【加筆】マルゴーの変わったお城、シャトー・カントナック・ブラウン

左岸

以前、Château Cantenac Brown(シャトー・カントナック・ブラウン)の買収について記事にしました。

今回はそのワイナリーについての記事です。

歴史

1754年

ボルドーのシャルトロン地区に住む、王の高位貴族であるJacques BOYD(ジャック・ボイド)がカントナックに土地を購入し、ワイナリーを創立します。

このワイナリーは後にBoyd-Cantenac(ボイド・カントナック)とCantenac-Brown(カントナック・ブラウン)になります。

1806年

John-Lewis Brown(ジョン・ルイス・ブラウン)(1769-1851)がワイナリーを所有します。

彼はカントナックに自身の出身地であるスコットランドを思い起こさせる、テューダー様式のお城を建築することに決めます。

この時建てたのは、今現在の城に向かって一番右と、一階の一部分を建築しました。

当時はそれほど大きな建物も必要なかったので、それだけで十分だったようです。

このお城はメドックの中でも特徴的で、英国様式の庭園に囲まれています。

1843年

彼は銀行家のGromard(グロマルド)にワイナリーを売却します。

1855年

Boyd(ボイド)という名で格付け3級に選ばれました。

1860年

ボルドーのネゴシアンで、メドックにいくつかワイナリーを所有していたLouis Armand Lalande(ルイ・アルモン・ラランド) (1820-1894)が所有者となります。

彼に売却したのがワイナリーの一部で、この時にChâteau Cantenac Brown(シャトー・カントナック・ブラウン)が誕生しました。

ブドウ畑の再構築や、醸造施設のモダン化、醸造技術の改良、さらにオリジナルの建物の様式を守りながら城を増築しました。

1935年

Lalande(ラランド)に生まれたEdouard LAWTON(エドワード・ロートン)がワイナリーを息子のJean LAWTON(ジャン・ロートン)がワイナリー譲渡します。

1968年

maison de LUZE(メゾン・ド・リューズ)の所有者であったVIVIER(ヴィヴィエール)家にワイナリーを売却します。

Jean LAWTON(ジャン・ロートン)が売却した時、戦前の大危機と管理の怠慢さにより、ブドウ畑は荒廃していました。

 

新しいブドウの植え付けと土地の買収により、20年かけてマルゴーに約40ヘクタール、ボルドーに10ヘクタールのブドウ畑を所有するまでに至ります。

1987年

Compagnie du Midi(コンバニー・デュ・ミディ)にワイナリーを売却します。

そして、醸造施設のリフォームを行います。

1989年

Midi(ミディ)とAXA(アクサ)の合併後、ブドウ畑の再建築と企業の再建が行われました。

 

製造しているワイン

赤ワインはファーストとセカンドの二種類。

そして白ワインを作っています。

ファーストワインはChâteau Cantenac Brown(シャトー・カントナック・ブラウン)

セカンドワインはBriO de Canteanac Brown(ブリオ・ド・カントナック・ブラウン)

白ワインはAlto de Canteanac Brown(アルト・ド・カントナック・ブラウン)という名前で造られています。

ちなみにですが、この白ワインは日本が一番の輸入国だそう…!

ブドウ畑

畑は48ヘクタール持っています。

メドックではそれほど大きくはないワイナリーです。

畑に植えられているブドウ品種は

  • 65%カベルネ・ソーヴィニョン
  • 30%メルロ
  • 5%カベルネ・フラン

の三種類です。

そして平均樹齢は35年程度。

栽培について

減薬農法を行っています。

除草剤や殺虫剤は全く使わず、環境に配慮して栽培を行っております。

収穫から醸造まで

収穫はもちろん手摘み

その後、選果が行われます。

1度目の選果は房の状態で。

その後、徐梗を行うことで、実だけの状態にします。

そして2011年からレーザーを使った選果機を通します。

醸造について

タンクはステンレスタンク

26基のタンクを持っており、地下には16基のコンクリートタンクも持っています。

アルコール発酵はステンレスタンクの中で。

昔ながらの醸造方法を用いています。

マロラクティック発酵は3分の2をステンレスタンクで、残りの3分の1を樽行います。

熟成について

大体毎年500樽くらい用いています。

2か月熟成して、ブレンド、その後さらに熟成します。

ブレンドのタイミングは2月くらい。

ファーストワインは15か月熟成、セカンドワインは12か月熟成です。

まとめ

ブドウ品種

65%カベルネ・ソーヴィニョン

30%メルロ

5%カベルネ・フラン

タンク

ステンレスタンク

マロラクティック発酵

3分の2ステンレスタンク

3分の1樽で

熟成期間

15か月

 

ワイナリー情報

Château Cantenac Brown(シャトー・カントナック・ブラウン)

住所;33460 Margaux-Cantenac

電話;+33 5 57 88 81 81

メール;contact@cantenacbrown.com

 

参考記事

メドック3級:シャトー・カントナック・ブラウン買収

1855年メドック格付けまとめ

ワイナリーSNSまとめ、メドック編

メドック格付けワイナリー、セカンドワインリスト

2018年野田祥子的メドック格付け

メドック地方の土地柄を詳しく!

ワイン醸造:アルコール発酵について。

AOCボルドーで認められている品種(赤/白/ロゼ)

ボルドーワイン=ブレンドワイン

最近のボルドーワインについて

ファーストワインとセカンドワイン…って何?

材質別タンクのメリット・デメリット

ボルドーでのステンレスタンク

 

最後に

現在の醸造の様子を書きました。

オーナーが変わり、その後醸造方法等も変わっていくのでは?と思っています。

醸造施設もちょっと古いので、工事するんじゃないかなぁというのが個人的予想。

今後どのように化けるのか楽しみなワイナリーです…!


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コメント

  1. […] Château Cantenac-Brown […]

error: 申し訳ないですが右クリック禁止にしました。データが欲しい方は直接連絡ください。
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