ボルドーからメドックに向かうとき、最初に現れるワイナリー、Château Siran(シャトー・シラン)。
ピンク色の建物が印象的で、隣を通ったら忘れないワイナリーの一つです!
歴史
1428年 | Macau(マコー)の教会でこの自由自治区が属するSainte-Croix de Bordeaux(サン=クロワ・ド・ボルドー)に封建的な誓いを立てました。 |
1650年 | Siran/Ciran(シラン)はJean Lussignet(Lucinet)(ジャン・ルシネ)氏の妻であり、ワイナリーの財産を築いたとされているMarie Poncastel(マリー・ポンカステル)の財産目録に記載されている。 |
1662年 | Flore Lussignet(Lucine)(フロール・ルシネ)氏がJean II du Boscq(ジャン・2世・デュ・ボスク)氏と結婚し、Guillaume du Boscq(ギヨーム・デュ・ボスク)とFrançois Augstin du Boscq(フランソワ・オーグスタン・デュ・ボスク)が跡を継ぎました。 |
1751年 |
François Augstin du Boscq(フランソワ・オーグスタン・デュ・ボスク)氏がJeanne Félicité Chaperon(ジャンヌ・フェリシテ・シャペロン)氏と結婚します。 彼女はフランス革命により夫と息子たちが亡命している間、ワイナリーを管理していました。 |
1783年 |
王室の権利でElie Miailhe(エリ・ミアイエ)がワインのクルティエに任命され、Miailhe(ミアイエ)家がボルドーに移り住みました。 彼の子孫は1970年までクルティエとして活躍します。 |
1789年 |
ワイナリーの相続人で、Jeanne Félicité(ジャンヌ・フェリシテ)の娘であるMarie Duboscq(マリー・デュボスク)がla Roque-Bouillac(ラ・ロック=ボイヤック)伯爵のJean-Charles(ジャン・シャルル)と結婚しました。 彼は家紋を家の西側のファサードに取り付けました。 |
1808年 |
娘であるJeanne Adèle de Laroque-Bouillac(ジャンヌ・アデール・ド・ラロック=ボイヤック)はToulouse Lautrec(トゥールーズ・ロートレック)伯爵と結婚しました。 彼は自身の紋章を家のファサードに追加しました。 |
1818年 | クルティエのMiailhe(ミライエ)の事務所を設立。 |
1859年1月14日 |
有名な画家のHenri de Toulouse-Lautrec(アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック)の曾祖母であるJeanne Adèle de Laroque-Bouillac(ジャンヌ・アデール・ド・ラロック=ボイヤック)からLéo Barbier(レオ・バルビエ)が10万フランでワイナリーを購入しました。 これにより、ワイナリーが発展します。 |
1866年 | Léo Barbier(レオ・バルビエ)の2人の娘は兄弟であるPaul Sollberg(ポール・ソルベルグ)とAlexandre Sollberg(アレクサンドロ・ソルベルグ)と結婚します。 |
1874年 | Léo Barbier(レオ・バルビエ)はSiranの経営を婿であるPaul Sollberg(ポール・ソルベルグ)とAlexandre Sollberg(アレクサンドロ・ソルベルグ)に委ねます。 |
1883~1885年 | Paul Sollberg(ポール・ソルベルグ)とAlexandre Sollberg(アレクサンドロ・ソルベルグ)は破産し、アルゼンチンで暮らすことになります。 |
1885年 | 叔母であるPaul Sollberg(ポール・ソルベルグ)とAlexandre Sollberg(アレクサンドロ・ソルベルグ)の妻から、Lovely Sollberg(ロヴェリ・ソルベルグ)とMarcel Mortier(マルセル・モルティエ)の息子であるFréderic Miailhe(フレデリック・ミアイエ)に経営が委ねられます。 |
1915年 | Fréderic Miailhe(フレデリック・ミアイエ)は叔母の経営権を購入し、唯一の経営者となります。 |
1941年 |
Fréderic Miailhe(フレデリック・ミアイエ)の息子Edouard F. Miailhe(エドワード・F・ミアイエ)氏が正式に跡を継ぎました。 またEdouard(エドワード)の兄弟Louis(ルイ)はMiailhe(ミアイエ)家の他の所有であるChâteau Pichon Comtesse de Lalande(シャトー・ピション・コンテス・ド・ラランド)やChâteau Palmer(シャトー・パルメ)からもわかるプティ・ヴェルドとメルローへの情熱をSiran(シラン)にもたらします。 |
1953年 | 最初の醸造コンサルタントにEmile Peynaud(エミール・ペイノー)が参加しました。 |
1959年 | Edouard F. Miailhe(エドワード・F・ミアイエ)氏の死去。 |
1978年 |
Edouard F. Miailhe(エドワード・F・ミアイエ)の息子William-Alain Miailhe(エドワード=アラン・ミアイエ)が家族経営のワイナリーを引き継ぎます。 彼はワイナリーを現代化しました。 |
1980年 |
最初の芸術家によるラベルが描かれました。 この年のテーマは「団結」です。 |
1989年 | William-Alain Miailhe(エドワード=アラン・ミアイエ)の妻Brigitte Miailhe(ブリジット・ミアイエ)がワイナリーの経営を引き受けます。 |
2003年 |
クリュ・ボルジョワ・エクセプショネルに選ばれます。 ただし2007年に格付けは取り消され、最終的にクリュ・ボルジョワを得ます。 |
