ポンプを全く使わずワインを造る、シャトー・ペデスクロー

左岸

このブログで何度か名前が出てきているChâteau Pédesclaux(シャトー・ペデスクロー)

そういえば、タンクやイベントについては書いてたけど、ワイナリーのことを書いていなかったなぁと。

ということで、今回はChâteau Pédesclaux(シャトー・ペデスクロー)の特集です!

歴史

1810年

ボルドーの有名なクルティエ、Pierre Urbain Pédesclaux(ピエール・アーバン・ペデスクロー)によって、Château Pédesclaux(シャトー・ペデスクロー)の誕生。

当時、畑は28haのみ所有していました。

  そしてPierre Urbain Pédesclaux(ピエール・アーバン・ペデスクロー)が区画を購入して、所有面積が拡大しました。
1855年

Château Pédesclaux(シャトー・ペデスクロー)は格付け5級に選ばれました。

~1891年

Pierre Urbain Pédesclaux(ピエール・アーバン・ペデスクロー)の死後、未亡人となった妻がワイナリーの管理を行いました。

1891年

ワイナリーはGabiel de Gastebois(ガブリエル・ド・ガストボワ)が買収しました。

 

数年後からLucien Jugla(ルシアン・ジュグラ)がワイナリーの管理を始めます。

そして、ワインの品質の向上のためワイナリーの再建を始めます。

1951年

Lucien Jugla(ルシアン・ジュグラ)がワイナリーを購入します。

2009年

現オーナーであるLorenzetti(ロレンゼッティ)家がワイナリーを買収しました。

Château d’Issan(シャトー・ディッサン)を所有するEmmanuel Cruse(エマニュエル・クルーズ)、Château Belle-Vue(シャトー・ベル・ヴュ)、Château Bolaire(シャトー・ボレイル)そしてChâteau Lilian Ladouys(シャトー・リリアン・ラドゥい)を所有するVincent Bache Gabrielsen(ヴァンソン・バッシュ・ガブリエルセン)とJacky Lorenzetti(ジャッキー・ロレンツェッティ)が新しいChâteau Pédesclaux(シャトー・ペデスクロー)を造り始めます。

生産ワイン

Château Pédesclaux(シャトー・ペデスクロー)Fleur de Pédesclaux(フルール・ド・ペデスクロー)が生産されています。

ファーストワインがChâteau Pédesclaux(シャトー・ペデスクロー)でセカンドワインがFleur de Pédesclaux(フルール・ド・ペデスクロー)。

ここでは、比較的若木から採れたブドウで造られているのがセカンドワインです。

建物

元々の城は18世紀後半に建てられました。

2009年にオーナーが変わったのち、2014年に醸造施設が完成し、2015年にお城が完成しました。

このリフォームはJean Michel Wilmotte(ジャン・ミッシェル・ウィルモット)という建築家によって行われました。

醸造施設は高さ12メートルの4階建て(地下含む)で、ワイン造りに関わるものをテーマに造られています。

窓枠のステンレスはステンレスタンクを表現。

地面に使われているオークは樽を表現。

同じく地面のコンクリートは畑に広がる石を表現。

窓に使われているガラスは自然や人を表現。

ブドウ畑

当初28haだった畑も、今現在は50haまで広がっています。

所有の畑のうち、建物の周りに6.5haあり、その外の畑は少し離れたところにあります。

  • 48%メルロ
  • 47%がカベルネ・ソーヴィニョン
  • 残りがプティ・ヴェルドとカベルネ・フラン

昔はメルロが多かったのですが、土壌によりあるカベルネ・ソーヴィニョンに植え替えが行われています。

ちなみに、メルロは基本的にセカンドワインに、カベルネ・ソーヴィニョンは基本的にファーストワインに使われます。

栽培方法

栽培方法は、今現在50%が減薬農法、25%がビオ(オーガニック)、25%ビオディナミ

平均樹齢は30~40年です。

(ワインに使われる木の樹齢は5年から65年くらい)

収穫と選果

手摘み収穫で行われています。

季節労働者が200名くらいで、内60名が醸造施設内で働くそうです。

収穫は、メルローから始まり、カベルネ・フラン、プティ・ヴェルド、カベルネ・ソーヴィニョンという順で行われます。

ブドウは収穫後、そのまま24時間の間、5度に冷やされた部屋に入れられます。

その後、(房で)選果、除梗、(実で)選果がおこなれます。

醸造施設

タンクはすべてステンレス

58基ありますが、このタンクは上下2つに分かれているので実質116基あります。

そしてタンクは64ヘクトリットルから140ヘクトリットルまで6サイズ

ここのワイン造りは、一切ポンプを使わない!

