2020年から新醸造施設で醸造、シャトー・ランシュ=バージュ

左岸

2020年に新しい醸造施設で新しく醸造を始めたChâteau Lynch-Bagesシャトー・ランシュ・バージュ

2021年から見学も可能になっているので、近いうちに訪問してきます。

今回載せている写真は工事直前の2016年のもの。

4年間も工事してたんですね。

今の醸造室、めっちゃモダンでかっこいいので、行ったら写真更新します!

(追記)この間行ってきたので、新しい醸造施設の写真を含めてお届けします。

今までに載せていた写真もそのままにしてあるので、ビフォーアフターを楽しんで頂ければ嬉しいです。

created by Rinker
¥7,150 (2024/03/28 19:10:23時点 楽天市場調べ-詳細)

歴史

16世紀 Bagesバージュのテロワールは記録に残されています。
18世紀 偉大なワイナリーの歴史が始まります。
1749~1824年

ボルドーのネゴシアンで、アイルランド出身のJohn Lynchジョン・ランシュの息子であるThomas Lynchトーマ・ランシュが所有していました。

彼は懸命に管理し、Cru de Lynchクリュ・ド・ランシュと呼ばれるまでにワインの品質を上げました。

1850年代 Skawinskiスカウィンスキーによって設計された醸造施設は、当時としてはかなり新しいグラヴィティを使った醸造を可能にするものでした。
1855年

格付けで5級に選ばれました。

1930年代

ネゴシアンCayrouカイローの子孫であるFélix de Vialフェリックス・ド・ヴィアル将軍が、サンテステフのChâteau Ormes de Pezシャトー・オルム・ド・ペで農作業をしていたJean-Charles Cazesジャン=シャルル・カーズにブドウ畑を貸しました。

それ以来、Cazesカーズ家がChâteau Lynch-Bagesシャトー・ランシュ=バージュを管理しています。

生産ワイン

  • CHÂTEAU LYNCH‑BAGESシャトー・ランシュ=バージュ
  • ECHO DE LYNCH-BAGESエコー・ド・ランシューバージュ

の2種類をここでは生産しています。

Château Lynch-Bagesシャトー・ランシュ=バージュファーストワインEcho de Lynch-Bagesエコー・ド・ランシュ=バージュセカンドワインです。

ブドウ畑

メドックの中心、ジロンド川にほど近い場所にワイナリーが位置しています。

なんと100ヘクタールものブドウ畑を持ちます!

所有畑面積が3桁になると、メドックだなぁぁ!と思いますよね。

Château Lynch-Bagesシャトー・ランシュ・バージュの畑は南向き南西向きの丘に位置しているので、太陽の恩恵を存分に受けることが出来るのも特徴です。

川に向かって自然に水が流れて行くために水はけが良いのも特徴。

  • 73%カベルネ・ソーヴィニョン
  • 15%メルロー
  • 10%カベルネ・フラン
  • 2%プティ・ヴェルド

が栽培されています。

最も古い葡萄は樹齢が60年程度ですが、平均樹齢は30年とボルドーの平均的な樹齢。

私の体感ですが、メドックの大手ワイナリーでは平均樹齢30~40年が多いかな。

Nicolas Labenneニコラ・ラベンヌ氏を筆頭に35人が定期的にブドウ畑を調査することで、畑の健康を守っています。

さらに2006年から衛生技術を使って、土壌の品質調査も行っています。

それによって、栽培品種等々変えることも。

収穫と選果

Franck Debraisフランク・デブレ氏率いる35人のチームがワインを造っています。

収穫は手摘みで行われ、その後選果も行います。

そして重力の力だけを使ってタンクに葡萄を入れます。

醸造施設

私が訪問したのがリフォーム前の2016年なので、古い写真ですが今も昔もステンレスタンクで醸造しています。

タンク内にブドウ/ワインが入っているのは12日程度。

現在もステンレスタンクですが、最新のタンクに変わりました!

醸造等々は今までと変わっていませんが、一番変わったのが温度管理。

今までより細かく、そして安定した温度管理ができるようになりました。

アルコール発酵中、デレスタージュルモンタージュを行います。

このデレスタージュを行うために、エレベータータンクも導入しました!

導入されたエレベータータンクは6基で、2022年現在メドックを含むボルドーで一番数を持っているのがこのChâteau Lynch-Bagesシャトー・ランシュ・バージュです。

最近できるだけポンプを使わずに醸造をするのが流行っているので、これからも増えていくかも。

ちなみに他にエレベータータンクを所有をしているのはChâteau Cos d’Estournelシャトー・コス・デストゥーネルChâteau Pédesclauxシャトー・ペデスクローなど。

それぞれのワイナリーの特集記事もあるので、良かったら見てください!

