サンテミリオンのChâteau TrotteVieilleの特集記事です。
今年のプリムールで友人に誘われてお邪魔しました!
今までの品質も素晴らしいものでしたが、新しい醸造施設が完成して今後が楽しみなワイナリーの一つ。
歴史
15世紀 |
ガスコーニュ語で羊皮紙に書かれた農作契約によって、この場所で農業をしていたことが証明されています。 TrotteVieilleという名は当時この場所に住んでいた好奇心旺盛な老婦人(vieille dame)が最新のニュースを得るために速足(en trot、trotter)で郵便局まで通ったという伝説から来ていると言われています。 |
フランス革命以前 | TrotteVieilleの土地はサンテミリオンのグラン・クリュ・クラッセであるChâteau VillemaurineのオーナーのJean Laveauの所有でした。 |
1841年 |
弁護士でポムロールのChâteau l’EvangileのオーナーのIsambertがワイナリーを引き継ぎました。 以前の記事 |
1867年 | Château TrotteVieilleは万博博覧会で金賞を受賞しました。 |
1868年 |
ワイナリーは2人の新しい所有者によって2つに分割されて所有されました。 内半分はDumugron家の所有でした。 |
1874年 | ワイナリーのオーナーはAlexis Dumugronのみになりました。 |
1886年 | PierreとEdouard Jeanが彼のパートナーになりました。 |
1898年 | Edouard Jeanの経営でワイナリーは再度統一されました。 |
1908年 | Edouard Jeanの息子Charles Jeanが相続しました。 |
1929年 | Charles Jeanの妻であるJoséphine Gibaudが相続しました。 |
1942年 | Charles JeanとJoséphine Gibaudの相続人に引き継がれます。 |
1947年 | ボルドーのネゴシアンであるBorie-Manouxの創設者の兄弟の一人であるMarcel BorieがCharles Jeanの二人の孫からChâteau TrotteVieilleを購入しました。 |
1955年 | サンテミリオンの格付けPremier Grand Cruに選ばれ、現在もそのランクを維持しています。 |
Marcel Borieの死後、娘婿であるÉmile Castéjaが跡を継ぎました。 | |
1990年代 | Émile CastéjaとDenise Castéja(旧姓Borie)の息子であるPhilippe CastéjaがChâteau TrotteVieilleの経営を引き継ぎました。 |
2000年代 |
Émile CastéjaとDenise Castéjaはセカンドワイン Vieille Dame de TrotteVieilleの販売を開始しました。 |
2010年 | セカンドワインの名前をDame de TrotteVieilleに変更しました。 |
2012年 | Château TrotteVieilleはサンテミリオンのグラン・クリュ・クラッセであるChâteau Bergatの畑4ヘクタールを追加しました。 |
2021年4月1日 |
HVE(Haute Valeur Environnementale/環境価値重視認証/高い環境価値)の認証を得ました。 以前の記事 |
生産ワイン
- Château TrotteVieille
- Dame de TrotteVieille
- Château TrotteVieille « Vieilles Vignes »
の3種類生産しています。
Château TrotteVieilleはファーストワイン、Dame de TrotteVieilleはセカンドワインです。
上の歴史でも書きましたが、このワイナリーは1947年からCastéja家によって経営されています。
ファーストワインはサンテミリオンの1er Grand Cru Classéに選ばれているワインです。
2つ目のDame de TrotteVieilleはセカンドワイン。
若木から採れたブドウを使用しています。
さらにChâteau TrotteVieille « Vieilles Vignes »は樹齢100年のみのブドウで作られているワインですが、一般に販売はされていません。
135本のみの生産で、ボルドーでも最も希少なワインの一つだと言われています。
ブドウ畑
Châteaux Troplong-Mondotの近く、サンテミリオンの北東に位置しています。
ブドウ畑は12ヘクタール、南西方向にブドウを栽培しています。
石灰土壌の上に30~40センチメートルの粘土層がある、サンテミリオンらしい土壌でブドウが栽培されています。
栽培されている品種は
- 49%メルロー
- 46%カベルネ・フラン
- 5%カベルネ・ソーヴィニョン
の3品種です。
平均樹齢は60年とボルドーではかなり高め。
その中でも、フィロキセラ前(1868年)に植えられたカベルネ・フランも残っているとのこと!
収穫と選果
収穫は手摘みで、さらに小さなカゴを使って行います。
これは大箱で収穫すると、箱の下にあるブドウを押しつぶしてしまうからです。
例年、メルローは9月中旬から、カベルネは10月上旬に行われます。
収穫されたブドウは手作業で選果、除梗され、フロワーでブドウを破砕します。
醸造施設
ブドウ畑は複数の区画に分けられており、それらの区画毎に醸造を行います。
アルコール発酵前にタンク内で発酵前の低温醸しを行います。
醸しは数日間行われ、この間にフルーティーな香りを抽出することが出来ます。
その後低温(24~26度)でアルコール発酵が行われます。
さらに試飲によって日数や温度を変えますが、高温の醸し(30~32度)を行います。
最後の行程、マロラクティック発酵はタンクまたは樽で行われます。
特別なタンク
Seguin Moreauの新しいタンクが導入されていました。
このタンクはリリース前にSeguin Moreau訪問した時に見せてもらってた!
それを実際に使ってるワイナリーを始めてみました!
これ、左側にあるハンドルを回すとタンクが回転することで、ワインを攪拌することができるんです。
とりあえず今は1基のみですが、今後増えるのか、はたまた減るのか。
今後このタンクの行方も楽しみです。
熟成
熟成はフレンチオークの樽内で行われます。
新樽使用は100%で18~24か月熟成されます。
セカンドワインのDame de TrotteVieilleは新樽使用が50%、熟成期間は18か月です。
熟成中は3~4か月に1回澱引きが行われ、熟成の終わり卵の白身を使った清澄作業(collage)を行います。
まとめ
ブドウ品種 |
49%メルロー 46%カベルネ・フラン 5%カベルネ・ソーヴィニョン |
タンク | ステンレスタンク |
マロラクティック発酵 | タンク/樽 |
熟成期間 | 18~24か月 |
新樽使用率 | 100% |
ワイナリー情報
住所;Trotte-Vieille, 33330 Saint-Émilion
電話;+33 5 57 24 71 34
参考記事
最後に
今年のプリムールで初めて訪問。
今まで工事していたこともあり訪問できないワイナリーでしたが、今は見学可能になりました!
今度再度訪問してこようと思います。
新しいワイナリーの訪問はやっぱり楽しいから、今後も訪問次第ブログ記事追加していきますー
感想やこんな内容書いて欲しい!などあればお気軽に連絡ください。 sachiwines@gmail.com その他色々やってるので、良かったら見てください Instagram Twitter レストランブログ Facebook|Bordeaux-Japon.net ボルドージャポンネット Homepage|SachiWines 旧ブログ|レストランブログ
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