サンテステフの黄色い建物、シャトー・ラフォン・ロシェ

左岸

今回サンテステフのワイナリー、Château Lafon Rochetシャトー・ラフォン・ロシェについて!

このワイナリーは、Tesseronテスロン/テセロン一族の持ち物ですが、Château Pontet-Canetシャトー・ポンテ・カネCognac Tesseronコニャック・テスロンと経営は全く別です。

とはいえ、Château Pontet-Canetシャトー・ポンテ・カネCognac Tesseronコニャック・テスロンの兄弟が経営しているので一族ではあります。

と前回は書いていましたが、オーナーが変わったので追記しました!

今回も、私が見学して知ったことを記事にしていきますので、どうぞお付き合いください。

歴史

17世紀

Antoinette de Guillemotesアントワネット・ド・グィエモットDomaine Rochetドメーヌ・ロシェの当主でした。

彼女はEtienne de Lafonエティエンヌ・ド・ラフォンと結婚し、ワイナリー名をChâteau Lafon-Rochetシャトー・ラフォン=ロシェと変更しました。

1855年

格付けで4級に選ばれます。

1960年 Guy Tesseronギュイ・テスロン氏が当主に。
1999年 Guy Tesseronギュイ・テスロン氏の子供たちMichel Tesseronミシェル・テスロン氏とCaroline Paniatowskiカロリーヌ・パニアトウスキ氏がワイナリーを継ぎます。
2000年 詳しくは後に書いていますが、シャトーの色を変更します。
2007年 Michel Tesseronミシェル・テスロン氏の息子Basile Tesseronバジーユ・テスロンがワイナリーを相続します。
2014~2016年

こちらも後に詳しく書いていますが、醸造室を新しくします。

1つはステンレスタンクのみ、1つはコンクリートタンクのみの醸造室です。

2016年 工事が終わったこともあり、ワイナリーの一般公開を開始します。
2021年12月 Château d’Issanシャトー・ディッサンChâteau Pédesclauxシャトー・ペデスクローChâteau Lilian Ladouysシャトー・リリアン・ラドゥイスを所有するJacky Lorenzettiジャッキー・ローレンゼッティ氏がワイナリーを購入します。

建物について

黄色い建物が特徴的なシャトー・ラフォン・ロシェ。

元々はこんな色ではありませんでした。

何色だったんでしょうか。

実は、コンクリート打ちっぱなしのグレーの建物でした。

色の実験

1999年に建物を緑色黄色赤色の3色に塗りました。

自然とのコントラストなどを実際に見て、何色が一番合うのかという実験です。

(色を本当に塗るってすごい…!)

そして決まった色が黄色

色を変更

2000年にシャトーの色、ラベルの色共に黄色に変更されました。

それ以前のラベルはボルドーのクラシックなラベルで、印象がガラッと変わりました。

畑について

持っている畑は40ヘクタール

この40ヘクタールはひと塊になっているので、収穫のときはとても楽だそう。

こちらのYouTube動画がわかりやすいので、もしよければどうぞ。

Pierre Le Hongという方で、ワイナリーから依頼を受け色々な3D動画をつくっている方です。

 

ブドウ品種

ボルドーで認められている品種のうち、4品種を植えています。

  • 60%カベルネ・ソーヴィニョン
  • 30%メルロ
  • 5%カベルネ・フラン
  • 5%プティ・ヴェルド

カベルネ・ソーヴィニョンは丘の上、地表に石が広がっているところ、

メルロは丘の下、粘土土壌のところに基本植えられています。

平均樹齢が35年。

一番古いものが75年程度だそうです。

収穫から醸造まで

収穫は40名くらいの収穫者と共に2~3週間かけて手摘みで行われます。

選果はまず人力、その後除梗をし、2013年から光学の選果機を導入しました。

醸造室について

こちらも最近リフォームされました。

工事前と後で何が変わったのでしょうか。

工事の前と後

工事以前は100%ステンレスタンクでしたが、2015年以降は新しくコンクリートタンクが導入されました。

それ以降は50%ステンレスタンク、50%コンクリートタンクでワインを製造しています。

このコンクリートタンクは北イタリア製で、最後の仕上げはワイナリーで行われました。

(壁に接続されている、移動不可能なタンク)

コンクリートタンク

41基タンクがあるので、41区画分コンクリートタンクで醸造します。

厚さが15センチもあるので、外気の温度変化の影響を受けにくいというメリットがあります。

こちらで造ったワインはフルーティーさや若々しさを持つものになるそう。

ステンレスタンク

ステンレスタンクはコンクリートタンクより小さいです。

シャトー・ラフォン・ロシェで使っているものは、最大で100ヘクトリットル。

1区画1タンクでの醸造そしているので、コンクリートタンクで醸造できない小さい区画を主に醸造しています。

ステンレスタンクもコンクリートタンク同様、温度管理をしっかりしていますが、

ステンレスタンクの方が希望の温度へ持っていきやすいです。

簡単に醸造

醸造はクラシックなもの。

アルコール発酵とマロラクティック発酵はタンクの中で行われ、計1か月半ほどタンクの中にワイン(ブドウ)が入っています。

アルコール発酵中は1日に2~3回ルモンタージュを行います。

先ほどと同じPierre Le Hongさんの動画。

こちらで土壌から醸造までを映像で見ることができます(英語)

熟成セラー

ボルドーの多くのワイナリーと同様に、1年目の熟成室と2年目の熟成室を持ちます。

1年目の熟成室はミッシェル・テスロンの時代、1990年に建てられたもので

2年目の熟成室は300年前に造られたもので、ワイナリー内で一番古い建物です。

樽について

焼きは軽め。

100%フランス産のオーク樽を使用していて、11社の樽会社と契約しています。

2016年からはアンフォラを使い始めているのも特徴。

 

 

まとめ

ブドウ品種

60%カベルネ・ソーヴィニョン

30%メルロ

5%カベルネ・フラン

5%プティ・ヴェルド

タンク ステンレス、コンクリート
マロラクティック発酵 タンク内

ワイナリー情報

Château Lafon Rochet(シャトー・ラフォン・ロシェ)

住所;Blanquet Ouest, 33180 Saint-Estèphe

参考記事

大好きなワイナリー、シャトー・ポンテ・カネについて

大好きなテスロン一族のコニャック、Tesseron

1855年メドック格付けまとめ

ワイナリーSNSまとめ、メドック編

メドック格付けワイナリー、セカンドワインリスト

2009年ボルドー左岸格付け by Liv-ex

2018年野田祥子的メドック格付け

AOCメドックについて

メドック地方の土地柄を詳しく!

ワイン醸造:アルコール発酵について。

AOCボルドーで認められている品種(赤/白/ロゼ)

ボルドーワイン=ブレンドワイン

最近のボルドーワインについて

ファーストワインとセカンドワイン…って何?

材質別タンクのメリット・デメリット

最後に

シャトー・ラフォン・ロシェは最近徐々に進化しているワイナリーです。

2015年ビンテージ以降はコンクリートタンクも導入され、エレガントなワインが造られています。

今後が楽しみなワイナリーの一つ。


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コメント

  1. […] Château Lafon-Rochet […]

error: 申し訳ないですが右クリック禁止にしました。データが欲しい方は直接連絡ください。
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