私の好きなワイナリーの一つ、シャトー・ラ・ルヴィエール

左岸

このブログでは何度もお届けしているLurton一族のワイナリー。

その中で、格付けに選ばれていないですが、素晴らしいワインを生産しているChâteau La Louvière(シャトー・ラ・ルヴィエール)についてお届けします。

歴史

1310年

アキテーヌはイギリスの支配下でした。

当時から、La Lobeyra(La Louvière)は存在していました。

これは、フランス政府によって管理されている古い登記簿の一つである「Gascon Calendars(ガスコン・カレンダー)」によって証明されています。

Léognan(レオニャン)の行政区は、当時あまり魅力的でなく、森に覆われ、オオカミが住んでいました。

この狼(loups/ルー)が、ワイナリー名La Louvière(ラ・ルヴィエール)の元になっていると言われています。

 

Guilhem de La Louvière(ギレム・ド・ラ・ルヴィエール)は税金徴収担当の地元のデスポテースで、ワイナリーの所有者でした。

小さな塔が飾られたつつましい住居は森の中の空地の真ん中に建っていました。

周りには、砂利の素晴らしいテロワールが広がっていました。

1398年

商業で成功した、古いボルドーのブルジョワ階級の一族、de Guilloche(ド・ギヨッシェ)がLa Louvière(ラ・ルヴィエール)を管理します。

彼らは2世紀以上の間、ボルドー市の政治に関わりました。

15世紀末

同一族にLa Louvière(ラ・ルヴィエール)の領主で、詩人Jehan de Guilloche(ジョアン・ド・ギヨッシェ)がいました。

1510年~1550年

現在私たちが知るLa Louvière(ラ・ルヴィエール)は、Pierre de Guilloche(ピエール・ド・ギヨッシェ)と息子のJean(ジャン)による土地取引により生まれます。

家族の城(家)の周りの区画の購入と交換をおこなわれました。

当時、多くの議員がワイナリーに投資を行った時期で、de Guilloche(ド・ギヨッシェ)家は先駆者のひとりでした。

16世紀

プロテスタント迫害の波を受けます。

1572年

16世紀の迫害により、高貴な一族であるLa Louvière(ラ・ルヴィエール)の解任に繋がり、当時の地主であるJehan de Guilloche(ジョアン・ド・ギヨッシェ)が暗殺されました。

1618年

de Guilloche(ド・ギヨッシェ)家最後の相続人である、Roquetaillade(ロケタイヤード)夫人がサン・フェルム修道院の修道院長であったArnaud de Gascq(アルノー・ド・ガスク)にワイナリーを売却しました。

1620年4月28日

ワイナリーの復元が出来なかったため、de Gascq(ド・ガスク)はボルドーのカルトゥジオ会修道院Notre-Dame de Miséricorde(ノートルダム・ド・ミゼリコルド)にワイナリーを貴腐しました。

ワイナリーのほとんどの問題をすぐに解決し、ワイナリーが復活しました。

1789年11月

国会が殉職者の財産を没収し、La Louvière(ラ・ルヴィエール)は国有財産となります。

1791年

ワイナリーが売りに出され、オークションでボルドーのネゴシアン、Jean-Baptiste Mareilhac(ジャン・バティスト・マレイヤック)が買収します。

Jean-Baptiste Mareilhac(ジャン・バティスト・マレイヤック)に足りないものは、若い妻Jeanne-Emilie(ジャン・エミリー)にふさわしい家でした。

彼は有名なパリの建築家であり、ボルドーのグランド・テアトルを建てたFrançois Lhôte(フランソワ・ローテ)に依頼します。

古い家と中世の遺跡は、ネオクラッシックの美しい建物に取って代わりました。

内装は、友人の一人であり、偉大なる才能を持つ画家、François-Louis Lonsing(フランソワ・ルイ・ロイジング)に依頼しました。

しかし彼は作品を完成させる前、1799年に亡くなりました。

1946年

歴史的建造物の目録に記載。

1869年

Jean-Baptiste Mareilhac(ジャン・バティスト・マレイヤック)の孫であるAlfred Mareilhac(アルフレッド・マレイヤック)がワイナリーを管理し、農業省から県で一番手入れが行き届いたワイナリーとして「金メダル」を受賞。

