素晴らしいワインを生産するワイナリー、シャトー・ソシアンド・マレ

左岸

格付けではないですが、素晴らしいワインを生産しているワイナリー、Château Sociando-Mallet(シャトー・ソシアンド・マレ)のご紹介です。

日本でもそれほど高くなく購入ができるので、メドック好きの方でこのワイナリーのワインが好きな方も多いのではないでしょうか。

歴史

1633年3月

ワイナリーがあるコミューンSaint-Seurin-de-Cadourne(サン・セウラン・ド・カドゥルヌ)に関する文書が存在します。

この素晴らしい土地は、バイヨンヌの司教の一族である、Sociondo(ソシオンド)という名前のバスク出身の貴族のものでした。

1750年

この年にはDemoiselle Anne de Sossiondo(デモワゼル・アンヌ・ド・ソシオンド)のブドウ畑に関する文書が存在します。

 

長年にわたって「Sociondo(ソシオンド)」または「Sossiondo(ソシオンド)」と呼ばれていましたが、スペルミスで「Sociando(ソシアンド)」となりました。

1793年

この年の文書にはSociando(ソシアンド)に住んでいた王族公証人、Guillaume de Brochon(ギヨーム・ド・ブロション)の逮捕により、この土地が国有財産として売却されたことが記録されています。

これによりBrochon(ブロション)の義父であるJean Lamothe(ジャン・ラモス)がワイナリーを買収します。

1831年

Marie-Elisabeth Alaret(マリー・エリザベス・アラレット)がSociando(ソシアンド)の所有者でした。

彼女はLamothe(ラモス)の姪で、海軍大将であったAchille Mallet(アシール・マレ)と結婚しました。

当時の習慣により、ワイナリーに自身の名前を追加し、Sociando-Mallet(ソシアンド・マレ)が誕生しました。

1878年

Alaret(アラレット)家がワイナリーを売却し、Léon Simon(レオン・シモン)がオーナーとなります。

 

以降、Jean Gautreau(ジャン・ゴトロー)がワイナリーを購入するまで、ネゴシアンDelor(デロール)、Louis Rouller(ルイ・ロレール)、Saint-Seurin(サン・セウラン)の市長、当時Pontoise-Cabarrus(ポントイズ・カバルス)のオーナーでもあったEmile Tereygeol(エミール・テレイジェオル)の手に渡ります。

1927年4月

Jean Gautreau(ジャン・ゴトロー)はLesparre(レスパール)で生まれました。

父親は保険代理店をしており、ワインとは全く関係のない家族で生まれました。

1945年

サッカーやテニスをしていたJean Gautreau(ジャン・ゴトロー)は、18歳の時に全仏オープンジュニアで準決勝まで進みました。

1948年

Jean Gautreau(ジャン・ゴトロー)はモロッコで軍人として働いた後、Lesparre(レスパール)に戻り、ワインのクルティエMiailheで働きました。

当時、ボルドーワインの売れ行きが非常に悪かったので、彼はここで苦難を強いられます。

21歳という若さで、当時アフリカが一大消費者であったジェルスとメドックのワインを混ぜた、日常で飲むワイン市場の可能性に気づき、当時のネゴシアンたちと肩を並べるまでになります。

1950年

Jean Gautreau(ジャン・ゴトロー)はMiailheをやめ、自身のクルティエ業を始めます。

1957年1月1日

ボルドーワインの価格上昇により、Jean Gautreau(ジャン・ゴトロー)は自身のネゴシアン会社を設立します。

彼はすぐにベルギーとオランダの市場調査をし、ボルドーのグラン・ヴァンの販売を始めます。

さらに彼はワイン生産者に自身で瓶詰めを行うように指導します。

1969年

ベルギーの顧客に販売するワイン生産者を探していた時、Sociando-Mallet(ソシアンド・マレ)を見つけました。

彼はこのワイナリーに恋に落ちましたが、当時はあまり良い状態ではありませんでした。

ただ、ジロンド川の美しい景色を眺めることが出来ました。

すぐに彼は自身のために25万フランで購入することができました。

 

ブドウ畑は5haのみで、建物も状態が悪く、熟成室がなく、小さな醸造室とガレージだけでした。

ワイナリーの元従業員であったGérard Cler(ジェラール・クレル)の助けとアドバイスを受けて、Jean Gautreau(ジャン・ゴトロー)は妥当なクオリティのファーストビンテージと、素晴らしいセカンドビンテージのワインを生産しました。

