新しいことに挑戦するワイナリー、シャトー・プティ・ヴァル

サンテミリオン

ボルドーでは斬新で、一度見たらすぐにわかるラベルが特徴的なワインを造りだすChâteau Petit Val(シャトー・プティ・ヴァル)に行ってきました。

新しい取り組みも色々していて、今後が楽しみになった!

面白いワインを造っているワイナリーです。

歴史

2014年

Jean-Louis ALLOIN(ジャン=ルイ・アロワン)とOlivia ALLOIN(オリヴィア・アロワン)がワイナリーを購入しました。

ボジョレーにルーツを持つ親子はこのワイナリーは自分たちのために残されていたと感じ、購入を決めました。

この時ブドウ畑は6ヘクタール所有していました。

  さらにコンサルタントでありワイン生産者のDavid LIORIT(ダヴィッド・リオリット)との出会いもありました。
  彼らはテロワールをしっかり表現したワインを製造し、その品質をグラン・クリュのレベルまで引き上げることを目的としています。
2015年 さらに6ヘクタール、少し離れたコミューン、サン・ローラン・デ・コンブに購入しました。
2021年 サンテミリオンの村に近い場所に2.2ヘクタール購入しました。

生産ワイン

サンテミリオンなので赤ワインはもちろん生産していますが、それ以外にも白ワインやロゼワインも生産しています。

  • MUSE DU VAL(赤)
  • CHÂTEAU PETIT VAL(赤)
  • MARGO(赤)
  • ROSE DU VAL(ロゼ)

と公式ホームページには4種しか載ってないですが、白ワインもつくっています。

  • ORFEVRE DU VAL(白)

それぞれ造りや畑が違うので、分かる限り詳しく書きます!

MUSE DU VAL

Muse du Val(ミューズ・デュ・ヴァル)

これはChâteau Petit Val(シャトー・プティ・ヴァル)の別キュヴェですが、こっちの方が立場が上らしいので、先に書きますね。

生産本数5000本程度。

ブドウ

粘土砂礫土壌粘土石灰土壌1ヘクタールある畑から採れたぶどうを使っています。

1ヘクタールに6500本植えられており、平均樹齢は35年程度。

収量は1ヘクタールあたり30ヘクトリットル程度です。

  • 50%メルロー
  • 50%カベルネ・フラン

が使用されています。

収穫から瓶詰

手摘み収穫で、収穫されたブドウは一旦冷蔵庫で冷やされます。

その後タンク内で、発酵前の低温醸しを行います。

このタンクが珍しくって卵型ではあるのだけれど、半分木製、半分ステンレスのタンクです。

アルコール発酵中(8~10日程度)はピジャージュを。

その後225ℓの新樽の中にワインを入れ、マロラクティック発酵を行います。

16~18か月熟成と、熟成期間も長いです!