1911年

パリ出身のAlfred Bertrand-Taquet(アルフレッド・ベルトラン・トランケ)がワイナリーを買収。

1919年

Alfred Bertrand-Taquet(アルフレッド・ベルトラン・トランケ)がレオニャンの市長に選出され、第二次世界大戦の翌日まで市長であり続けました。

1944年

Alfred Bertrand-Taquet(アルフレッド・ベルトラン・トランケ)がワイナリーを売却。

その後、15年程所有者が無くなります。

1965年

André Lurton(アンドレ・ルリュトン)がワイナリーを購入します。

彼は2009年に亡くなったのですが、今もLurton一族が経営しています。

参考;アンドレ・ルリュトン氏の死去

1991年

城が歴史的建造物に認定されます。

 

ブドウ畑

現在は赤白合わせて63ヘクタール所有しています。

これが一つの大きなブロックになっているのも特徴。

このワイナリーはグラーヴ地方ということもあり、赤白生産しています。

土壌

土壌はグラーヴと呼ばれる砂利と、石灰、そして粘土で出来ています。

さらに、このワイナリーは土壌に貝の化石が含まれているのも特徴の一つ。

 

赤ワイン

ここから赤白別々にお届けします。

ブドウ品種

全63ヘクタールの内、大体3分の2程度の48ヘクタールが赤ワイン用。

カベルネ・ソーヴィニョン、メルロー、プティ・ヴェルド、カベルネ・フランが植えられています。

 

収穫と選果

収穫は手摘みで行われます。

その後、房の状態で選果を。これも人の手で行われます。

そして除梗(ここで房から実だけに)。

さらに選果。これは実の重さによって選ばれ、軽すぎるものはここで除かれます。

発酵

アルコール発酵前に低温の醸しを行います。

そしてアルコール発酵を。

この間は1日に4回ピジャージュを行います。

白ワイン

ブドウ品種

残りの3分の1、13ヘクタールが白ワイン用品種です。

ここはセミヨンとソーヴィニョン・ブランが植えられています。

 

収穫と選果

収穫は手摘みで行われます。

その後、房の状態で手で選果が行われます。

全房でプレス機に入れて、果汁だけを抽出。

低温で2時間半くらい置いておくことで、デブルバージュを行います。

発酵

発酵はもちろん果汁のみ。

最初はタンク内で発酵を行い、アルコール発酵の途中でタンクから樽にワインを移動させます。

熟成

大体9か月程度。

澱と共に熟成を行うことで、ワインにオイリーさを与えます。

この間、バトナージュを1か月に1回ほど。

まとめ

ブドウ品種

赤ワイン

カベルネ・ソーヴィニョン

メルロー

プティ・ヴェルド

カベルネ・フラン

白ワイン

セミヨン

ソーヴィニョン・ブラン

タンク

ステンレスタンク

 

ワイナリー情報

Château La Louvière

住所;149 Avenue de Cadaujac, 33850 Léognan

電話;+33 5 56 64 75 87

メール;lalouviere@andrelurton.com

 

参考記事

アンドレ・ルリュトン氏の死去

またまたルリュトン一族のワイナリー、Château Bouscaut

ルリュトン一族所有ワイナリー、Chateau Desmirail

メドックで最も小さいワイナリーの一つ、Château Ferrière

マルゴーでルリュトン一族のワイナリー、Château Brane-Cantenac

ビオディナミック栽培のワイナリー、Château Durfort-Vivens

ラトゥールの隣、Château Haut Bages Libéral

ワイナリーSNSまとめ、グラーヴ編

グラーヴ、ソーテルヌ・バルサックの格付けまとめ

ワイン醸造:アルコール発酵について。

AOCボルドーで認められている品種(赤/白/ロゼ)

ボルドーワイン=ブレンドワイン

最近のボルドーワインについて

ファーストワインとセカンドワイン…って何?

材質別タンクのメリット・デメリット

ボルドーでのステンレスタンク

 

最後に

ルリュトン一族のワイナリー、沢山お届けしてきました。

とりあえず、私が訪問したのはこれくらいかな。

他にもワイナリーを沢山所有している一族なので、訪問したらブログで皆さんと共有したいと思います!

ルリュトン一族のワイナリーは、ワイナリーによって値段も様々ですが、全てバランスの良いワインです。

是非是非楽しんでください!

 


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sachiwines@gmail.com

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