Château Sociando-Mallet(シャトー・ソシアンド・マレ)のテロワールは素晴らしいもので、ワインにフレッシュ感を与える粘土土壌の上に、カベルネ・ソーヴィニョンに適した砂利土壌を持ちます。

Jean Gautreau(ジャン・ゴトロー)は近くのブドウ畑を購入し、拡大を続けました。

可能な限り、最高の品質を求めて、建物の改修、熟成室の建設、所有しているブドウ畑の品種の改良を始めました。

2000年

Jean Gautreau(ジャン・ゴトロー)は自身のネゴシアンを売却し、ワイナリーの経営に力を注ぎます。

2017年

90歳になったJean Gautreau(ジャン・ゴトロー)は娘のSylvie(シルヴィ)にワイナリーを相続させます。

彼女は1967年に生まれ、Jean Gautreau(ジャン・ゴトロー)の一人娘です。

Sociando-Mallet(ソシアンド・マレ)は彼女の子供時代の庭で、父親と一緒にブドウ畑の観察をしたり、成長を見守っていました。

 

生産ワイン

すべてのワインはポイヤックから10キロ程度北にあるSaint-Seurin-de-Cadourne(サン・セウラン・ド・カドゥルヌ)、アペラシオン/オー・メドックにあります。

CHATEAU SOCIANDO-MALLET

Château Sociando-Mallet(シャトー・ソシアンド・マレ)は植えられているすべての品種を使用しています。

ワイナリーの周りにある畑から採れたブドウを使用しています。

LA DEMOISELLE DE SOCIANDO-MALLET

La Demoiselle de Sociando-Mallet(ラ・ドマセル・ド・ソシアンド・マレ)はメルロー、カベルネ・ソーヴィニョンからつくられているワインです。

ワイナリーから少し離れたところで採れるブドウから生産されています。

そして、ファースト、セカンド合わせて45万本生産されています。

JEAN GAUTREAU

5ヘクタールある、一番良い区画から採れたブドウを使って造られています。

2万~2万5000本生産で、ワイナリーでしか購入することができません。

 

ブドウ畑

83ヘクタールの畑を所有しています。

内、ブドウ品種は

  • 55%メルロ
  • 40%カベルネ・ソーヴィニョン
  • 5%カベルネ・フラン

を栽培しています。

その内、60ヘクタールが1つの大きなブロックになっていて、残りはワイナリーから3キロメートル先に位置しています。

収穫と選果

収穫は手摘みで行われます。

そして選果、除梗を行ってからタンクにブドウが入れられます。

醸造施設

ステンレスタンクコンクリートタンクを所有しています。

ボルドーの伝統的な方法で醸造を続けています。

そして、醸造中はルモンタージュを行っています。

(参考;ワイン醸造:アルコール発酵について。

熟成

100%フレンチオークで、4~5社と取引があります。

年に1~2回だけ澱引きなので、他のワイナリーより澱引きは少な目。

生産ワイン毎に熟成期間や新樽使用が異なります。

  • ファーストワインは100%新樽12~18か月熟成
  • セカンドワインは80~100%新樽9~10か月熟成、さらに樽は100%Nadalie社のもの
  • Jean Gautreauは95%樽5%はタンク熟成

まとめ

ブドウ品種

55%メルロ

40%カベルネ・ソーヴィニョン

5%カベルネ・フラン

タンク

コンクリート、ステンレス

熟成期間

12~18か月

新樽使用率

100%

 

ワイナリー情報

Château Sociando-Mallet

住所;Route de Mapon, 33180 Saint-Seurin-de-Cadourne

電話;+33 5 56 73 38 80

参考記事

1855年メドック格付けまとめ

ワイナリーSNSまとめ、メドック編

メドック格付けワイナリー、セカンドワインリスト

2018年野田祥子的メドック格付け

メドック地方の土地柄を詳しく!

クリュ・ボルジョワって何?

クリュ・ボルジョワ格付け2020まとめ

ワイン醸造:アルコール発酵について。

AOCボルドーで認められている品種(赤/白/ロゼ)

ボルドーワイン=ブレンドワイン

最近のボルドーワインについて

ファーストワインとセカンドワイン…って何?

材質別タンクのメリット・デメリット

ボルドーでのステンレスタンク

ボルドーでのコンクリートタンク。

 

最後に

ボルドーからは車でも1時間半くらいかかりますが、素晴らしい景色を持つワイナリーです。

そして何よりもワインが素晴らしい!

格付けワインではないですが、それに匹敵する品質を持っているワイナリーの一つです。

ワイナリーでしか買えないワインもあるので、お時間ある方は是非訪問してみてください!


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