書いてなかったワイナリーシリーズ、ソーテルヌはChâteau la Tour Blanche(シャトー・ラ・トゥール・ブランシュ)です。
高校を持っていて、高校生はワインの造りの研修ができたりとかなりいい学生生活がおくれそう!
ワイナリー訪問もできますし、実力はワイナリーの一つ。
目次
歴史
17世紀中頃 |
La Tour Blanche(ラ・トゥール・ブランシュ)の領主であったde Saint-Marc(ド・サン=マルク)氏によってワイナリーの歴史が始まったと言えます。 ワイナリー自体はこれより昔にさかのぼることもできるようですが、文書があまり残っていないので、ワイナリー公式ではde Saint-Marc(ド・サン=マルク)氏が最初としています。 ボルドー議会で事務員をしていた彼は自分の領地に自身の名前を付け、金銭的な余裕もあったのでブドウ畑と質素な家を美しいものに立て替えました。 また、自身の名前(Tour=塔)の沿って塔も建てました。 |
ドイツ出身のFrederick Focke(フレデリック・フォッケ)氏もワイナリーの歴史で重要な所有者の一人です。 彼は甘口白ワインのソーテルヌの再発明をした人です。 彼は母国で既に広く行われており、Châtaeu d’Yquem(シャトー・ディケム)やChâteau Suduiraut(シャトー・スデュイロー)も既に行っていた遅積み(ヴァンダンジュ・タルディヴ)をChâteau la Tour Blanche(シャトー・ラ・トゥール・ブランシュ)に持ち込みました。 彼は先駆者というだけでなく、近くのワイナリーや同僚を説得することが出来た影響力のある人でしたが、最も頑固な人でもありました。 |
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1855年 |
ソーテルヌ格付けでChâteau la Tour Blanche(シャトー・ラ・トゥール・ブランシュ)はプルミエ・クリュの筆頭に位置付けられ、同年Frederick Focke(フレデリック・フォッケ)氏は亡くなりました。 |
才能にあふれたFrederick Focke(フレデリック・フォッケ)氏の死後、彼の家族(妻、甥)さらに投資家がワイナリーの経営を行っていました。 そこに登場したのがOsiris(オシリス)と異名を持つDaniel Iffla(ダニエル・イフラ)氏です。 Osiris(オシリス)は膨大な資産を持つ財閥で、収穫の時期に合わせて毎年ワイナリーに来ていました。 Daniel Iffla(ダニエル・イフラ)氏は一流のワインを愛するだけでなく、建築物の修復や被災者への支援、Louis Pasteur(ルイ・パスツール)社との共同研究など様々な分野への支援をしていました。 |
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1907年 |
Daniel Iffla(ダニエル・イフラ)氏の死去。 後継者はおらず、遺言でワイナリーはフランス国に返還するが、この馬車にブドウ栽培と醸造の学校をつくること、と指定しました。 |
1911年 | 遺言通り、学校が造られました。 |
2010年 |
現在Château la Tour Blanche(シャトー・ラ・トゥール・ブランシュ)はヌーヴェル・アキテーヌ県に所属しています。 学校では、いくつかのレベルの研修が行われています。 |
生産ワイン
実は色々なワインを生産しています。
- Les Jardins de La Tour Blanche(赤ワイン)
- Les Jardins de La Tour Blanche(ロゼワイン)
- Les Jardins de La Tour Blanche(白ワイン)
- Duo de La Tour Blanche
- Brumes de La Tour Blanche
- Les Charmilles de La Tour Blanche
- Château La Tour Blanche
以上の7種!
中々多いですよね。
それぞれ簡単にご紹介します。
赤:レ・ジャルダン・ド・ラ・トゥール・ブランシュ
Les Jardins de La Tour Blanche(レ・ジャルダン・ド・ラ・トゥール・ブランシュ)の赤ワインです。
AOCはボルドー・ルージュとして販売されています。
手摘みで収穫され、使われている品種はメルローのみ。
ステンレスタンクで醸造と熟成を行っています。
年間生産量は1万本程度。
ロゼ:レ・ジャルダン・ド・ラ・トゥール・ブランシュ
Les Jardins de La Tour Blanche(レ・ジャルダン・ド・ラ・トゥール・ブランシュ)のロゼワイン。
AOCとしてはボルドー・ロゼで販売しています。
こちらもメルローで造られたロゼワイン。
手摘みで収穫され、ステンレスタンク内で醸造と熟成を行います。
年間生産量は2000本程度。
白:レ・ジャルダン・ド・ラ・トゥール・ブランシュ
Les Jardins de La Tour Blanche blanc(レ・ジャルダン・ド・ラ・トゥール・ブランシュ)の辛口白ワイン。
こちらもボルドー・ブランとして販売されています。
品種はソーヴィニョン・ブラン。
手摘みで収穫され、こちらもステンレスタンクで醸造/熟成されます。
年間生産量は4000本程度。
デュオ・ド・ラ・トゥール・ブランシュ
Duo de La Tour Blanche(デュオ・ド・ラ・トゥール・ブランシュ)も辛口白ワインです。
