【ワインニュース】2019年フランスのワイン消費量

ワイン

久しぶりにワインニュースをお届けしようと思います!

何気なくつぶやいたスーパーのロゼワインコーナー。

https://twitter.com/sachiwines/status/1320817645554409475

ここ数年、フランスではロゼワインの方が白ワインより消費量が多いと言われています。

2019年はどうやったんかなぁ?と今更調べてみました。

今回お届けするのはすべて2019年の数字です。

文章も長いですし、表も沢山挿入しているので、目次から気になるところに飛んでもらえればと思います。(目次も長いですね…)

 

 

スーパーマーケットでの調査

ハイパーマーケット(hypermarché)とスーパーマーケット(supermarché)での調査です。

スーパーとハイパーの違いは店舗の大きさで、ハイパーは大きなスーパーマーケットのこと。

具体的には2500平方メートル以上のスーパーがハイパーマーケットです。

これ、ワインショップとかも調査してほしいよね。笑

数が膨大すぎて中々難しいんやろうけど。

私のTwitterを見てくださっている方はわかると思いますが、スーパーのラインナップも侮られへん!

1ℓ当たりの金額

後にもう少し細かい区切りで表示しますが、1リットル当たり(ワインボトル1本強)の金額です。

やっぱりシャンパーニュはすごいなぁ

大型スーパーでの販売

520万ヘクトリットルのスティルワインが大型スーパーで販売されました。

2018年から4.3%減少しています。

金額は25億€で、こちらも2018年から3.5%減少しています。

が!1リットル当たりの金額は4.79€と0.7%増加しています。

…1リットル5€切ってるって安すぎひん?料理用に買ってる激安ワインとかもきっと入っているんやろうなぁと想像する。

スーパーでの販売

340万ヘクトリットルのスティルワインがスーパーで販売されました。

2018年からは6.7%減少

金額ベースだと16億€で、2018年から4.5%減少

ただ、1リットルあたりは4.67€と2.3%増加しています。

スーパーより大型スーパーの方が一つずつの物は安いはずやのに、リットル当たりの金額がスーパーの方が安い不思議。

 

スティルワインとスパークリングワイン

まずは、スティルワイン(赤/白/ロゼ)とスパークリングワイン(泡)の比較

中の円が量、外の円が金額でのパーセンテージ比較です。

赤ワインの消費が多いのはもちろんですが、相変わらず白ワインよりロゼワインの方が金額/量共に多いです

そして…これはシャンパーニュのおかげでしょうか。

スパークリングワインの量は12%なのに、金額は24%!

単価が高いのがよくわかります。

1リットル当たりの金額

同じくスティルワイン(赤/白/ロゼ)とスパークリングワイン(泡)の比較です。

赤ワインが5.05€、白ワインが5.43€、ロゼワインが3.90€、スパークリングワインが10.29€です。

スパークリングワインが赤/白ワインの倍以上、そしてロゼワインが一番単価が安いですね。

ロゼワインは単価の高いワインの割合が低いからかなぁ

 

スティルワイン

先ほどのグラフから、泡を抜いたグラフです。

金額/量のいずれも赤ワインが半分程度、ロゼワインの方が白ワインより多い結果になりました。

ロゼの方が消費量が多いのはここ数年のフランスのトレンドですよね。

2009年から2019年のスーパーマーケット(大型/小型問わず)での販売量が、なんと…!

  • 赤ワイン、マイナス28%
  • 白ワイン、プラス5%
  • ロゼワイン、プラス20%

と、ロゼワインの勢いが凄い!

 

スティル;赤ワイン

スーパーマーケット(大型/小型問わず)で400万ヘクトリットル20億ユーロの赤ワインが販売されました。

これは赤ワインのAOP/IGP/VSIGの量と金額グラフ。

後にもう少し詳しく書いてますが、AOPは原産地名称保護ワイン、IGPは地理的表示保護ワイン、VSIGは地理的表示のないワインです。

AOPの販売量が半分程度ですが、金額が76%という結果になりました。

AOPワイン1本の単価が高いってことですね。

1ℓ当たりの金額

赤ワイン全体での1リットル当たりの平均金額が5.05€、AOPワインが増えて7.06€、IGPがその3分の1くらい2.97€、VSIGがさらに減って2.09€です。

2018年から比較

これはゼロから下に伸びているグラフが前年より減って、上に伸びているものが前年より増えています。

まずは量の比較から。

全て減少傾向にありますね。

赤ワイン全体が7.5%、AOPが8.5%、IGPが4.68%、VSIGが8.02%減少しています。

一番減っているのがAOPワインなのにびっくり。

そして次は金額の比較。

こちらも全て減少傾向

赤ワイン全体が6.2%、AOPが6.5%、IGPが3.59%、VSIGが7.27%減少しました。

量も金額も似たようなグラフ!