収穫されたブドウは、アルコール発酵前に低温での醸しが行われます。

その後25度くらいでアルコール発酵が1週間。

発酵中の攪拌は基本的にデレスタージュのみ

デレスタージュは一日に2~3回行われます。

そしてマロラクティック発酵もタンク内で。

18度に設定されたタンク内で行われ、その間ピジャージュが行われます。

(プレスワインは樽内でマロラクティック発酵を行う)

ブレンド

このブレンドを行うタイミングはワイナリーによって様々。

ここペデスクローでのブレンドは、発酵が終わった後、熟成が始まる前に行われます。

熟成

ものによりますが、12月くらいに熟成が始まります。

熟成セラーには800樽程度おかれていて、半分が新樽です。

8社の樽会社から樽を購入しており、内7社がフランス、1社がオーストリアです。

ちなみに、焼き加減はミディアムプラスのものがほとんど。

熟成セラーは醸造室の地下にあるので、こちらもポンプを使わずにタンクから樽にワインが入れられます。

 

熟成期間

ファーストワインとセカンドワインによって異なります。

  • ファーストワインは16か月熟成60%が新樽、40%が1度ワインを熟成させた樽で熟成
  • セカンドワインは12か月熟成30%が新樽、70%が1度ワインを熟成された樽で熟成

されています。

瓶詰め

醸造でもそうですが、瓶詰めでもポンプを使わずに行います。

エレベータータンクで建物の一番高いところにワインを持っていき、

地下の瓶詰め場所までホースでワインを落としていきます。

ホースは12メートルの長さなので、1気圧が与えられ、ポンプを使わずに瓶詰めを行っています!

このシステムは壁の中にあって、普段は隠されているので瓶詰作業中しか見ることが出来ません。

まとめ

ブドウ品種

48%メルロ

47%がカベルネ・ソーヴィニョン

残りがプティ・ヴェルドとカベルネ・フラン

タンク ステンレスタンク
マロラクティック発酵 ステンレスタンク
熟成期間 16か月
新樽使用率 60%

 

ワイナリー情報

Château Pédesclaux(シャトー・ペデスクロー)

住所;Route de Pédesclaux, 33250 Pauillac

電話;+33 5 57 73 64 64

メール;contact@chateau-pedesclaux.com

参考記事

石垣に囲まれたワイナリー、Château d’Issan

コスパのいいおすすめワイナリー、Château Lilian Ladouys

1855年メドック格付けまとめ

ワイナリーSNSまとめ、メドック編

メドック格付けワイナリー、セカンドワインリスト

2009年ボルドー左岸格付け by Liv-ex

2018年野田祥子的メドック格付け

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メドック地方の土地柄を詳しく!

ワイン醸造:アルコール発酵について。

AOCボルドーで認められている品種(赤/白/ロゼ)

ボルドーワイン=ブレンドワイン

最近のボルドーワインについて

ファーストワインとセカンドワイン…って何?

材質別タンクのメリット・デメリット

ボルドーでのステンレスタンク

エレベータータンクについて。

【その1】グランクリュのチョコレート×グランクリュのワインのマリアージュ

【その2】グランクリュのチョコレート×グランクリュのワインのマリアージュ

【その3】グランクリュのチョコレート×グランクリュのワインのマリアージュ

最後に

いかがだったでしょうか。

前に書いてたものに軽く手直しを入れた感じです。

またきっと書き直すんやろうなぁと思っている。笑

そろそろワイナリー訪問再開させます!


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