あんまりいい角度で撮れんかったから見づらいけど、これがエレベータータンクです!

そしてルモンタージュはタンク内で完結できるように、各タンクにモーターが付いています。

なので、Château Lynch-Bagesシャトー・ランシュ・バージュで行うルモンタージュでは酸化がほとんど行われません。

写真はタンクについてるモーター。

事前に予約さえしていれば、各々のタンクが勝手にルモンタージュをしてくれるようになりました。

とはいえ、人間の舌で何回ルモンタージュをするかを決めています。

マロラクティック発酵

マロラクティック発酵は3分の1がタンク内で、3分の2が樽内で行われます。

現在は、マロラクティック発酵専用?マロラクティック発酵にも使える?密閉できる部屋ができました。

マロラクティック発酵中は室内を24度に保っています。

1年前のビンテージも熟成されているので、別の熟成室に低い温度が入らない様に設計されています。

熟成

大体11月に熟成が始まり、12月にブレンド行われます。

その後ブレンドの終わったワインはさらに熟成されます。

熟成期間は全部で18か月

新樽使用は75%です。

熟成の後、瓶詰め前には白身を使った清澄作業も行われます。

昔の醸造施設

2020年から新しい醸造施設を使っている、と言いました。

今回のリフォームでも、昔々の醸造設備を壊さずに保管することにしたそう。

それによって、新旧醸造について知ることができてとても面白い!

ステンレスタンクになる前は木製のタンクを使っていました。

そして二階部分。

足場もしっかりしていて、醸造中の安全が保障されているのも昔ながら。

手前にあるのが選果台で、この選果台は可動式。

除梗、選果したブドウはそのままタンク内に入れられていました。

現在はポンプを使わない、重力のみを使った醸造がブームになってきていますが、昔は当たり前だったのが分かります。

こういう昔の醸造施設を見れるのも、かなり面白い!

まとめ

ブドウ品種

73%カベルネ・ソーヴィニョン

15%メルロー

10%カベルネ・フラン

2%プティ・ヴェルド

タンク ステンレスタンク
熟成期間 18か月
新樽使用率 75%

ワイナリー情報

Château Lynch-Bages(シャトー・ランシュ・バージュ)

住所;33250 Pauillac, France

電話;+33 5 56 73 24 00

最後に

5級ワイナリーですが、その品質の高さが凄いと評判のワイナリーですよね。

新しくなった醸造施設で、よりその品質が上がるのは間違いないです!

今後どのように評価が変わっていくのか、とても楽しみなワイナリーの一つ。

リフォーム後はかなりパワーアップしたのを津越でもお伝えできてればなぁと。

ワイナリーを見てテンションが上がるワイナリーの一つで、是非訪問してほしい!

参考記事

1855年メドック格付けまとめ

ワイナリーSNSまとめ、メドック編

メドック格付けワイナリー、セカンドワインリスト

2009年ボルドー左岸格付け by Liv-ex

2018年野田祥子的メドック格付け

AOCメドックについて

メドック地方の土地柄を詳しく!

メドック格付けワイナリー栽培品種比較 – 格付け毎

メドック格付けワイナリー栽培品種比較 – AOC毎

ボルドー赤ワイン醸造

ワイン醸造:アルコール発酵について。

AOCボルドーで認められている品種(赤/白/ロゼ)

ボルドーワイン=ブレンドワイン

最近のボルドーワインについて

ファーストワインとセカンドワイン…って何?

環境配慮から見るボルドーワイン

材質別タンクのメリット・デメリット

ボルドーでのステンレスタンク

メドックで異色のお城を持つ、シャトー・コス・デストゥーネル

ポンプを全く使わずワインを造る、シャトー・ペデスクロー

コスパのいいおすすめワイナリー、シャトー・リリアン・ラドゥイス


感想やこんな内容書いて欲しい!などあればお気軽に連絡ください。
sachiwines@gmail.com

その他色々やってるので、良かったら見てください
Instagram
Twitter
レストランブログ
Facebook|Bordeaux-Japon.net ボルドージャポンネット 
Homepage|SachiWines 
旧ブログ|レストランブロ
広告

コメント

error: 申し訳ないですが右クリック禁止にしました。データが欲しい方は直接連絡ください。
タイトルとURLをコピーしました