次は1リットル当たりの金額比較です。

単価だけはすべて上昇しました!

赤ワイン全体が1.4%、AOPが2.1%、IGPが1.94%、VSIGが0.68%上昇しました。

上昇したと言っても、上昇率少ないなぁ。

 

スティル;白ワイン

スーパーマーケット(大型/小型問わず)で170万ヘクトリットル9億200万ユーロの白ワインが販売されました。

赤ワイン同様、AOP/IGP/VSIGの量と金額のグラフです。

赤ワインのグラフと似てる!

でも、AOPワインの量が半分切ってるのが赤ワインとの違いでしょうか。

1ℓ当たりの金額

白ワイン全体の金額が5.43€、AOPが7.85€、IGPが4.03€、VSIGが2.32€という結果になりました。

これもグラフの形が赤ワインと似ています。

やっぱりAOPワインの単価は高いんやなぁとわかるグラフですね。

何と赤ワインより1リットル当たりの金額が高い

2018年から比較

同様に、ゼロから下に伸びているのが前年比減、上に伸びているのが前年比増です。

量、金額、1ℓ当たりの金額という順にご紹介します。

白ワイン全体が0.6%、AOPが1.1%、VSIGが0.64%減少しましたがIGPだけは1.09%増加しました。

金額に関してはすべて増加!

白ワイン全体が1.1%、AOPが0.9%、IGPが2.83%、VSIGが1.48%増加です。

スティルワインの赤、白、ロゼの中で増加しているのは白ワインだけ!

白ワイン全体が1.7%、AOPが2.1%、IGPが1.92%、VSIGが2.13%増加です。

どれも増加率が2%前後と似てますね。

 

スティル;ロゼワイン

スーパーマーケット(大型/小型問わず)で290万ヘクトリットル11億ユーロのロゼワインが販売されました。

同様にAOP/IGP/VSIGの量と金額グラフです。

赤ワイン、白ワインとは少しグラフの形が違います。

と言うのも、IGPワインが占める割合が多い!

ただ、AOPワインは量に比べて金額の割合が多いので、同様にAOPワイン1本の単価が高いのがわかります。

1ℓ当たりの金額

1リットル当たりの金額はVSIGワイン以外他のワインより1~2€安いです。

ロゼワイン全体での平均金額が3.9€、AOPワインが増えて5.71€、IGPが3.37€、VSIGが2.04€です。

2018年から比較

赤ワイン、白ワイン同様にゼロから下に伸びているグラフが前年より減って、上に伸びているものが前年より増えています。

ロゼワイン全体は4.5%減、AOPワインがまさかの12.2%減と今までで一番の減少です。

そしてIGPワインが0.88%、VSIGが0.03%増ですが、ほとんど横ばいです。

勢いのいいロゼワインも消費量は減少してることにびっくり。

金額比較です。

こちらも同様に、ロゼワインとAOPワインは減少、IGP、VSIGは増加傾向にあります。

ロゼワイン全体は3.6%減少、AOPワインは9.1%減少、IGPワインが3.88%増加、VSIGワインが0.38%増加しています。

単価は同様に全て上昇しています。

ロゼワイン全体が1%、AOPが3.5%、IGPが2.65%、VSIGが1.31%増加しました。

AOPロゼワインの増加率が一番高いという結果に!

 

スティル;カテゴリー毎のワイン販売

こちらも金額と量における比較をします。

これは、スティルワインの赤、白、ロゼ全て合わせた結果です。

今までと同様にAOP、IGP、VSIGに加え、海外のワインとBIBはBag in Box、要は箱ワインについです。

AOPワインは1リットル当たりの金額が他のカテゴリーのワインと比べて高いんやなぁ

1ℓ当たりの金額

1ℓ当たりの金額はAOPワインが6.95€、IGPが半分の3.34€、VSIGがさらに減って2.16€、海外のワインが5.22ワイン、箱ワインが2.84€です。

箱ワインの方がVSIGワインより単価高いのが意外!

