黄色いラベルが目印、シャトー・ドーザック

マルゴー

今回もマルゴーに位置しているワイナリー、Château Dauzac(シャトー・ドーザック)です。

ボルドーからメドックにワイナリー巡りに向かうとき、最初に現れるワイナリーです!

シャトー・ドーザックが見えるとメドック来たなぁって思う。

歴史

1190年

Pétrus d’Auzac(ペトリュス・ドーザック)はマルゴーで最も古いワイナリーとして知られています。

この土地はイングランド王であり、ポワティエ伯爵、アキテーヌ公爵、メイン伯爵、アンジュ―伯爵であったリチャード1世から譲り受けたものです。

1545年

Sainte-Croix de Bordeaux(サン=クロワ・ド・ボルドー)修道院の修道士たちが証書に「Bourdieu(ブルデュー)」と記載しました。

この言葉は当時ブドウ栽培を行う場所を意味していました。

1685年 ボルドーのネゴシアンで、フランス財務長官であったPierre Drouillard(ピエール・ドゥルイヤール)がChâteau Dauzac(シャトー・ドーザック)をメドックで最も素晴らしいワイナリーの一つにしました。
1700年 Pierre Drouillard(ピエール・ドゥルイヤール)の孫息子であるJean-Baptiste Lynch(ジャン=バティスト・ランシュ)は皇帝ナポレオンの恩恵を受け、ルイ18世の下でフランスの貴族院議員になりました。
1855年 20年に渡り、Wiebroocks(ウィエブロック)氏がChâteau Dauzac(シャトー・ドーザック)のワインを貴族階級に定着させ、そのおかげで同年格付けで認められるようになりました。
1924年

Château Ducru-Beaucaillou(シャトー・デュクリュ=ボーカイユ)を所有するJohnston(ジョンストン)家が介入することで、最初の黄色いラベルが生まれました。

1939年

Glacières Bernat(グラシエール・ベルナ)のオーナーであるBernat(ベルナ)氏がChâteau Dauzac(シャトー・ドーザック)を買収しました。

タンクの温度管理をするために、発酵中に氷のブロックを入れることを思いつきました。

これは1940年代以降に使われる温度管理の第一歩です。

1989年 その後Miailhe(ミアイエ)家とChatellier(シャトリエ)家がオーナーになり、MAIF(Mutuelle Assurance des Instituteurs de France/フランス保険組合)がワイナリーのオーナーとなりました。
2004年 新しいグラヴィティ(重力)の醸造施設を建設しました。
2013年3月

Laurent Fortin(ローラン・フォルタン)氏がマネージングディレクターに就任しました。

彼はこの素晴らしいワイナリーをさらに良くするために、プリムールに戻ってきました。

2014年

Laurent Fortin(ローラン・フォルタン)氏とテクニカルディレクターのPhilippe Roux(フィリップ・ルー)はよりよいワインを造れると感じました。

樽会社Seguin Moreau(セガン・モロー)の力を借り、タンクの一部が透明な木製タンクを造りました。

2017年 D de Dauzac(デー・ド・ドーザック)というヴィーガンワインを造るなど、新しい取り組みを行っています。
2020年 Roulleau(ルロー)家がワイナリーを買収したことで、家族経営のワイナリーに戻りました。

生産ワイン

沢山のワインを生産しています。

  • Château Dauzac
  • Aurore de Dauzac
  • Labastide Dauzac
  • Haut-Médoc de Dauzac
  • D de Dauzac

