2020年に新しい醸造施設で新しく醸造を始めたChâteau Lynch-Bages。
2021年から見学も可能になっているので、近いうちに訪問してきます。
今回載せている写真は工事直前の2016年のもの。
4年間も工事してたんですね。
今の醸造室、めっちゃモダンでかっこいいので、行ったら写真更新します!
(追記)この間行ってきたので、新しい醸造施設の写真を含めてお届けします。
今までに載せていた写真もそのままにしてあるので、ビフォーアフターを楽しんで頂ければ嬉しいです。
歴史
16世紀 | Bagesのテロワールは記録に残されています。 |
18世紀 | 偉大なワイナリーの歴史が始まります。 |
1749~1824年 |
ボルドーのネゴシアンで、アイルランド出身のJohn Lynchの息子であるThomas Lynchが所有していました。 彼は懸命に管理し、Cru de Lynchと呼ばれるまでにワインの品質を上げました。 |
1850年代 | Skawinskiによって設計された醸造施設は、当時としてはかなり新しいグラヴィティを使った醸造を可能にするものでした。 |
1855年 |
格付けで5級に選ばれました。 |
1930年代 |
ネゴシアンCayrouの子孫であるFélix de Vial将軍が、サンテステフのChâteau Ormes de Pezで農作業をしていたJean-Charles Cazesにブドウ畑を貸しました。 それ以来、Cazes家がChâteau Lynch-Bagesを管理しています。 |
生産ワイン
- CHÂTEAU LYNCH‑BAGES
- ECHO DE LYNCH-BAGES
の2種類をここでは生産しています。
Château Lynch-Bagesはファーストワイン、Echo de Lynch-Bagesはセカンドワインです。
ブドウ畑
メドックの中心、ジロンド川にほど近い場所にワイナリーが位置しています。
なんと100ヘクタールものブドウ畑を持ちます!
所有畑面積が3桁になると、メドックだなぁぁ!と思いますよね。
Château Lynch-Bagesの畑は南向きか南西向きの丘に位置しているので、太陽の恩恵を存分に受けることが出来るのも特徴です。
川に向かって自然に水が流れて行くために水はけが良いのも特徴。
- 73%カベルネ・ソーヴィニョン
- 15%メルロー
- 10%カベルネ・フラン
- 2%プティ・ヴェルド
が栽培されています。
最も古い葡萄は樹齢が60年程度ですが、平均樹齢は30年とボルドーの平均的な樹齢。
私の体感ですが、メドックの大手ワイナリーでは平均樹齢30~40年が多いかな。
Nicolas Labenne氏を筆頭に35人が定期的にブドウ畑を調査することで、畑の健康を守っています。
さらに2006年から衛生技術を使って、土壌の品質調査も行っています。
それによって、栽培品種等々変えることも。
収穫と選果
Franck Debrais氏率いる35人のチームがワインを造っています。
収穫は手摘みで行われ、その後選果も行います。
そして重力の力だけを使ってタンクに葡萄を入れます。
醸造施設
私が訪問したのがリフォーム前の2016年なので、古い写真ですが今も昔もステンレスタンクで醸造しています。
タンク内にブドウ/ワインが入っているのは12日程度。
現在もステンレスタンクですが、最新のタンクに変わりました!
醸造等々は今までと変わっていませんが、一番変わったのが温度管理。
今までより細かく、そして安定した温度管理ができるようになりました。
アルコール発酵中、デレスタージュとルモンタージュを行います。
このデレスタージュを行うために、エレベータータンクも導入しました!
導入されたエレベータータンクは6基で、2022年現在メドックを含むボルドーで一番数を持っているのがこのChâteau Lynch-Bagesです。
最近できるだけポンプを使わずに醸造をするのが流行っているので、これからも増えていくかも。
ちなみに他にエレベータータンクを所有をしているのはChâteau Cos d’EstournelやChâteau Pédesclauxなど。
それぞれのワイナリーの特集記事もあるので、良かったら見てください!
以前の記事
あんまりいい角度で撮れんかったから見づらいけど、これがエレベータータンクです!
そしてルモンタージュはタンク内で完結できるように、各タンクにモーターが付いています。
以前の記事
なので、Château Lynch-Bagesで行うルモンタージュでは酸化がほとんど行われません。
写真はタンクについてるモーター。
事前に予約さえしていれば、各々のタンクが勝手にルモンタージュをしてくれるようになりました。
とはいえ、人間の舌で何回ルモンタージュをするかを決めています。
マロラクティック発酵
マロラクティック発酵は3分の1がタンク内で、3分の2が樽内で行われます。
現在は、マロラクティック発酵専用?マロラクティック発酵にも使える?密閉できる部屋ができました。
マロラクティック発酵中は室内を24度に保っています。
1年前のビンテージも熟成されているので、別の熟成室に低い温度が入らない様に設計されています。
熟成
大体11月に熟成が始まり、12月にブレンドが行われます。
その後ブレンドの終わったワインはさらに熟成されます。
熟成期間は全部で18か月。
新樽使用は75%です。
熟成の後、瓶詰め前には白身を使った清澄作業も行われます。
昔の醸造施設
2020年から新しい醸造施設を使っている、と言いました。
今回のリフォームでも、昔々の醸造設備を壊さずに保管することにしたそう。
それによって、新旧醸造について知ることができてとても面白い!
ステンレスタンクになる前は木製のタンクを使っていました。
そして二階部分。
足場もしっかりしていて、醸造中の安全が保障されているのも昔ながら。
手前にあるのが選果台で、この選果台は可動式。
除梗、選果したブドウはそのままタンク内に入れられていました。
現在はポンプを使わない、重力のみを使った醸造がブームになってきていますが、昔は当たり前だったのが分かります。
こういう昔の醸造施設を見れるのも、かなり面白い!
まとめ
ブドウ品種 |
73%カベルネ・ソーヴィニョン 15%メルロー 10%カベルネ・フラン 2%プティ・ヴェルド |
タンク | ステンレスタンク |
熟成期間 | 18か月 |
新樽使用率 | 75% |
ワイナリー情報
Château Lynch-Bages(シャトー・ランシュ・バージュ)
住所;33250 Pauillac, France
電話;+33 5 56 73 24 00
最後に
5級ワイナリーですが、その品質の高さが凄いと評判のワイナリーですよね。
新しくなった醸造施設で、よりその品質が上がるのは間違いないです!
今後どのように評価が変わっていくのか、とても楽しみなワイナリーの一つ。
リフォーム後はかなりパワーアップしたのを津越でもお伝えできてればなぁと。
ワイナリーを見てテンションが上がるワイナリーの一つで、是非訪問してほしい!
参考記事
コスパのいいおすすめワイナリー、シャトー・リリアン・ラドゥイス
感想やこんな内容書いて欲しい!などあればお気軽に連絡ください。 sachiwines@gmail.com その他色々やってるので、良かったら見てください Instagram Twitter レストランブログ Facebook|Bordeaux-Japon.net ボルドージャポンネット Homepage|SachiWines 旧ブログ|レストランブロ
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