家族経営のメゾンで、畑から瓶詰まで自社で行うコニャックメゾンのご紹介。
Cognac Bertrand(コニャック・ベルトラン)です。
目次
歴史
1731年 | Bertrand(ベルトラン)家の祖先がコミューンRéaux(レオー)のLaage(ラージュ)という場所にBel Air(ベル・エール)粉砕所を取得した年です。 |
Bertrand(ベルトラン)家は製粉業とブドウ栽培をPetite Champagne(プティット・シャンパーニュ)で行っていた家系です。 ただ具体的にいつブドウ畑を所有したかは明らかではありません。 シャラント県のワインの蒸留が始まったのは16~17世紀にかけてです。 |
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19世紀末 | いくつかのモノクロの肖像写真や収穫時の写真によって、祖先の名前と顔を一致することが出来ました。 |
20世紀 | Claude Bertrand(クロード・ベルトラン)氏が戦争で亡くなるなど、戦争で大きな代償を払いました。 |
1949年1月 |
Raymond Bertrand(レイモン・ベルトラン)がSimone Vallet(シモーヌ・ヴァレ)と結婚しました。 Vallet(ヴァレ)家はプティット・シャンパーニュのJarnac-Champagne(ジャルナック=シャンパーニュ)でブドウ栽培兼蒸留を行っていて、1932年にRéaux(レオー)のDomaine des Brissons(ドメーヌ・デ・ブリッソン)を買収しました。 |
1990年 |
この年にRaymond Bertrand(レイモン・ベルトラン)の死去。 この年までDomaine des Brissons(ドメーヌ・デ・ブリッソン)はRaymond Bertrand(レイモン・ベルトラン)がコニャックとピノー・デ・シャラントの製造を行い、Bertrand(ベルトラン)家の旗艦店でした。 |
1990~2000年代 | Simone Vallet(シモーヌ・ヴァレ)が息子のJean-François(ジャン=フランソワ)の協力を得て、メゾンの経営をしていました。 |
Jean-François(ジャン=フランソワ)はポソブランコ出身のAna(アナ)と結婚し、Anne(アンヌ)、Thérèse(テレーズ)、Samuel(サムエル)3人の子供がいます。 | |
2007年 | 経営学のコースを修了したの末っ子のSamuel(サムエル)がメゾン経営に参加しました。 |
2010年 |
Anne(アンヌ)はスペインで仕事をしていますが、経済学を学んだThérèse(テレーズ)も家族経営のメゾンに参加しました。 そして製品の販売やマーケティングを担当しています。 さらにメゾンの受け入れも始めました。 |
Thérèse(テレーズ)とアメリカ人の夫 Thomas Hall(トーマ・ホール)には2人の子供がいるので、将来彼らが継いで家族経営の歴史が続いていくのではないでしょうか。 |
生産コニャック
公式ホームページに載っているコニャックとピノー・デ・シャラントをご紹介します。
まずはコニャック。
- Cognac VS
- Cognac VSOP
- Cognac Napoléon
- Cognac Bertrand XO
- Cognac XO
- Cognac Heritage
それぞれ簡単に説明します。
リンクが付いているのは、メゾンの該当ページです。
- 参考;コニャックの原料は?品種は?
