メドックで異色のお城を持つ、シャトー・コス・デストゥーネル

左岸

普段は数か月前まで予約がいっぱいで全然予約ができないワイナリー、Chateau Cos d’Estournel(シャトー・コス・デストゥーネル)

外出禁止が緩和され、ワイナリーから見学再開のメールをいただきました。

折角なら!と連絡したら速攻予約が取れた♡

今までで一番簡単に予約が取れるそうです。

そして、友達からも予約取りやすいよー!と連絡貰ったので、結構関係者が予約しているっぽいです。

歴史

ワイナリーの歴史は1811年、Louis-Gaspard d’Estournel(ルイ・ガスパール・デストゥーネル)によってはじまりました。

彼はCos(コス)の村のブドウ畑を相続します。

『コスは今現在もシャトー・コスデストゥーネルが存在する場所のことです。』

彼は18世紀、今現在のla Maison d’estournelに住んでいました。

『la Maison d’estournelは昨年オープンしたホテルレストラン。

ランチに行ってきたので、興味のある方はこちらをご覧ください。』

そのため、Château Cos d’Estournel(シャトー・コス・デストゥーネル)ではワイン造りに関するものしかありませんでした。

(生活に関わる全てはLa Maison d’Estournelに)

1820年に建物が建てられます。

ただ、当時は今現在ある塔はなく、塔が建てられたのが10年後の1830年です。

Estournel氏の時代、ワインは樽で販売して、ネゴシアンが瓶詰、エチケット貼りなどをしていました。

しかし彼は自らすることに決めます。

それによって、当時ボルドーワインは沢山イギリスに輸出されていましたが、ネゴシアンを通さないために、底への輸出が難しくなります。

そこでインドへの輸出を始めます。

その後、Château Cos d’Estournel(シャトー・コス・デストゥーネル)はサンテステフのマハラジャとも呼ばれるようになりました。

彼は妻も子供もいなかったので、1853年に亡くなった後ワイナリーは売りに出されます。

1853年、格付け直前で亡くなったので残念ですが、91歳という年齢まで生きたそうです。

その後、5つの家族がChâteau Cos d’Estournel(シャトー・コス・デストゥーネル)のオーナーとなりました。

1918年からFernand Ginestes(フェルナンド・ジネステ)がオーナーになります。

1970年に孫(Prats家/プラ家)であるYves(イヴ)、Jean-Marie(ジャン・マリー)とBruno(ブルーノ)が跡を継ぎます。

1998年までBruno Prats(ブルーノ・プラ)がワイナリーのオーナーが居続けます。

1998年にワイナリーを買収したのがMerlaut(メルロー)一族

Merlaut(メルロー)家はTaillan(タイヤン)というネゴシアンを所有している一族です。

この時、Jean-Guillaume Prats(ジャン・ギオーム・プラ)は父が所有していたこのワイナリーにゼネラルマネージャーとして働き続けます。

2000年にまたワイナリーが売却され、Michel Reybier(ミッシェル・レイビエール)がオーナーになります。

Michel Reybier(ミッシェル・レイビエール)は、1990年からホテル業を始めます。

そして2000年にワインの仕事をはじめ、購入したのがChâteau Cos d’Estournel(シャトー・コス・デストゥーネル)。

他にもトカイやシャンパーニュ(Jeeper)も所有しています。

2000年にChâteau Cos d’Estournel(シャトー・コス・デストゥーネル)を購入してから、工事を始めます。

2013年までJean-Guillaume Prats(ジャン・ギオーム・プラ)はゼネラルマネージャーとしてワイナリーに滞在し続けました。

2016年にla Maison d’estournelとなる場所を購入し、2019年8月にオープンしました。

こちらのレストランにもお邪魔したので、興味のある方はこちらにもうすぐアップされています。

ブドウ畑

畑はなんと…100ヘクタール

めっちゃデカいです。

最近小さな生産者さんばかり訪問していたので、3桁ワイナリーは久しぶり。

メドック来たなぁと嬉しくなった。笑

ブドウ畑

4品種を栽培しています。

  • 65%カベルネ・ソーヴィニョン
  • 30%メルロー
  • カベルネ・フラン
  • プティ・ヴェルド

内、カベルネ・ソーヴィニョンは石が多い丘の上に植えられています。

メルローは川の近く、比較的涼しいところに植えられています。

醸造施設

工事前までは、今現在サロン兼試飲ルームとして使われている場所にタンクがあり、醸造していました。

そのころにはコンクリートタンクがありました。

新たに壁を広げて、2008年7月に今の醸造施設が完成。

2008年から100%ステンレスタンクで、グラヴィティでの醸造になりました。

メドックで100%グラヴィティ(ポンプゼロの醸造)をしたのは、多分Château Cos d’Estournel(シャトー・コス・デストゥーネル)が初めて。

収穫

収穫は手摘みで行います。

選果をして、除梗、フロワーを通過。

(選果は房の状態で1回だけ)

選ばれたブドウはタイヤ付きの入れ物に。

それをタンクの上に持っていって、底を開くことでポンプを使わずにブドウをタンクに入れることができます。

醸造

先にも言いましたが、ステンレスタンクで醸造をしています。

区画は60ほどあり、タンクが84基

アルコール発酵前に低温での醸しを行い、アルコール発酵、マロラクティック発酵までをタンクで行います。

発酵中の攪拌作業はデレスタージュのみ

ポンプを一切使わないので、エレベータータンクを所有しています。

左右の壁に2基ずつエレベータータンクがあり、それによって醸造から瓶詰までを100%グラヴィティで行えるようになりました。

(下の写真で奥にあるのがエレベータータンクがある場所)

ブレンドをして、その後熟成が始まります。

熟成施設

1年で1200樽!

めっちゃ多いです。

樽は11社から購入。

焼き加減はミディアムで、全てフレンチオークです。

熟成期間

ファーストワインは60%新樽で16~18か月熟成

セカンドワインは30%新樽で12か月熟成です。

白ワイン

ご存知の方も多いと思いますが、白ワインも生産しています。

25キロメートルほど北に6ヘクタール、ソーヴィニョン・ブランとセミヨンの畑を持っています。

醸造はChâteau Cos d’Estournel(シャトー・コス・デストゥーネル)で。

まとめ

ブドウ品種

65%カベルネ・ソーヴィニョン

30%メルロー

カベルネ・フラン

プティ・ヴェルド

タンク

ステンレスタンク

熟成期間

16~18か月

新樽使用率

60%

 

参考記事

1855年メドック格付けまとめ

ワイナリーSNSまとめ、メドック編

メドック格付けワイナリー、セカンドワインリスト

2018年野田祥子的メドック格付け

メドック地方の土地柄を詳しく!

ワイン醸造:アルコール発酵について。

ボルドーワイン=ブレンドワイン

最近のボルドーワインについて

エレベータータンクについて。

ボルドーでのステンレスタンク

 

最後に

ワイナリー訪問を再開していますが、いつも得るものが本当に多い。

同じところ訪問するのもそうですが、今まで行ったことないところも訪問しております。

この機会に見学しづらいワイナリーも見学できればいいなぁと思っています!


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