シャトー・ペデスクローと同じLorenzetti(ロレンツェッティ)が所有するChateau Lilian Ladouys(シャトー・リリアン・ラドゥイス)にお邪魔しました。
素晴らしいワインを生産しているワイナリーが選ばれる、クリュ・ボルジョワ・エクセプショネルのワイナリーです。
ワイナリー名はシャトー・リリアン・ラドゥイではなく、シャトー・リリアン・ラドゥイ”ス”だそうです。
歴史
16世紀 | Chateau Lilian Ladouys(シャトー・リリアン・ラドゥイス)の歴史が始まります。 |
1564年 |
当時存在していたのは« La Doys »(ラ・ドゥイス)というドメーヌでした。 La Doys(ラ・ドゥイス)は「水源」という意味があります。 当時はLafite(ラフィット)の領主であった、Jacques de Becoyran(ジャック・ド・ベコイラン)のものでした。 |
18世紀 |
ワイナリーがBarre(バレ)一族のものになります。 彼らが今のワイナリーの名前の元となる、Château Ladouys(シャトー・ラドゥイス)と名を変えます。 |
150年もの間彼らはこのワイナリーのオーナーで居続けました。 その間、Barre(バレ)家は今現在も残る、ネオ・クラッシックのお城を建設します。 お城の建設から10年程後に、お城に塔が付けられます。 その棟には「A.B.」と「C.L.」というイニシャルが彫られていて、今現在も残っています。 A.B.はAuguste Barre(オーグスト・バレ)を、C. L.はChâteau Ladouys(シャトー・ラドゥイス)を表しています。 |
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20世紀 |
第一次世界大戦や経済危機の影響を受け、ブドウ畑が分割されます。 |
1980年代中旬 |
Christian Thiéblot(クリスチャン・ティエボ)とその妻Lilian(リリアン)がワイナリーを買収し、ワイナリー名が今現在のChateau Lilian Ladouys(シャトー・リリアン・ラドゥイス)となります。 |
2008年 |
Jacky Lorenzetti(ジャッキー・ロレンツェッティ)とFrançoise Lorenzetti(フランソワーズ・ロレンツェッティ)がオーナーになります。 彼らは、格付けワイナリーである、Château Pédesclaux(シャトー・ペデスクロー)のオーナーでもあります。 |
以降、ワイナリーの工事を行ったり、進化を続けています。 |
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2009年 |
Lorenzetti(ロレンツェッティ)家の最初のワイン生産ビンテージであるこの年にWine Spectator(ワイン・スペクテータ)が選ぶサンテステフの素晴らしいワイン4選に、格付けワイナリーであるCos d’Estournel(コス・デストゥーネル)やCalon-Ségur(カロン・セギュール)、Montrose(モンローズ)に並んで選ばれました。 |
2015年 |
Coupe des Crus Bourgeois(クープ・デ・クリュ・ボルジョワ)というクリュ・ボルジョワのワインコンクールで優勝しています。 |
2018年 |
Manon Lorenzetti(マノン・ロレンツェッティ)が跡を継ぎます。 |
ブドウ畑
畑は80ヘクタールを所有しています。
2020年から30パーセント、ビオとしての栽培を始めていますが、今はまだ実験段階。
今後増やすか、はたまた辞めるかは結果次第とのこと。
ブドウ品種
メドックにしてはメルローの割合が高いです。
- 50%メルロー
- 45%カベルネ・ソーヴィニョン
- 3%プティ・ヴェルド
- 2%カベルネ・フラン
の4品種を栽培しています。
メルローの割合が高いのは、比較的粘土が多い土壌を所有しているからだそうです。
収穫
収穫は手摘みで。
3週間くらいかけて行われます。
収穫後、房の状態と除梗した後、実だけの状態で選果が行われます。
そして実だけをタンクへ。
醸造施設
工事が終わり、2019年から新しい醸造施設でワインを造っています。
全てステンレスタンクですが、1階に設置された醸造用タンク、半地下に設置されたデレスタージュ用タンク、マロラクティック発酵/ブレンド用のタンクと色々所有しています。
(写真は醸造用タンク)
醸造
タンクに入れられたブドウは、発酵前の低温醸しを行います。
- 参考記事;最近のボルドーワインについて
その後、温度を上げてアルコール発酵を始めます。
このワイナリーでは基本的にポンプを使いたくないので、ルモンタージュは行いません。
その代わりに行われるのがデレスタージュ。
- 参考記事;ワイン醸造:アルコール発酵について。
でも、ここはシャトー・ペデスクローの様にエレベータータンクは所有していません。
- 参考記事;エレベータータンクについて。
そこで使われるのが半地下のタンク。
重力の力を使って、一旦ワインを半地下のタンクへ入れます。
その後ポンプを使って地上のタンクへワインを戻すことでデレスタージュを行います。
ちなみに、1日に3回行っているそうです。
マロラクティック発酵はマロラクティック発酵/ブレンド用のタンクで行います。
このタンクがおかれている場所は90年代にステンレスタンクを導入したので、ボルドーではかなり早くにステンレスタンクを導入したワイナリーです!
(ボルドーで一番最初にステンレスタンクを導入したのは、シャトー・オーブリオンだと言われています。)
そしてブレンドを行い、1月くらいから熟成の始まりです。
熟成施設
樽は8社から購入しています。
基本はフレンチオークですが、オーストリアのものも使用しています。
オーストリアのものの方がワインにフレッシュ感とオイリーさを与えてくれるそう。
そして、焼き加減も色々。
焼きの軽いものから強いものまで、樽会社ごとに、森ごとに決定しています。
新樽使用量は30~40%。
さらに2019年から大樽も使用しています。
熟成期間も12~14か月。
まとめ
ブドウ品種 |
50%メルロー 45%カベルネ・ソーヴィニョン 3%プティ・ヴェルド 2%カベルネ・フラン |
タンク |
ステンレスタンク |
マロラクティック発酵 |
ステンレスタンク |
熟成期間 |
12~14か月 |
新樽使用率 |
30~40% |
参考記事
最後に
格付けワイナリーではない、クリュ・ボルジョワ・エクセプショネルのワイナリーでした。
あまり有名ではない、または有名でも情報が少ないワイナリーの訪問を続けていこうとおもいます!
興味のあるワイナリー等あれば、お気軽に連絡ください☺
感想やこんな内容書いて欲しい!などあればお気軽に連絡ください。 sachiwines@gmail.com その他色々やってるので、良かったら見てください☆ Instagram・sachiko0418 レストランブログ Facebook・Bordeaux-Japon.net ボルドージャポンネット Homepage・SachiWines 旧ブログ・Bordeaux-Japon.net ボルドージャポンネット レストランブログ
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