見学ができるようになった、シャトー・フルール・ド・リス

サンテミリオン

数週間前に見学ができるようになったVignobles JadeのChâteau Fleur de Lisse(シャトー・フルール・ド・リス)にお邪魔してきました。

今後ワインバーを作ったり、まだまだ進化を遂げそうなワイナリー。

サンテミリオンのワイナリーも観光業に力を入れ始めて、個人的に嬉しい限り。

歴史

2015年

Patrick Teycheney(パトリック・テイシェネ)氏はColiséeグループを離れ、初心に戻ってボルドーワインの取り組みを始めます。

同年、娘のCaroline(カロリーヌ)とラグジュアリー業界を去ります。

  昔から家族で所有していたChâteau La Loubière(シャトー・ラ・ルビエール)に加えて、Château Fleur de Lisse(シャトー・フルール・ド・リス)とChâteau L’Etampe(シャトー・レタンプ)を買収しました。
2016年 サンテミリオン・グラン・クリュを取得しました。
2018年

Vignobles Jadeはサンテミリオン・グラン・クリュ、オーガニック栽培のワイナリーを購入しました。

この区画からFontfleurie(フォンフレウリー)が造られています。

  Teycheney(テイシェネ)家は所有するすべてのワイナリーでHVEやSME、オーガニックに転換することを約束しています。
2021年 Vignobles Jade全体で62ヘクタールもの畑をボルドーに所有しています。

生産ワイン

Vignobles Jadeの所有するワイナリーは沢山あります。

サンテミリオンには

  • Château Fleur de Lisse
  • Château l’Etampe
  • Fontfleurie
  • Bien-Aimée de Fleur de Lisse

さらにAOCボルドーに

  • Château La Loubière
  • Le Loup de la Loubière

を所有しています。

全てサンテミリオンのChâteau Fleur de Lisse(シャトー・フルール・ド・リス)で醸造しているとのこと。

今回はそれぞれのワイナリー/ワインについて簡単に書くスタイルにします。

Château Fleur de Lisse

Château Fleur de Lisse(シャトー・フルール・ド・リス)はサンテミリオン・グラン・クリュのワイン。

10ヘクタールの畑を所有していて、栽培品種は2種類。

  • 59%メルロ
  • 41%カベルネ・フラン

が石灰の多い丘の麓で栽培されています。

Château l’Etampe

Château l’Etampe(シャトー・レタンプ)は同じくサンテミリオン・グラン・クリュ

2ヘクタールと小さな畑に51%メルロー19%カベルネ・フランが栽培されており、残りの30%は白ワイン用のソーヴィニョン・ブランです。

土壌は砂が多く、早熟な土壌です。

Fontfleurie

Fontfleurie(フォンフルリー)はもサンテミリオン・グラン・クリュのワイン。

20ヘクタールの畑に67%メルロ、33%カベルネ・フランが植えられています。

Bien-Aimée de Fleur de Lisse

Bien-Aimée de Fleur de Lisse(ビアン=エメ・ド・フルール・ド・リス)はサンテミリオンのワイン。

比較的若木から採れたブドウを使っているのも特徴です。

2020年からオーガニック認証を受けており、ビオディナミック栽培もされています。

Château La Loubière

Château La Loubière(シャトー・ラ・ルビエール)はボルドー・シューペリオールのワイン。

ボルドーから数キロ離れた、アントル・ドゥ・メールの北側の丘に位置しています。

1837年から家族が所有している畑で、62ヘクタールもの大きな生産者です。

  • 85%メルロー
  • 4%マルベック
  • 3%セミヨン
  • 2%カベルネ・ソーヴィニョン
  • 1%ソーヴィニョン・ブラン
  • 1%ソーヴィニョン・グリ
  • 1%ムスカデル

と赤白用のブドウ品種が栽培されています。

Le Loup de la Loubière

Le Loup de la Loubière(ル・ルー・ド・ラ・ルビエール)は2019年からの新しいワイン。

白・赤・ロゼと生産されていて、このロゼワインはボルドーでは珍しく直接圧搾法でつくられています。

ボルドーでは基本セニエ法でロゼワインが造られてます。

醸造施設

2020年9月に新しい醸造施設が誕生しました!

面白い形のステンレスタンクで醸造をしています。

一部1930年代から使っているコンクリートタンクもあるけれど、これはワインをストックしたり必要最低限しか使わないとのこと。

醸造が終わったらブレンドをし、その後熟成に。

このタンク、特注で作ってもらったらしく他のどこにもないデザイン。

左側のタンクは上下二つ扉が付いてるけど、これは外向きには一つのタンクやけど、中は上下に分かれて2つタンクが付いています。

日本語伝わってるかな…?

かなり安全にワイン生産ができることが考えられていて、2階部分の安心感が凄い!

熟成

新樽1度ワインを熟成した樽2度ワインを熟成した樽大樽キュヴェヴリ(アンフォラ)を使用しています。

木の香りがしっかりするようなワインではなく、ブドウ本来の味わいを重要視しているのが分かる。

2020年はキュヴェヴリが4つしかなかったのに2021年訪問時は13に増えてた!

今後も増えるかもしれないとのこと。

熟成期間はものによって変わるし、年によっても変わるけど、基本は12か月とのこと。

ワイナリー情報

Château Fleur de Lisse(シャトー・フルール・ド・リス)

住所;Lieu dit Gaillard, 33330 Saint-Hippolyte

電話;+33 5 33 03 09 30

参考記事

サンテミリオン、最新格付け

サンテミリオン格付けワイナリー、セカンドワインリスト

ワイナリーSNSまとめ、サンテミリオン編

本には載っていないサンテミリオンの格付けについて

サンテミリオンのAOCをひも解く。

ボルドー赤ワイン醸造

ワイン醸造:アルコール発酵について。

AOCボルドーで認められている品種(赤/白/ロゼ)

ボルドーワイン=ブレンドワイン

最近のボルドーワインについて

ファーストワインとセカンドワイン…って何?

環境配慮から見るボルドーワイン

材質別タンクのメリット・デメリット

一般的なボルドーロゼの造り方 – セニエ法

最後に

連絡したら丁寧な電話を貰って、見学させてもらいました。

今後新たな計画も沢山しているようで、楽しみなワイナリーの一つです。

今までサンテミリオンって見学できるワイナリーも多かったけど、素朴な印象が強かったの。

やけどここ最近は、観光業にしっかり力を入れたワイナリーも増えてきていて、サンテミリオン全体がより活気づきそうな予感!

まだまだ行きたいワイナリーも多いので、見学したらここで共有しますね。


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