特徴しかないワイナリー、シャトー・シュヴァル・ブラン

サンテミリオン

サンテミリオンの格付けの一番上であるGrand Cru Classé Aグラン・クリュ・クラッセ・Aに選ばれているChâteau Cheval Blancシャトー・シュヴァル・ブランの特集記事です。

至るところに特徴があるので、書いてて面白かったです!

【L】[2009] シャトー・シュヴァル・ブラン [Chateau Cheval Blanc] ( フランス ボルドー サンテミリオン ) ワイン 赤ワイン

歴史

かなり丁寧に説明されていました。

ワイナリーの歴史を知るの、楽しい。

ラベルに描かれているラベルの秘密もわかります!

ローマ時代 具体的に最初いつブドウ畑があったかはわからないが、ローマ時代には既にサンテミリオンにブドウ畑があったと言えます。
12世紀 イギリス領時代にリブルヌの港が開発され、ワインがヨーロッパに広めることが可能に。
15世紀 Cheval Blancシュヴァル・ブランにブドウ畑があったことを証明する文献が残っている
1546年 地主がブドウ畑を譲渡する文献が残る。
1587年 農夫が収穫された果実を守るためにそこに寝泊まりする、という契約が残る。
フランス革命初期 2人のブドウ栽培者がCheval Blancシュヴァル・ブランに常駐しており、これはテロワールの品質を証明する例外的な事実である。
1832年 リブルヌの裁判所の裁判長であるJean-Jacques Ducasseジャン・ジャック・デュカスによってワイナリーの中心部が買収される。
~1852年

Château Figeacシャトー・フィジャックの区画を次々と購入することで、ブドウ畑が39ヘクタールとなり、今現在に続くまでこの畑を持ち続ける。

1852年 初めてCheval Blancシュヴァル・ブランとしてワインが販売される。
 

オーナーの娘であるHenriette Ducasseアンリエット・デュカスとリブルヌのワイン商であるJean Laussac-Fourcaudジャン・ルサック・フォルコーの結婚により、Cheval Blancシュヴァル・ブランの独自性が現れる。

Cheval Blancシュヴァル・ブランHenriette Ducasseアンリエット・デュカスの所有になった時、夫はワイナリーの近代化を行った。

1862年

ロンドンの万国博覧会で初めてメダルを獲得した。

そしてこの時に得た銅メダルは今もラベルに描かれている。

1860年代半ば

Jean Laussac-Fourcaudジャン・ルサック・フォルコーはブドウ畑の一部を植え替える。

その時、他にない品種の割合にするために、半分を右岸の王様品種であるメルロに、残りの半分をカベルネ・フランとした。

1871年 独自の路線を行くブドウの植え替えはこの年に完成予定であった。
1878年

パリの万博博覧会で初めて金メダルを獲得した。

以来、この金メダルもラベルを飾っている。

1886年 アントワープ万博博覧会で2度目の金メダルを獲得。
  Cheval Blancシュヴァル・ブランのシャトーが建設される。
19世紀後半

Cheval Blancシュヴァル・ブランはメドックの格付け1級ワイナリーであるMargauxマルゴーLatourラトゥールLafiteラフィットHaut-Brionオーブリオンと並んでパリやロンドンのオークションで販売されるようになる。

この名声により、Cheval Blancシュヴァル・ブランのワインは大統領の夕食や重要な接待の場でサービスされるように。

1888年

Jean Laussac-Fourcaudジャン・ルサック・フォルコーの死後、未亡人となった彼の妻が遺産を相続する。

彼女は息子のAlbert Fourcaud-Laussacアルベート・フォルコー・ルサックに遺贈する。

彼は12基の木製タンクを導入し、これらのタンクは1966年まで使用された。

 

Albert Fourcaud-Laussacアルベート・フォルコー・ルサックの息子であるJacquesジャックJosephジョゼフは祖父と父のスタイルを継続する。

44年間、Gaston Vaissièreガストン・ヴァシエールがセラーマスターとしてCheval Blancシュヴァル・ブランのワインを見守り続けた。

1954年

サンテミリオンの最初の格付けが行われ、Cheval Blancシュヴァル・ブランは最高級であるPremier Grand Cru Classé « A »プルミエ・グラン・クリュ・クラッセAを得る。

1998年 長年の友人であり、グラン・ヴァンを愛するBernard Arnaultベルナール・アルノーAlbert Frèreアルベルト・フレールがワイナリーのオーナーとなります。
2011年6月