2007年 |
William-Alain Miailhe(エドワード=アラン・ミアイエ)の息子Edouard Miailhe(エドワード・ミアイエ)が6世代目としてワイナリーを引き継ぎます。 彼はブドウ畑、醸造や熟成に関わる全ての施設、さらにテイスティングルームやショップも近代化するために大規模な投資を行いました。 |
2013年 | 醸造コンサルタントにHubert de Boüard(ユベール・ド・ブアール)を迎えました。 |
生産ワイン
赤ワインを4種生産しています。
- Château Siran
- S de Siran
- Bel-Air de Siran
- Saint-Jacques de Siran
それぞれ簡単に説明します。
シャトー・シラン
Château Siran(シャトー・シラン)はワイナリーの名を冠したファーストワイン。
- 46%メルロー
- 44%カベルネ・ソーヴィニョン
- 9%プティ・ヴェルド
- 1%カベルネ・フラン
他のメドックのワイナリーと比べてメルローとプティ・ヴェルドの割合が多いのが特徴です。
詳しくは後程書きますね。
エス・ド・シラン
S de Siran(エス・ド・シラン)はChâteau Siran(シャトー・シラン)のセカンドワイン。
同じ土壌ですが、10年程度の比較的若木を使用しています。
ファーストワインと同様に
- 46%メルロー
- 44%カベルネ・ソーヴィニョン
- 9%プティ・ヴェルド
- 1%カベルネ・フラン
を使用しています。
手摘みで収穫され、選果も行います。
アルコール発酵は26度程度で行われ、その間ルモンタージュを行います。
発酵後の醸しを23~32度程度で行い、タンクの中にブドウ/ワインが入っているのは15~20日程度とかなり短い。
フレンチオークで12か月熟成されます。
ベル=エール・ド・シラン
Bel-Air de Siran(ベル=エール・ド・シラン)は砂と石が混じったオー=メドックの畑から造られます。
オー=メドックと言えども、AOCマルゴーのシャトー・シランの周りにある畑で、とても近いのも特徴。
2ヘクタールありますが、ブドウ生産されているのはたったの0.5ヘクタール!
100%メルローで造られるので、特徴が異なるのがこのワイン。
ステンレスタンクでアルコール発酵が行われ、その間ルモンタージュとデレスタージュが行われます。
タンクに入っているのは18~24日程度。
フレンチオークで12か月熟成させます。
サン=ジャック・ド・シラン
Saint-Jacques de Siran(サン=ジャック・ド・シラン)はボルドー・シューペリオールのワインです。
このワイン専用の畑が11ヘクタールあります。
- 63%メルロー
- 20%カベルネ・ソーヴィニョン
- 17%プティ・ヴェルド
とシャトー・シランらしいメルローとプティ・ヴェルドが多いワイン。
60~180へクトリットルのステンレスタンクでアルコール発酵を行います。
熟成はフレンチオーク内で12か月。
ブドウ畑
環境を考えたブドウ栽培を行っています。
2008年以降大規模な植え替えが開始されたり、2018年から複数の区画でオーガニック栽培も行っています。
農薬の量は最低限にしており、オーガニック栽培の技術を全体的に採用しています。
収穫と選果
手摘みで収穫されます。
収穫されたブドウは60ℓの入れ物に入れられます。
まずは選果され、除梗、さらに選果を行います。
醸造施設
ステンレスタンクで醸造されます。
2018年に醸造施設に新たに6基のステンレスタンクを加えました。
これによりより小さな区画での醸造が可能に。
アルコール発酵は28~30度で行われ、それぞれのタンクの状態にも寄りますが、大体7~20日くらいタンクの中にブドウ/ワインが入っています。
また2019年からマロラクティック発酵用のセラーを新しくしました。
写真は木製タンクですが、これはかなり前に使っていたものだそう。
プレス
発酵が終わると、タンクからワインを抽出します。
残った果帽は圧搾機にかけられてプレスワインができます。
このプレスワインは品質によって3種に分類されます。
熟成
抽出されたワインの一部は樽内でマロラクティック発酵を行います。
(残りはタンク内で)
その後フレンチオーク内で12か月熟成されます。
新樽使用は全体の3分の1。
まとめ
ブドウ品種 |
46%メルロー 44%カベルネ・ソーヴィニョン 9%プティ・ヴェルド 1%カベルネ・フラン |
タンク | ステンレスタンク |
マロラクティック発酵 | ステンレスタンク、樽 |
熟成期間 | 12か月 |
新樽使用率 | 3分の1 |
ワイナリー情報
住所;13 Avenue du Comte JB de, Av. du Comté Lynch, 33460 Labarde
電話;+33 5 57 88 34 04
参考記事
格付け2級!シャトー・ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランド
最後に
ワイナリーの訪問をするとワインの話はもちろん、ワイナリー内の博物館の訪問が楽しいです!
昔のワインに関わるあれやこれやが見れたり。
きっと私も今訪問したら、前何てことなかったものに感動しそう。
なんてったってトゥールーズ=ロートレックの博物館行ってきたし。笑
ここもまた行きたいワイナリーの一つです。
やっぱりワインって知れば知るほど知りたくなるよね。
感想やこんな内容書いて欲しい!などあればお気軽に連絡ください。 sachiwines@gmail.com その他色々やってるので、良かったら見てください Instagram Twitter レストランブログ Facebook|Bordeaux-Japon.net ボルドージャポンネット Homepage|SachiWines 旧ブログ|レストランブログ
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