それぞれ簡単に説明します。

Château Dauzac

Château Dauzac(シャトー・ドーザック)はファーストワイン

今回お届けするのは基本的にこのワインのことだと思って頂ければと思います。

一番複雑なワインがコレ。

長熟向きのワインです。

Aurore de Dauzac

Aurore de Dauzac(オーロラ・ド・ドーザック)は基本的に河川礫と砂土壌の区画から採れたブドウを使っています。

カベルネ・ソーヴィニョンの特徴がしっかり出ていて、カリカリとした若いフルーツの香りと強さを持つワイン。

Labastide Dauzac

Labastide Dauzac(ラバスティード・ドーザック)は粘土が多い河川礫質の土壌から採れたメルローとカベルネ・ソーヴィニョンが使われています。

バランスの取れたワインで、しなやかさとフルーティーさを併せ持ちます。

Haut-Médoc de Dauzac

Haut-Médoc de Dauzac(オー=メドック・ド・ドーザック)はその名の通りオーメドックにある畑を使用しています。

4ヘクタールの畑を所有していて、ここから採れるカベルネ・ソーヴィニョンで造られています。

フルーティーさとスパイシーさが特徴のワイン。

D de Dauzac

D de Dauzac(ディー・ド・ドーザック)はマルゴー以外のブドウ畑で採れたブドウを使用して造られています。

土壌は粘土砂利質。

カベルネ・ソーヴィニョンが55%、メルローが44%含まれます。

ステンレスタンクで醸造され、1年樽熟成を経たこのワインは、繊細さと共に味わい深さを持つワイン。

ブドウ畑

49ヘクタールの畑を所有しています。

45ヘクタールはAOCマルゴーに、4ヘクタールがAOCオー・メドックにあります。

特徴はすべての畑が分散しておらず、一つの大きなブロックになっていることかな。

ジロンド川から350メートルの場所に畑があり、大西洋の恩恵を受けています。

さらに、120ヘクタールの牧草地と森の真ん中という優れた場所に位置しています。

この120ヘクタールもある自然のおかげで、生物多様性が実現されています。

土壌

地中深くまで河川礫質が占める丘陵地です。

ただ、区画によって河川礫質の深さは変わっています。

さらにこの河川礫質の下層には砂利と粘土が広がります。

土壌の性質ごとに区画を決定していて、それぞれの区画に適した品種を植えています。

ブドウ品種

1ヘクタールに10000本を栽培しています。

栽培品種は

  • 69%カベルネ・ソーヴィニョン
  • 29%メルロ
  • 2%プティ・ヴェルド

地中3メートルまで土壌調査をし、それぞれの土壌にあった品種を栽培しています。

数年前からバイオディナミ栽培に移行しています。

収穫と選果

手摘みで収穫されます。

その後選果され、ブドウをタンクに入れることで醸造を始めます。

醸造施設

収穫されたブドウは区画ごとに温度管理されたタンクで醸造されます。

樽会社Seguin Moreau(セガン・モロー)に依頼して、2014年から樽の一部が透明になって内部を見ることが出来るタンクが作成されました。

アルコール発酵中はルモンタージュを行います。

熟成

12~18か月熟成をフレンチオークで行われます。

フルーティーさを残すために樽の焼きは軽めにしています。

新樽使用量は60%程度。

2016年から清澄作業時に卵白を使わず、植物性タンパク質を利用することでメドック格付けワイナリーの中で初めて100%ヴィーガンワインをつくっています。

まとめ

ブドウ品種

69%カベルネ・ソーヴィニョン

29%メルロ

2%プティ・ヴェルド

タンク 木製タンク
熟成期間 12~18か月
新樽使用率 60%

ワイナリー情報

Château Dauzac(シャトー・ドーザック)

住所;1 Av. Georges Johnston, 33460 Labarde

電話;+33 5 57 88 98 51

参考記事

サンジュリアンのワイナリー、シャトー・デュクリュ・ボーカイユ

1855年メドック格付けまとめ

ワイナリーSNSまとめ、メドック編

メドック格付けワイナリー、セカンドワインリスト

2009年ボルドー左岸格付け by Liv-ex

2018年野田祥子的メドック格付け

AOCメドックについて

メドック地方の土地柄を詳しく!

ボルドー赤ワイン醸造

ワイン醸造:アルコール発酵について。

AOCボルドーで認められている品種(赤/白/ロゼ)

ボルドーワイン=ブレンドワイン

最近のボルドーワインについて

ファーストワインとセカンドワイン…って何?

材質別タンクのメリット・デメリット

最後に

ワインももちろん美味しいですが、ワイナリーでのみ販売している蜂蜜が美味しい!

是非ボルドーいらっしゃる時はショップに行って蜂蜜買って欲しい。笑


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