新しい醸造施設が完成。

この施設は1994年に建築賞を受賞したChristian de Portzamparcクリスティアン・ド・ポルザンパルクによって設計されました。

ブドウ畑

畑を39ヘクタール所有しています。

サンテミリオンの平均が7~8ヘクタールなので、かなり大きなワイナリー。

内、生産しているのが32ヘクタール程で、毎年5ヘクタールは休ませています。

昔は1ヘクタールで48ヘクトリットル生産していましたが、今は25~30ヘクトリットルと減らし、その分品質を上げています。

土壌

皆さんご存知の通り、サンテミリオンに位置しているワイナリーですが、土壌はポムロール寄りです。

石灰土壌が広がり、その石灰土壌の上にあるワイナリーが格付けに選ばれているサンテミリオン。

ですが、このシュヴァル・ブランは一味違います。

つまり、砂と粘土が多い

ペトリュスに代表される青色粘土を所有している数少ないワイナリーの一つです。

そしてもちろん小石もたくさん。

ブドウ品種

サンテミリオンにしては珍しい品種で植えているのがこのシャトー・シュヴァル・ブラン。

というのも、200年前に60%カベルネ・フラン、40%メルロを植えていて、カベルネ・フランは歴史的に見てもシュヴァル・ブランで忘れてはいけない品種だからです。

  • 60%カベルネ・フラン
  • 35%メルロ
  • 5%カベルネ・ソーヴィニョン

を栽培しています。

(かなりカベルネ・フランが多い)

そしてなんと、1920年に植えたブドウがまだ多く残っているのも特徴!

収穫から醸造

収穫はもちろん手摘みで。

その後の選果は大体10人くらいで行います。

最初は全房での選果、その後除梗をし、実だけで選果を行います。

醸造施設

2011年に新しくなりました。

この醸造施設は見たことある方も多いのではないでしょうか。

以前はステンレスとコンクリートタンクを所有していましたが、現在はコンクリートタンクのみです!

このコンクリートタンク、年々数が増えています。

行くたびに衝撃受ける。

1区画1タンクの使用と言いながら45区画に対して64ものタンクを所有しています。

大きさも小さいものから大きなものまで17種類。

以前、ボルドーでのコンクリートタンク。でもお伝えしましたが、新式コンクリートタンクの良さを最大限に利用しています。

発酵

アルコール発酵はもちろんこのタンクで行います。

そしてマロラクティック発酵もタンク内で。

熟成

醸造室の下、地下に熟成セラーを持っています。

樽は6社から購入しており、すべてフランスオーク

焼き加減は毎年ミディアムです。

そして毎年、樽会社の人とその会社の樽で熟成されたワインを試飲し、

さらにシュヴァル・ブランのワインに合うような焼きにしてもらっています。

熟成期間と新樽使用量

Château Cheval Blanc(シャトー・シュヴァル・ブラン)は新樽100%

熟成期間は16~18か月と平均的。

Petit Cheval(プティ・シュヴァル)は新樽50%

熟成期間は12か月です。

生産ワイン

赤ワインは大体12万本くらい生産しています。

内、80%がChâteau Cheval Blanc(シャトー・シュヴァル・ブラン)、20%がPetit Cheval(プティ・シュヴァル)です。

白ワイン

2014年から白ワインも生産しています。

こちらの生産量は4000本程度。

ネゴシアンも4社としか契約していないので、いろんな意味で手に入りにくいです。

畑は6ヘクタール

今のところ100%ソーヴィニョン・ブランですが、2018年からセミヨンを植えているので、そのうちワインに反映されるかもしれません。

まとめ

ブドウ品種

60%カベルネ・フラン

35%メルロ

5%カベルネ・ソーヴィニョン

タンク

コンクリートタンク

マロラクティック発酵

コンクリートタンク

熟成期間

16~18か月

新樽使用率

100%

ワイナリー情報

Château Cheval Blanc(シャトー・シュヴァル・ブラン)

住所;1 Cheval Blanc, 33330 Saint-Émilion

電話;+33 5 57 55 55 55

 

参考記事

サンテミリオン、最新格付け

ワイナリーSNSまとめ、サンテミリオン編

本には載っていないサンテミリオンの格付けについて

サンテミリオンのAOCをひも解く。

ワイン醸造:アルコール発酵について。

ボルドーワイン=ブレンドワイン

最近のボルドーワインについて

エレベータータンクについて。

ボルドーでのステンレスタンク

ボルドーでのコンクリートタンク。

見学

見学はワイン関係者のみです。

さらに、プロでも個人でワイナリーに連絡をしても見学不可能です。

私は何度か訪問していますが、それでも年に1回くらいでしょうか。

1日で訪問できる組数も決まっているので、訪問するのが難しいワイナリーの一つです。

最後に

今回、久しぶりにながーーーい記事となりました。

ボリューミーでしたがいかがでしたでしょうか。

各行程にこだわりに持っているワイナリーです。

またいつか見学したいなぁ…。


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sachiwines@gmail.com

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コメント

  1. […] Château Cheval Blanc […]

error: 申し訳ないですが右クリック禁止にしました。データが欲しい方は直接連絡ください。
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