アルコール発酵について先週話したので、今回はマロラクティック発酵を。
マロラクティック発酵について、詳しくお届けします!
マロラクティック発酵って何?
簡単に言うと、リンゴ酸を乳酸に変える発酵です。
必要かどうか分かりませんが、化学反応はこんな感じ。
COOH-CH2-CHOC-COOH → CH3CHOH-COOH + CO2
リンゴ酸?乳酸?
酸を別の酸に変えるだけなので、ワインの酸味を減らす作用ではもちろんありません。
フランスでよく表現されているのは、リンゴのフレッシュな酸を、ヨーグルトの様なまろやかな酸に変える、というもの。
基本的に赤ワインの製造工程で行われる過程です。
つまり、フレッシュなワインを造りたいときはマロラクティック発酵を行わない場合もあります!
発酵の期間は?
発酵は、バクテリアの活動によって決められます。
なので2週間程度で終わることもあれば2か月間続くこともあります。
発酵を行う場所は?
タンクで行うシャトーもあれば、樽の中で行うシャトーもあります。
どちらが良い、ということはなく、シャトー毎のキャラクターを出すためにそれぞれが決めています。
ちなみに樽でマロラクティック発酵を行うときはガラスの蓋を置いているシャトーが比較的多いです。
なんでガラスの蓋使うの?
化学式を見てもらったらわかるように、化学反応の副産物で二酸化炭素が発生しています。
COOH-CH2-CHOC-COOH → CH3CHOH-COOH + CO2
この二酸化炭素を逃がさなければ、樽の中で逃げ道を失った二酸化炭素のせいで樽が爆発してしまいます!
それを防ぐために、敢えて密封しないガラスの蓋を使う、という訳です。
発酵中の温度は?
バクテリアの反応を促すために、樽で行う場合はその樽を置いてある部屋全体の温度を、タンクで行う場合はタンクの温度を上げる必要があります。
大体ですが22度程度まで温度を上げることでバクテリアに働いてもらいます。
温度が下がるorリンゴ酸がなくなればバクテリアが死んで澱となって沈殿していきます。
まとめ
マロラクティック発酵は特に行わなくてもいいので、フレッシュなワインを求める生産者は行っていないこともあります。
どの造り方を選択するかは生産者の自由!
自分たちの求めるワインを生産者が造り、そして私達は自分の好きなワインの造り方がわかれば楽しいなぁと思う今日この頃です。
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