2018年からの比較

こちらも同様に、ゼロから下に伸びているのが前年比減、上に伸びえているのが前年比増です。

量はすべて減少ですが、その中でも海外ワインの減少率が凄いです。

今までで一番量の減少率が高いのが海外ワインという結果でした。

AOPワインが8%、IGPワインが1.1%、VSIGが3.86%、海外ワインが25.8%、箱ワインが3.3%減少しました。

次は金額の増減率です。

IGP以外は減少ですが、IGPワインも1.1%増加とほぼ横ばいです。

その外、AOPワインが5.8%、VSIGが2.92%、海外が17.2%、箱ワインが3.3%減少です。

これも海外ワインの減少率が一番が高い結果となりました。

しかし、単価は箱ワインが0%とまったくの横ばいの他は増加しました。

AOPワインが2.8%、IGPが2.3%、VSIGが0.77%、海外ワインが11.6%の増加です。

良くも悪くも、海外ワインが一番目立つ結果に

 

スティル;AOPワイン

AOPはAppellation d’Origine Contrôléeの頭文字をとっています。

日本語では原産地名称保護ワイン

スーパーマーケット(大型/小型問わず)で390万ヘクトリットル27億ユーロのAOPワインが販売されました。

AOPワインだと、金額比較/量比較共にそんなにパーセンテージは変わらんねんなぁ

販売量と販売金額

赤白ロゼワインがスーパーマーケット(大型/小型問わず)で販売された量と金額です。

  • 赤ワイン;220万ヘクトリットル15億ユーロが販売
  • 白ワイン;79万4000ヘクトリットル6億2300万ユーロが販売
  • ロゼワイン;90万5000ヘクトリットル5億3400万ユーロが販売

されました。

1ℓ当たりの金額

これは赤、白、ロゼのAOPワインについてです。

赤ワインが7.06€、白ワインが7.85€、ロゼワインが5.91€と赤ワインより白ワインの方が高いという結果に。

個人的にはちょっと意外な結果でした。

2018年から比較

スティルワインの項目で数字を挙げているので、グラフを並べるだけにしますね。

ゼロから下に伸びているのが2018年より減ったもの、上に伸びているのが増えたものです。

 

スティル:IGPワイン

IGPはIndication Géographique Protégéeの頭文字です。

地理的表示保護ワインと言われていて、地酒的なイメージです。

スーパーマーケット(大型/小型問わず)で280万ヘクトリットル9億3300万ユーロのIGPワインが販売されました。

ロゼワインの占める割合が凄い!

販売量と販売金額

IGPワインに関してもスーパーマーケット(大型/小型問わず)で販売された量

  • 赤ワイン;100万ヘクトリットル3億500万ユーロが販売
  • 白ワイン;46万9000ヘクトリットル1億7900万ユーロが販売
  • ロゼワイン;132万3000ヘクトリットル4億4800万ユーロが販売

赤ワインはPays d’Ocがこのカテゴリー内で90%を占め、白ワインはPays d’OcとまさかのCharrentaisの増加が目立ったようです。

1ℓ当たりの金額

IGPワインは赤ワインが2.97€、白ワインが4.03€、ロゼワインが3.37€という結果になりました。

まさかの赤ワインの単価が一番安いという結果です。

2018年から比較

これもスティルワイン項目で数字挙げてるので、グラフを並べるだけにします。

 

スティル;VSIGワイン

VSIGはVin Sans Indication Géographiqueの頭文字

日本語では地理的表示のないワイン、つまりテーブルワインです。

スーパーマーケット(大型/小型問わず)で180万ヘクトリットル3億900万ユーロのVSIGワインが販売されました。

VSIGも金額と量の割合がそんなに変わらないですね。

販売量と販売金額

スーパーマーケット(大型/小型問わず)で販売されたVSIGワインの量と金額です。

  • 赤ワイン;81万ヘクトリットル1億7000万ユーロが販売
  • 白ワイン;38万ヘクトリットル8000万ユーロが販売
  • ロゼワイン;61万ヘクトリットル1億2000万ユーロが販売

1ℓ当たりの金額

赤ワインが2.09€、白ワインが2.32€、ロゼワインが2.04€です。

このグラフ、白ワインの価格が凄い高いように見えるけど、グラフマジックですね。

赤白ロゼ共に2€強という結果でした。

2018年から比較

AOP、IGP同様にグラフを並べるだけにとどめておきます。

 

スパークリングワイン

長くなってまいりました。

ここまで読んでくれている方はどのくらいいるんだろうか…。

心配ですが、やっとスパークリングワインについてです。

スパークリングワインは、シャンパーニュ、シャンパーニュ以外のAOPワイン、Cuve Closeつまり密閉タンク方式、海外、その他のスパークリングに分かれています。

やっぱりシャンパーニュの金額が凄いですね!