CHÂTEAU PETIT VAL

Château Petit Val(シャトー・プティ・ヴァル)はファーストワイン

というかここはワイナリーの名前を冠するワインが1種類で、その他はセカンドワインではなく、それぞれにそれぞれの特徴があるワインを造っています。

なので、ファーストワインという言葉が正しいのかはよくわからない。笑

年間生産本数は5万5000本程度。

ブドウ

11ヘクタールの畑がChâteau Petit Val(シャトー・プティ・ヴァル)用です。

粘土砂礫土壌と、粘土石灰土壌があり、1ヘクタールに6500株植えられています。

平均樹齢は35年程度とボルドーの平均的な樹齢。

  • 70%メルロー
  • 20%カベルネ・フラン
  • 10%プティ・ヴェルド

が栽培されています。

ちなみに1ヘクタールに35~40ヘクトリットルの収量。

収穫から瓶詰

手摘み収穫で、収穫されたブドウは冷蔵庫に入れられます。

その後、ステンレスタンクに入れて低温の醸しを行います。

アルコール発酵中(8~10日)の攪拌作業はピジャージュを。

発酵が終われば新樽にワインを入れ、マロラクティック発酵を始めます。

熟成期間は12~18か月

MARGO

Margo(マルゴー)というこちらも赤ワイン。

オーナーであるJean-Louis ALLOIN(ジャン=ルイ・アロワン)とOlivia ALLOIN(オリヴィア・アロワン)の娘さんの名前を冠しています。

年間生産本数700本と少ないです。

ブドウ

0.2ヘクタールの小さな畑から造られているワインです。

土壌は粘土砂礫質で、1ヘクタール当たり6600株植えられています。

平均樹齢は35年と他と変わりません。

品種は100%カベルネ・フランで1ヘクタール当たり40ヘクトリットル程度の終了です。

収穫から瓶詰

こちらも手摘み収穫で、収穫された後は冷蔵庫に入れられます。

アルコール発酵、マロラクティック発酵、熟成はアンフォラで行います。

発酵中は同じくピジャージュを。

熟成期間は6か月

このワインの特徴はアンフォラ100%で亜硫酸添加もゼロ。

ROSE DU VAL

Rose du Val(ローズ・デュ・ヴァル)はその名の通りロゼワイン。

ボルドーはセニエ法のロゼが多いですが、これは直接圧搾法で造られます。

年間生産本数は1800本で、マグナムボトルが600本。

ブドウ

ロゼ用のブドウ畑は0.5ヘクタールです。

土壌は粘土砂礫土壌で1ヘクタールに6100株植えられています。

そして平均樹齢は35年と他と同じ。

ブドウ品種は

  • 50%メルロ
  • 50%カベルネ・フラン

が使われています。

収量は1ヘクタールに40へクトリットル。

収穫から瓶詰

手摘み収穫で、直接圧搾法でつくられます。

発酵中の温度は18~20度程度で、醸造・熟成共にステンレスタンクで行われます。

ORFEVRE DU VAL

Orfevre du Val(オルフェヴル・デュ・ヴァル)は白ワイン。

こちら公式ホームページに詳しい情報がないので、簡単にお伝えしますね。

2019年から白ワインの生産を始めていて、0.3ヘクタールのみ所有しています。

粘土土壌に畑があり、植えられている品種はなんとリースリング

ボルドーで他にはないと思います。

醸造は半分ステンレス、半分木製の卵型のタンクで。

まだ2年分しか製造されておらず、現行品はほぼ手に入りません。

が、今後も引き続き生産予定ですので、ボルドーのリースリング是非飲んでみて欲しい。

ワイナリーの特徴

それぞれのワインの説明のところで色々説明したので、軽く説明しますね。

ワイナリーが持っているすべてのブドウ畑は14.2ヘクタール

栽培方法は減薬農法で、HVE3を取得しています。

さらに馬も飼っていて、一部馬によって畑作業が行われています。

生物多様性と生態系への配慮をしており、穀物を植栽したり、ブドウ畑にはあえて雑草をはやしたり、果樹を植えたり、ハチの巣を設置したりしています。

ちなみに今現在工事を行っていて、来年には新たな受け入れ設備が完成する予定だそう。

見学

今現在ワイナリーの工事が行われていて、それでもよければ見学を受け入れてくれます。

私の見学中に予約なしで来た人がいましたが、試飲はさせてもらっていました。

私は白、赤、ロゼワインをいただきました。

それぞれ特徴がしっかりあって、個人的な好みではロゼ!

ボルドーでは珍しい直接圧搾法で造られていて、お花畑にいるような香り高いワインでした。

工事は来年頭に終わる予定らしいので、工事終わったらまた行きたいと思います!

ワイナリー情報

Château Petit Val(シャトー・プティ・ヴァル)

住所;2 Petit Val, 33330 Saint-Émilion

電話;+33 5 57 24 70 86

参考記事

サンテミリオンのAOCをひも解く。

一般的なボルドーロゼの造り方 – セニエ法

ボルドー赤ワイン醸造

ワイン醸造:アルコール発酵について。

AOCボルドーで認められている品種(赤/白/ロゼ)

ボルドーワイン=ブレンドワイン

最近のボルドーワインについて

ファーストワインとセカンドワイン…って何?

環境配慮から見るボルドーワイン

材質別タンクのメリット・デメリット

ボルドーでのステンレスタンク

最後に

ボルドーワインって、伝統がある分造りだったりとかが似てくるのだけれど…ここは独自の造りを重視しているワイナリーで、得るものがめっちゃ多かった!

ボルドーらしさもあるけど、斬新さがあって、今後が楽しみなワイナリーの一つです。

また新しい情報掴んだら訪問してきますー


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