またまたルリュトン一族のワイナリー、シャトー・ブスコー

左岸

ルリュトン一族所有のワイナリーを沢山ご紹介しているこちらのブログ。

今回はペッサク・レオニャンのワイナリー、Château Bouscaut(シャトー・ブスコー)をご紹介します。

その他、ルリュトン一族のワイナリーの記事は以下リンクからご覧いただけると嬉しいです。

歴史

1881年

Châtau Haut-Truchon(シャトー・オー・トルション)は、ワイナリーのある場所の名前Le Bouscaut(ル・ブスコー)からワイナリー名がChâteau Bouscaut(シャトー・ブスコー)に変更されました。

19世紀末

Chabanneau(シャバンノー)家がChâteau Bouscaut(シャトー・ブスコー)を買収しました。

1925年

Victor Place(ヴィクトール・プラス)とComte de Rivaud(コント・ド・リヴォー)はワイナリーを引き継ぎます。

ブドウ畑の排水、建物の増築、塔を建て、醸造セラーの改修を行いました。

1929年

隣接するワイナリー、Château Valoux(シャトー・ヴァロー)を購入しました。

1930年代

ブドウ畑がChambre d’Agriculture(農業会議所)で模範として使用されるようになりました。

Château Bouscaut(シャトー・ブスコー)の名を持った馬がメゾン・ラフィット競馬場で大賞を受賞しました。

1953年

グラーヴ地方の格付けで赤ワイン、白ワイン共に選ばれます。

1961年

火事で城が全壊してしまいました。

しかし、醸造施設等は被害から免れました。

Robert Place(ロバート・プラス)はボルドーの建築家であるMichel Garros(ミシェル・ガロス)に城の再建を頼みます。

1968年

ニューヨークの投資家グループがワイナリーを買収します。

彼らはオー・ブリオンのディレクターの妻であるDelmas(デルマス)夫人にワイナリーの管理を頼みます。

1979年

Lucien Lurton(ルシアン・ルリュトン)がワイナリーを購入することで、Château Bouscaut(シャトー・ブスコー)に新しい時代がやってきます。

ルリュトン一族については、アンドレ・ルリュトン氏の死去で、お伝えしているので、よろしければどうぞ。

Lucien Lurton(ルシアン・ルリュトン)がChâteau Bouscaut(シャトー・ブスコー)を購入した際、既に10程度の格付けワイナリーを所有していました。

1990年

Lucien Lurton(ルシアン・ルリュトン)のいとこである、建築家Vincent Defos du Rau(ヴィンソン・デフォ・デュ・ロー)によって、醸造施設と赤ワインの熟成セラーを改修しました。

1992年

Lucien Lurton(ルシアン・ルリュトン)が67歳の時、子供たちに遺産を分割することを決めます。

妻であるMarie-Jeanne Duvoisin(マリー・ジャン・デュヴォワザン)との11人子供の中で、7番目のSophie(ソフィー)がこのワイナリーを相続します。

1997年

Sophie Lurton(ソフィー・ルリュトン)が農業技術者であるLaurent Cogombles(ローラン・コゴンブレ)と結婚します。

彼は2005年と2017年にAOC Pessac-Léognanの管理長にもなった人です。

夫婦は再植、耕作、薬剤散布の機械の変更等、ブドウ畑の再編成に力を入れます。

1999年

1940年から借りていたLamothe-Bouscaut(ラモス・ブスコー)を買収。

Lamothe-Bouscaut(ラモス・ブスコー)の城は改築され、以前の所有者が亡くなるまで維持されました。

2002年

Sophie Lurton(ソフィー・ルリュトン)とLaurent Cogombles(ローラン・コゴンブレ)は100ヘクトリットルのコンクリートタンクを10基導入しました。

2010年

ボルドーの建築家Arnaud Boulain (アルノー・ブーラン)による300平方メートルの新しい熟成セラーが完成しました。

この新しい熟成セラーはコンクリート製で、樽の側板に囲われており、環境に配慮した造りになっています。

2011年

Château Bouscaut(シャトー・ブスコー)は新しいテイスティングルームと、ショップを構えて一般の人々を受け入れるようになりました。

火曜日から土曜日まで、年間を通して観光客を受け入れています。

2013年

ボルドーの観光案内所が選ぶ、観光業におけるBest of d’Or(金賞)を受賞しました。

Château Valoux(シャトー・ヴァルー)は四つ星の宿泊所をオープンしました。

2018年

Château Bouscaut(シャトー・ブスコー)はHVE 3(環境に配慮したワイン造りの基準)を取得しました。

 

ブドウ畑

50ヘクタールの畑を持っています。

そして、この50ヘクタールが1つの大きな塊になっています。

グラーヴ地方なので、白ワインと赤ワインを製造していて、それぞれ分けてお伝えしたいと思います。

白ワイン用品種

白ワイン用の畑は10ヘクタール

その中にセミヨンとソーヴィニョン・ブランが半々で植えられています。

赤ワイン用品種

40ヘクタール畑を所有しています。

植えられているのがメルロ、カベルネ・ソーヴィニョン、マルベックの3品種。

ボルドーで認められている品種ですが、カベルネ・フランがなくマルベックを植えている珍しいワイナリーです。

熟成

熟成に使用される樽は全てフランスオーク

ボルドーやコニャック、ブルゴーニュ産のものを使用しています。

白ワイン用品種

ボルドーの樽は225リットルで300本ワインを生産することが出来ます。

ここでは、白ワイン熟成のときの樽は400リットルのものを、さらに焼きも軽いものを使用しています。

熟成期間は6か月から10か月。

熟成期間中はバトナージュを行います。

赤ワイン用品種

赤ワイン用は225リットルの樽を使用しています。

ファーストワインは18か月熟成、セカンドワインは1か月熟成です。

まとめ

ブドウ品種

赤ワイン用

メルロ、カベルネ・ソーヴィニョン、マルベック

白ワイン用

セミヨン、ソーヴィニョン・ブラン

タンク

コンクリートタンク

熟成期間

赤ワイン用

18か月

白ワイン用

6~10か月

 

参考記事

ワイナリーSNSまとめ、グラーヴ編

グラーヴ、ソーテルヌ・バルサックの格付けまとめ

ルリュトン一族所有ワイナリー、Chateau Desmirail

マルゴーでルリュトン一族のワイナリー、Château Brane-Cantenac

メドックで最も小さいワイナリーの一つ、Château Ferrière

ビオディナミック栽培のワイナリー、Château Durfort-Vivens

ラトゥールの隣、シャトー・オー・バージュ・リベラル

アンドレ・ルリュトン氏の死去

ワイン醸造:アルコール発酵について。

ボルドーワイン=ブレンドワイン

最近のボルドーワインについて

ワイナリー情報

Château Bouscaut(シャトー・ブスコー)

住所;1477 Avenue de Toulouse, 33140 Cadaujac

電話;+33 5 57 83 12 20

メール;cb@chateau-bouscaut.com

最後に

最近は、ボリューミーな内容のワイナリーが多かったので、今回は少し軽めにお届けしました。

グラーヴ地方のワイナリーはあまり訪問していなかったので、訪問してこちらでお届けしていきたいと思います。

またご覧いただけると嬉しいです。


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