さらに、スパークリングのAOPワイン内の割合はこんな感じです。

アルザスとブルゴーニュの泡だけで半分…!

1ℓ当たりの金額

スパークリングワイン全体での平均が10.29€、シャンパーニュがその倍以上の26.49€、AOPが8.15€、密閉タンクが3.76€、海外が少し上がって7.23€、その他スパークリングワインが4.20€という結果でした。

やっぱりシャンパーニュの単価が高いですね。

確かに30€のクレマンってすごい高い!って思うけど、30€のシャンパーニュだと普通。
やっぱりシャンパーニュって凄いね。

そして上のグラフがAOPシャンパーニュの1ℓ当たりの金額です。

どれもほとんど同じで7€~10€くらいです。

AOP 8.15€/ℓ
crémant d’Alsace 8.45€/ℓ
crémant de bourgogne 8.85€/ℓ
clairette de die 7.84€/ℓ
saumur 7.09€/ℓ
crémant de loire 7.67€/ℓ
vouvray 8.28€/ℓ
crémant de bordeaux 7.44€/ℓ
touraine 7.04€/ℓ
blanquette de limoux 7.60€/ℓ
crémant de limoux 7.37€/ℓ
crémant du jura 9.25€/ℓ
montlouis 8.65€/ℓ
bugey cerdon 10.63€/ℓ

2018年からの比較

次のグラフは2018年からの比較です。

ゼロより上に伸びているものが2018年から消費量が増えたもので、下に伸びているものは消費量が減ったものです。

スパークリングワイン

AOPと海外のスパークリングワイン以外減少しました。

スパークリングワイン全体では5.9%、シャンパーニュが15.9%、密閉タンクが5.6%、その他スパークリングが16.4%減です。

消費量が増えたAOPワインも0.5%増にとどまり、海外スパークリングが4.6%増えました。

金額も量と似たようなグラフですが、減少割合がこちらの方が大きいです。

スパークリングワイン全体では13.5%、シャンパーニュが21.4%、密閉タンクが3.7%、その他スパークリングが2.8%減です。

消費量が増えたAOPワインも0.7%増にとどまり、海外スパークリングが6.9%増えました。

シャンパーニュが減少してしまったので、スパークリング全体も減少していますが、それ以外はすべて増加しました。

スパークリング全体が8.1%、シャンパーニュが6.6%減少。

AOPが0.2%増とほぼ横ばい、密閉タンクが2.1%、海外ワインが2.3%、その他が2.3%増えました。

スパークリングAOP

項目が多いので、全てまとめて表にしました。

グラフ3つの後に表があるので、詳しい数字が気になる方はご覧ください。

項目 金額 1ℓ当たりの金額
AOP 0.5% 0.7% 0.2%
crémant d’Alsace 2.3% 3.1% 0.8%
crémant de bourgogne 3.2% 3.1% 0%
clairette de die -2.1% -1.9% 0.2%
saumur -0.3% -1.3% -1%
crémant de loire 4.2% 3.2% -1%
vouvray 3.4% 4% 0.6%
crémant de bordeaux 18.8% 19.6% 0.7%
touraine -37.8% -45.6% -12.6%
blanquette de limoux -18.9% -16.7% 2.8%
crémant de limoux -7.9% -7.4% 0.5%
crémant du jura -5.7% -4.2% 1.6%
montlouis 11.6% 12.3% 0.6%
bugey cerdon 1.9% 1.9% -0.1%
これを見ると、販売量/金額ともにAOPスパークリングの3%と少ないながらに、ボルドーの快進撃が凄い!

 

最後に

長々とお付き合いありがとうございました。

2020年年末に書く記事ではない気もするけど…笑

2020年の情報が来たら、来年はもっと早くにお届けできたらなぁと思います。

今回、グラフとか大量に作ったので大変やったけど、2年目は数字入力するだけでグラフ作れるはずなので、もっと早くお届けできるかなぁと思います。

最近はワイナリー記事ばっかりやけど、レポート記事とか、調査資料をまとめたりとか、色々書いていきたいと思ってます。


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その他色々やってるので、良かったら見てください☆ 
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コメント

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