ブドウ品種もセミヨン主体。
- 65%セミヨン
- 35%ソーヴィニョン・ブラン
で造られています。
収穫で手摘みで行われ、上に書いたワインと違い、樽で醸造/熟成が行われます。
この時使われる樽はファーストワイン、甘口白ワインであるChâteau La Tour Blanche(シャトー・ラ・トゥール・ブランシュ)を1度熟成したものです。
6~8か月後にブレンドが行われ、販売されます。
年間生産本数は5000本程度。
ブルーム・ド・ラ・トゥール・ブランシュ
Brumes de La Tour Blanche(ブルーム・ド・ラ・トゥール・ブランシュ)は甘口白ワイン。
立ち位置はサードワインかな。
使用品種はセミヨン、ソーヴィニョン・ブラン、ムスカデルの3種。
貴腐化したブドウを1株に対して3~4回、もちろん手摘みで収穫します。
発酵と熟成をステンレスタンクで行い、年間生産本数は1万5000本程度。
レ・シャルミル・ド・ラ・トゥール・ブランシュ
Les Charmilles de La Tour Blanche(レ・シャルミル・ド・ラ・トゥール・ブランシュ)はセカンドワイン。
こちらも同じく甘口白ワイン、ソーテルヌです。
使用品種も同様、セミヨン、ソーヴィニョン・ブラン、ムスカデルの3種。
1株に対して4~6回、一番いい状態に貴腐化したブドウを収穫するので手間がかかります。
また醸造と熟成はステンレスタンク内で。
年間1万3000本程度の生産です。
シャトー・ラ・トゥール・ブランシュ
Château La Tour Blanche(シャトー・ラ・トゥール・ブランシュ)はワイナリー名を冠したファーストワイン。
プルミエ・クリュ・クラッセに選ばれているのはこのワインです。
収穫は同じく4~6回程度、貴腐化したブドウを収穫していきます。
セミヨンの醸造と熟成は新樽の中で行われ、ソーヴィニョン・ブランとムスカデルはステンレスタンク内で行います。
16~18か月熟成をして瓶詰め。
年間生産本数は3万本程度です。
ブドウ畑
Château la Tour Blanche(シャトー・ラ・トゥール・ブランシュ)は他の格付けのワイナリーと同様「croupe(クループ)」と呼ばれる丘の頂きに位置します。
海抜60メートルと高い場所にあるのも特徴。
(ボルドーではかなり高い)
表面は砂利質で、下層は粘土石灰土壌のこの場所は、水はけもとても良いです。
3種のブドウを栽培しています。
- 83%セミヨン
- 12%ソーヴィニョン・ブラン
- 5%ムスカデル
セミヨンはワインに骨格を与え、美しい金色をワインに与えます。
さらにドライフルーツやフルーツのコンフィ、蜂蜜などの香りを持ちます。
ソーヴィニョン・ブランは繊細ですがコクがあり、とても香り高い品種です。
さらにムスカデルは複雑さを与え、エキゾチックさとスパイスさを持つ品種です。
近年は排水の再処理やオーガニック栽培によるブドウの保護に関する実験などを行っています。
現在、Château la Tour Blanche(シャトー・ラ・トゥール・ブランシュ)はHVE3の認証を得ており、ISO 14001の認証も得ています。
収穫と選果
収穫は全て手摘みで行われます。
貴腐化されたブドウを収穫し、選果台で選果されます。
その後圧搾機にかけ、ブドウ果汁を得ます。
ブドウ果汁は1ヘクタールあたり10~15へクトリットルを超えません。
この時潜在アルコール度数が20~22度に達するものだけがファーストワインに使われ、それよりも低いものがセカンドワインやサードワインに使われます。
1晩寝かされた後、アルコール発酵を始めます。
醸造施設
アルコール発酵にはステンレスタンクか樽を使われます。
それぞれのワインで使われるものが違いますが、上の「生産ワイン」項目で書いているのでよろしければどうぞ。
2~3週間後、糖とアルコールのバランスが取れたところで発酵を停止します。
熟成
熟成は樽で行われ、全て新樽が使われます。
熟成期間中は定期的にウイヤージュ、さらに澱引きは3か月に1回行われます。
熟成期間は16~18か月。
その後ブレンドされ、瓶詰めが行われます。
まとめ
ブドウ品種 |
83%セミヨン 12%ソーヴィニョン・ブラン 5%ムスカデル |
タンク | ステンレスタンク |
熟成期間 | 16~18か月 |
新樽使用率 | 100% |
ワイナリー情報
Château la Tour Blanche(シャトー・ラ・トゥール・ブランシュ)
住所;La Tour Blanche, 33210 Bommes, France
電話;+33 5 57 98 02 73
参考記事
最後に
ここ訪問したのも数年前なので、また行きたいワイナリーの一つです。
学校を持っているワイナリーってかなり珍しいよね。
次世代のワイン生産者を育てる、素晴らしいワイナリーの一つです。
ワインもそれほど高くなく、これだけ品質の高いものがあるのも嬉しい!
是非一度飲んでみてください。
感想やこんな内容書いて欲しい!などあればお気軽に連絡ください。 sachiwines@gmail.com その他色々やってるので、良かったら見てください Instagram Twitter レストランブログ Facebook|Bordeaux-Japon.net ボルドージャポンネット Homepage|SachiWines 旧ブログ|レストランブログ
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