バルサックに位置する格付けワイナリーとして有名なChâteau Coutetのご紹介です。
しっかりした甘味が特徴で、個人的には長期熟成すればするほど本領を発揮してくれるワイナリーだと思っている!
この間1日ソーテルヌのワイナリー巡りをしてきたんやけど、Château Coutetに初めて行ってきたので、情報を共有します。
目次
歴史
13世紀 | 要塞として検察された現在のChâteau Coutetは当時の軍事施設に見られる四角い塔など、中世の建造物の面影を現代に残しています。 |
14世紀 | 敷地内にLa Salaceと呼ばれる要塞が建設され、建築物の進化を見ることが出来ます。 |
1643年 |
Château Coutetのワイン醸造としての歴史が始まります。 Coutetの領主として知られるCharles Le Guérinは現在のAOCソーテルヌで初めてブドウ栽培を行った一人です。 |
18世紀 | ワイナリー内に2つの塔と礼拝堂が建てられました。 |
1785年~1789年 |
長い間フランスに滞在していた、アメリカ合衆国第三代大統領Thomas Jeffersonが在仏大使をつとめました。 美食家であり、クルティエとして活躍した彼は、フランスの偉大なワイン産地の旅行記を書いていました。 その中で彼が「バルサックで最高のソーテルヌ」と称えたのがこのChâteau Coutetでした。 |
1788年 | Charles Le Guérinの子孫がワイナリーを管理していました。 |
1789年 | フランス革命の前夜、Gabriel-Barthélemy Romain de FilhotがChâteau Coutetのオーナーになりました。 |
その後、Gabriel-Barthélemy Romain de Filhotの孫のRomain-Bertrand de Lur-Saluces伯爵の手に渡りました。 Romain-Bertrand de Lur-Saluces伯爵はChâteaux d’Yquem、Château de Fargue、Château FilhotとChâteau de Malleを所有していました。 以前の記事 |
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1855年 |
ソーテルヌの格付けでプルミエ・グラン・クリュに選ばれました。 |
1926年 |
Romain-Bertrand de Lur-Saluces伯爵の所有が終わり、リヨンの実業家Henry-Louis GUYが新しいオーナーになりました。 彼はワイナリーの最高の果汁を抽出するためにGuy & Mitalの圧搾機を導入しました。 |
Henry-Louis GUYの娘はEdmond Rollandと再婚し、1977年までワイナリーを所有しました。 彼女の名誉のために、Cuvée Madameの名で特別なワインを造っています。 |
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1977年 |
Marcel Balyと二人の息子、PhilippeとDominiqueがChâteau Coutetの新しいオーナーになりました。 アルザス出身の一族で、フランスとアメリカに分かれていました。 オーナーが変わり、ブドウ畑と建物の改良する時代に入りました。 |
1994年 | Château Coutetはより多くの専門知識を求めており、Baron Philippe de Rothschild社と技術、商業面で提携しました。 |
2010年 | 辛口白ワインOpalieのファーストビンテージです。 |
Aline Baly氏が3代目としてワイナリーを管理しています。 |
生産ワイン
甘口白ワイン、辛口白ワイン共に生産しています。
上から3つが甘口ワイン、最後が辛口です。
それぞれとても簡単にですが紹介します。
Château Coutet
1855年の格付けに選ばれているワインで、バルサックを代表するワインです。
La Chartreuse de Coutet
1977年に作られたセカンドワイン。
ファーストワインと比べると繊細ですが、バランスのとてもいいワインです。
Cuvée Madame
1943年に登場したワイン。
特別な年にしか造られない、特別なワインです。
3年もの長い期間熟成されてつくられるのも、このワインの特徴。
Opalie
今までの3種とは違う、辛口の白ワインです。
平均樹齢45年の樹から採れたブドウを使っており、醸造と熟成を樽内で行います。
ブドウ畑
Château Coutetを含むバルサックは粘土石灰土壌が多い場所として有名です。
ソーテルヌと比べるとバルサックは土壌が冷たいのも特徴の一つです。
42ヘクタールの敷地の内、38.5ヘクタールがブドウ畑です。
品種はソーテルヌとバルサックにおいて基本となるセミヨンとソーヴィニョン・ブラン、ムスカデルを栽培しています。
- 75%セミヨン
- 23%ソーヴィニョン・ブラン
- 2%ムスカデル
という割合で栽培されています。
歴史部分でも触れた特別キュヴェCuvée Madameは樹齢80年程度のセミヨンのみ使用されています。
また畑はHVE3に認定されています。
以前の記事
収穫と選果
収穫は9月から11月まで、30~40日間かけて行われます。
収穫されたブドウはすぐに圧搾機にかけられ、果汁を抽出します。
それぞれへ並行圧搾機を使った後、垂直圧搾機を利用します。
Cuvée Madameに関しては2時間30分かけてゆっくりプレスを行ったものか、Cuvée Madameに見合った品質のものを使用するとのこと。
醸造施設
アルコール発酵は樽内で行われます。
それぞれ8~10日間のみアルコール発酵が終わります。
熟成
発酵が終わると18か月の熟成期間に入ります。
ちなみに辛口白ワインは8か月、Cuvée Madameは3年熟成と製品によって異なります。
110メートルもある長ーい熟成セラーが特徴的。
まとめ
ブドウ品種 |
75%セミヨン 23%ソーヴィニョン・ブラン 2%ムスカデル |
熟成期間 |
辛口白ワイン8か月 ソーテルヌ18か月 Cuvée Madame36か月 |
ワイナリー情報
住所;Coutet, 33330 Saint-Émilion
電話;+33 5 57 74 43 21
参考記事
最後に
シャトー・クーテ、偉大なワイナリーです。
凝縮感のしっかりある甘味が特徴的で、個人的には若いときに飲むよりもしっかり熟成してから飲む方がシャトー・クーテらしさが感じられて良いかと。
圧倒的なポテンシャルを持つワイナリーの一つです!
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