- 参考;コニャックの蒸留について
Cognac VS
5年熟成のコニャックで、花の香りやバニラの香りが特徴的。
カクテルにして食前酒として飲むことがおすすめです。
Cognac VSOP
10年熟成のコニャックです。
フルーツの香りと木の香りが特徴的で、余韻には花の香り。
氷を入れてロックで飲むのがおすすめです。
Cognac Napoléon
20年熟成と長い熟成を経ています。
フルーティーでスパイシー、主にヘーゼルナッツやカカオ、ナツメグの香りが特徴的です。
食後にストレートで飲むのがおすすめです。
Cognac Bertrand XO
Cognac Bertrand XO(コニャック・ベルトラン・XO)。
35年熟成のコニャックです。
この長い熟成年数からくる柔らかさをしっかり感じられます。
香りは力強く、白いフルーツのコンポートや熟れたフルーツを感じます。
バニラ香りもあり、複雑ででも親しみやすいコニャック。
Cognac XO
35~40年熟成のコニャックです。
スギの香りやドライフルーツ、バニラの香りやフルーツコンフィ、クルミやカカオなどの複雑さのしっかりあるコニャックです。
葉巻と一緒にストレートで食後酒に飲むのがおすすめ。
Cognac Heritage
Cognac Heritage(コニャック・エリタージュ)。
60年代に蒸留されたコニャックのブレンドです。
50年以上たった後、Raymond Bertrand(レイモン・ベルトラン)の孫たちが製品化することに決めました。
アルコール度数も自然に下がっており、何も加えていません。
500本の限定生産。
生産ピノー・デ・シャラント
ピノー・デ・シャラントも生産しています。
- Pineau blanc
- Vieux Pineau blanc
- Pineau rosé
- Vieux Pineau rosé
こちらも簡単に説明します。
Pineau blanc
コロンバールとウニ・ブランを使った白ピノー・デ・シャラントです。
熟成年数5年。
花の香りが高く、リンゴや洋ナシ、イチジクなどのフレッシュな果物の香りが主体です。
食前酒やデザート、フォアグラやチーズに合わせるのがおすすめです。
Vieux Pineau blanc
Vieux Pineau blanc(ヴュー・ピノー・ブラン)。
同じくコロンバールとウニ・ブランを使ったピノー・デ・シャラントですが、熟成年数15年とぐっと長くなります。
花の香りやフルーツの香り。
フルーツもフレッシュなものではなく、ドライフルーツに。
食前酒やデザート変わりにおすすめ。
Pineau rosé
カベルネとメルローを使ったロゼです。
熟成年数は5年。
カシスやサクランボなどの赤いフルーツが主体です。
食前酒や食後、カクテルを作るにもおすすめのお酒です。
Vieux Pineau rosé
Vieux Pineau rosé(ヴュー・ピノー・ロゼ)。
同じくカベルネとメルローを使った15年熟成のピノー・デ・シャラント。
赤いフルーツに木の香りをしっかり感じます。
食前酒や食後にもよく、チョコレートと良く合うお酒です。
ブドウ畑
90ヘクタールのブドウ畑をプティット・シャンパーニュに所有しています。
ベルトランはJonzac(ジョンザック)とArchiac(アルシアック)の間にある石灰が多く含まれる丘に畑を所有するメゾンです。
このエリアのブドウからできるコニャックは力強さとエレガントさを持ったものができます。
具体的に、Bertrand(ベルトラン)の所有する畑は大きく3つの区画に分けられます。
1つ目、Brissons(ブリッソン)の区画は40ヘクタール程度のメゾンの周りの畑です。
2つ目、Chez Bruneteau(シェ・ブルネトー)には10ヘクタール程度あります。
最後3つ目はLaage(ラージ)にある40ヘクタール程度の畑。
ここは元々粉砕所があったところです。
この粉砕所の水車が現在のメゾンのエンブレムになっています。
所有しているブドウ畑の3~5%は毎年植え替えられています。
蒸留
3基の蒸留器を所有しています。
豊かで香り高いコニャックを造るために、澱と共に蒸留をします。
以前コニャックの蒸留についてはかなり詳しく書いたので、そちらを見てもらえると嬉しいです。
- 参考;コニャックの蒸留について
熟成
若いオー・ド・ヴィは最初の6か月、リムーザン産の新樽で熟成させます。
その後古い樽で長年熟成させます。
さらに古いオー・ド・ヴィは湿度の高い熟成セラーで寝かせられています。
ワイナリー情報
住所; 12 Les Brissons, 17500 Réaux-Sur-Trèfle
電話;+33 5 46 48 09 03
参考記事
コニャックの秘密。どうしてミレジメ/ヴィンテージものが少ないのか。
最後に
最近有名どころのメゾンのご紹介ばかりでしたよね。
今回は生産量は多いものの、完全個人経営の家族メゾンのご紹介でした。
現オーナーになって、かなりマーケティングにも力が入り、徐々に有名になってきているメゾンの一つです。
感想やこんな内容書いて欲しい!などあればお気軽に連絡ください。 sachiwines@gmail.com その他色々やってるので、良かったら見てください Instagram Twitter レストランブログ Facebook|Bordeaux-Japon.net ボルドージャポンネット Homepage|SachiWines 旧ブログ|レストランブログ
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