトー・パプ・クレマン)です。

手摘みで収穫され、木製タンク内で醸造が行われます。

ブドウは56%カベルネ・ソーヴィニョン40%メルロー4%カベルネ・フランが使われるのが基本です。

この木製タンクは30~70へクトリットルまで容量が様々で、グラヴィティを使って醸造されます。

タンクがブドウで一杯になったら、まずは8度の低温で醸しを行います。

その後温度を上げてアルコール発酵を。

発酵中はピジャージュのみ行います。

タンクの中にブドウ/ワインが入っているのは30~40日程度。

その後、またグラヴィティを使って樽のなかにワインを入れます。

熟成は18か月とボルドーの一般的な熟成期間。

白:シャトー・パプ・クレマン

グラーヴなので、白ワインも作っております。

赤ワインと同じ名前Château Pape Clément(シャトー・パプ・クレマン)です。

これが白ワインのファーストワイン。

ブドウ品種は50%ソーヴィニョン・ブラン40%セミヨン10%ソーヴィニョン・グリが使用されています。

収穫は手で行い、さらにプレスも並行圧搾機で行います。

この圧搾時は全房で行います。

出てきた果汁は樽に入れられます。

デブルバージュ、そして醸造はフレンチオークの樽で行われます。

澱と共に熟成し、バトナージュを行います。

生産の15%のみコンクリートの卵型タンクで醸造を行います。

熟成は16か月と赤ワインより少な目。

赤:クレモンタン・ド・パプ・クレマン

Clémentin de Pape Clément(クレモンタン・ド・パプ・クレマン)はまた赤ワイン。

立場としてはセカンドワインです。

ブドウ品種が少し変わり、70%メルロー、30%カベルネ・ソーヴィニョンを使用しています。

収穫は手で行い、選果も手で行います。

25~90へクトリットルのタンクにグラヴィティを使ってブドウを入れます。

タンクはステンレスタンクとコンクリートタンク。

醸造前にタンクを8度に下げて、低温発酵を行います。

そして醸造の間はピジャージュを手作業で行っています。

タンクの中に果汁/ワインが入っている期間は30~35日程度。

樽にグラヴィティを使ってワインを入れ、マロラクティック発酵は樽内で行います。

発酵期間は16か月。

白:クレモンタン・ド・パプ・クレマン

同じくClémentin de Pape Clément(クレモンタン・ド・パプ・クレマン)。

赤ワインと同じく白ワインです。

ブドウ品種はファーストワインと違って、75%ソーヴィニョン・ブラン、20%セミヨン、5%ムスカデル。

収穫されたブドウは並行圧搾機にかけてゆっくり圧搾されていきます。

全房を使って圧搾されたブドウ果汁はグラヴィティを使って樽の中に入れられます。

デブルバージュと発酵はフレンチオークの中で。

熟成期間中は澱の中で行い、その間バトナージュを行います。

熟成は15か月、55%新樽で行います。

まとめ

ブドウ品種

赤ワイン用

カベルネ・ソーヴィニョン

メルロー

カベルネ・フラン

プティ・ヴェルド

白ワイン用

ソーヴィニョン・ブラン

ソーヴィニョン・グリ

セミヨン

ムスカデル

タンク 木製タンク
熟成期間 18か月
新樽使用率 70%

ワイナリー情報

Château Pape Clément(シャトー・パプ・クレマン)

住所;216 Av. Dr Nancel Penard, 33600 Pessac, France

電話;+33 5 57 26 38 38

参考記事

ワイナリーSNSまとめ、グラーヴ編

グラーヴ、ソーテルヌ・バルサックの格付けまとめ

ボルドー赤ワイン醸造

ワイン醸造:アルコール発酵について。

AOCボルドーで認められている品種(赤/白/ロゼ)

ボルドーワイン=ブレンドワイン

最近のボルドーワインについて

ファーストワインとセカンドワイン…って何?

環境配慮から見るボルドーワイン

材質別タンクのメリット・デメリット

最後に

ワイナリー敷地内にグスタヴ・エッフェルの設計した建物があったり、見どころたっぷりのワイナリーです。

ワイナリー訪問したら試飲させてもらえるけど、ショップが併設されているので試飲だけでもできるはず。

グラーヴ地方はボルドーから近いから、車がなくても行けるのもいいですよね。

ショップだけなら予約なしでも行けるので是非どうぞ!


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