AXA(アクサ)という保険会社はご存知の方が多いのではないでしょうか。
そのAXAのワイン事業を担っているAXA Millesimes(アクサミレジム)の所有ワイナリーで有名なのはChateau Pichon Baron(シャトー・ピション・バロン)ですが、ポムロールにもワイナリーを所有しています。
最近どんどん知名度を上げている、Château Petit-Village(シャトー・プティ・ヴィラージュ)
です。
ピションバロンは以前、特集記事を書いたので、もしよろしければポイヤックの2級シャトー、シャトー・ピション・バロンをご覧ください。
歴史
このワイナリーが始まったのが1750年代。
当時は、ワイナリーではなくリンゴや桃の果樹園でした。
1785年に初めて建物が建てられます。
そして1800年に初めてブドウ畑が植えられます。
当時のオーナーは Ginestet(ジネステ)一族。
彼らはボルドーの有名なネゴシアンです。
そして1989年にAXA Millesimes(アクサミレジム)がオーナーとなります。
AXA Millesimes所有ワイナリー
先ほども触れましたが、AXA Millesimes(アクサミレジム)は世界中にワイナリーを持っています。
内、ボルドーに4件。
ポルトガルやアメリカにも所有しています。
- ポムロールにChâteau Petit-Village
- ソーテルヌにChâteau Suduiraut
- ポイヤックにChâteau Pichon Baron
- 同じくポイヤックにChâteau Pibran
- ブルゴーニュにDomaine de l’Arlot
- ハンガリー(トカイ)にDisznókő
- ポルトガルにQuinta do Noval
- アメリカにOutpost Wines
これらすべてのワイナリーの事務所はシャトー・ピション・バロンのお城の中に。
シャトー・ラトゥールを見ながら仕事できる、最高の場所です。
ポムロールについて
少し話がそれますが、ポムロールという名前はリンゴから来ています。
リンゴはフランス語で「Pomme(ポム)」。
リンゴがたくさん植えられていたので、ポムロールと呼ばれたと言われています。
ポムロール全体で800ヘクタール。
1つのワイナリーは平均4~5ヘクタールの所有です。
ボルドーの外のアペラシオンに比べてもかなり小さなアペラシオン。
ブドウ畑
土地は10.5ヘクタール。
内、畑は8ヘクタールです。
ポムロールではかなり、かなり大きい!
標高は35メートルから38メートル。
ペトリュスやルパンから近い場所に畑を持ちます。
1989年にアクサミレジムが来てから、土壌の再調査をし、区画を新たに決め直しました。
ブドウ品種
ボルドーで植えられる品種の内、3品種を植えています。
- 75%メルロ
- 18%カベルネ・フラン
- 7%カベルネ・ソーヴィニョン
セカンドワインは100%メルロで造られています。
土壌
ポムロールらしい土壌を持つワイナリー。
「ポムロールらしい」とは「青い粘土」のこと。
有名なペトリュスはこの青い粘土を100%所有しているワイナリーとしても有名です。
青いと言っても、目で見てわかる青さでなくて青白い。
栽培方法
HVEの認証を得ています。
HVEはHaute Valeur Environnementale(オー・ヴァルール・オンヴィロンメンタル)の頭文字をとったもの。
オーガニックでないが、環境に配慮していますよ、という証明です。
直訳すると高い環境価値、かな。
これについては、しっかり調べて別記事にしたい。
減薬農法で栽培をしていますが、化学薬品や除草剤、殺虫剤は使っていません。
収穫
収穫は手摘み。
30名くらいで行っています。
選果も手と光学選果機で行い、傷ついたブドウを全て除きます。
その後、除梗をしブドウの実のみで醸造します。
醸造施設
89年にアクサミレジムが来てから、醸造室も新しくしました。
かなり前はコンクリートタンクで醸造していたものを90年にステンレスタンクに変え、さらに2007年からコンクリートタンクに戻しました。
区画ごとの醸造を実現するために、小さなタンクを設置しました。
アルコール発酵
ブドウの実を潰すことなく、タンクに入れます。
重力を使って入れるので、タンクにブドウが入るときに自重と落ちた勢いでブドウが潰れます。
アルコール発酵中行うのはルモンタージュとピジャージュ。
- 攪拌作業については、ワイン醸造:アルコール発酵について。をご覧ください
ルモンタージュはアルコール発酵初期に比較的行いますが、
全体ではルモンタージュが半分ほど、ピジャージュが半分ほどです。
熟成
8社の樽を使用しています。
まだ実験段階ですが、ドイツやオーストリアの樽も使用。
焼き加減はミディアムとミディアムプラスのものを。
マロラクティック発酵
マロラクティック発酵は部屋の温度を22度~23度にあげ、樽で行います。
樽にもよりますが、1か月から1か月半程度でしょうか。
熟成期間
新樽の使用量を年々減らしています。
今現在は
- ファーストワイン;15~18か月熟成、新樽50%(以前は60%)
- セカンドワイン;12か月熟成、新樽使用ゼロ(以前は40%)
アンフォラ
ここ最近、アンフォラを使用して熟成しています。
アンフォラでの熟成をするのは1948年から1950年の間に植えられて古いメルロ。
熟成中の作業
ウイヤージュや澱引きはもちろん行います。
そして、熟成の最後には白身を使った清澄作業も。
参考記事
最後に
今回はワイナリーの説明プラス、ポムロールの説明もしましたがどうだったでしょうか。
ここはどなたでも見学できるワイナリーです。
試飲ルームから見る景色も絶景!
感想やこんな内容書いて欲しい!などあればお気軽に連絡ください。 sachiwines@gmail.com その他色々やってるので、良かったら見てください☆ Instagram・sachiko0418 レストランブログ Facebook・Bordeaux-Japon.net ボルドージャポンネット Homepage・SachiWines 旧ブログ・Bordeaux-Japon.net ボルドージャポンネット レストランブログ
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