美しいワイナリー、シャトー・モンローズ

左岸

サンテステフのワイナリーって、ボルドーから車で1時間半くらいかかる。

だから、あんまり色々見学に行けてないのだけれど…何度も訪問しているワイナリーの一つ、Château Monrose(シャトー・モンローズ)です!

(今度一日中サンテステフのワイナリー見学をしたいと企んでいる。)

歴史

ワイナリーの歴史は18世紀に始まります。

最初はブドウ畑がなかったのですが、Etienne Théodore Dumoulin(エティエンヌ・テオドール・デュムーラン)氏が土地を購入します。

この土地で素晴らしいワインができると考えた彼は、1815年にブドウ畑と醸造に関する建物を建てます。

当時のブドウ畑は60ヘクタール

そして、お城は1820年に完成します。

1855年の格付けでは、ワイナリーが出来て40年しか経っていないにも関わらず2級に選ばれます。

この時、ブドウ畑を95ヘクタールまで増やし、今現在に至るまで同じ畑を所有しています。

1866年、アルザス人のMathieu Dollfus(マチュー・ドルフス)がオーナーとなります。

彼は醸造などの建物の改装を行い、醸造技術が向上しました。

さらに、彼は人に対しても投資を行います。

従業員がワイナリー内で生活できるようにしたり、医療保障等、安心して働ける場所を提供しました。

1886年、Mathieu Dollfus(マチュー・ドルフス)の死後、Charmolüe(シャルモルー)一族がオーナーとなります。

この一族は1896年から2006年(110年)もの間、3世代に渡りシャトー・モンローズのオーナーでした。

その後にオーナーとなったのがMartin(マルタン)とOlivier Bouygues(オリビエ・ブイグ)です。

Bouygues Telecom(ブイグ・テレコム)という通信会社をご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ただ、彼らは会社としてではなく個人としてワイナリーを購入しました。

というのも、彼らのお父さんであるFrancis Bouygues(フランシス・ブイグ)がサンテステフを愛して止まない方だったそうです。

このブイグ家族が購入してから、シャトー・モンローズは工事現場と化します。

というのも、2007年から2013年の7年間、リフォーム工事を行っていたから。

マルタンとオリビエが見つけた問題点を解決するためのリフォーム工事です。

  • 1000㎡、高さ11メートル(地下含め)の醸造施設を造ること
  • 環境に配慮すること
  • 18世紀のボルドーらしい建物を守ること

2つ目の環境配慮については、地熱を利用できるシステムを造ったり、建物の屋根に3000㎡の太陽光パネルを設置しました。

お城を含める建物は、建築様式など外観は以前と同じ様に作り変えました。

ブドウ畑

シャトー・モンローズは130ヘクタールもの敷地を持っています。

95ヘクタールがブドウ畑

残りの35ヘクタールが建物や自然です。

ブドウの平均樹齢は40年程。

一番古いもので65年程度です。

ブドウ品種

今現在、4種類のブドウを栽培しています。

  • 60%カベルネ・ソーヴィニョン
  • 32%メルロ
  • 6%カベルネ・フラン
  • 2%プティ・ヴェルド

栽培方法

最近のボルドーで増えてきた、オーガニック栽培をしています。

2012年から実験的に始め、毎年オーガニックの栽培面積を増やしています。

  • 2016年15ヘクタール
  • 2017年45ヘクタール
  • 2018年65ヘクタール
  • 2019年95ヘクタール

また、雑草を食べてもらうために、40頭の羊も飼っています。

ワイナリーに入る前にいるので、見学する際は羊が見れます。

収穫

100人程度のスペイン人と共に手摘み収穫です。

彼らは40年くらい毎年毎年、収穫に来てくれる人たちだそう。

区画ごとに収穫をしていくのですが、樹によって同じタイミングで成熟していないこともあるので、

収穫期間中、6度くらい同じ樹の収穫を行うそうです。

最高の状態のものだけを収穫していきます。

(この手間がワインの品質に反映される)

醸造施設

歴史部分でも触れましたが、ブルグ兄弟が来てから、リフォームを始めました。

醸造施設が2017年に完成し、現在は92基のステンレスタンクを所有しています。

以前よりも小さなタンクで醸造を行っています。

選果

最初はブドウの房の状態で選果、その後除梗をし、光学選果機を使用します。

最後にもう一度、手で選果を行います。

醸造

ボルドーのクラシックな醸造方法。

アルコール発酵からマロラクティック発酵をタンクの中で行います。

アルコール発酵中はルモンタージュを1日に2~3回。

必要であればデレスタージュを行います。

ブレンド

ブレンドのタイミングはマロラクティック発酵後、熟成前に行います。

3か月くらい、週に2度試飲をして、どの割合でブレンドするかを決定します。

プレスワイン

プレスワインは他のワイナリーに比べても割合が多いです。

2009年までは2~3%くらいしか入れていなかったのですが、以降は13~15%入れることもあるとか。

これは圧搾の方法を変えたことによって、プレスワインの品質が良くなったからだそう。

熟成

樽は900樽!

7~8社から樽を購入しています。

3~4か月に1度澱引きを行います。

余談ですが、モンローズの熟成室は本当に綺麗!一見の価値ありです!

熟成期間

  • ファーストワイン;18か月熟成、新樽60%
  • セカンドワイン;12か月熟成、新樽30%
  • サードワイン;12か月熟成、新樽15~20%

参考記事

1855年メドック格付けまとめ

ワイナリーSNSまとめ、メドック編

メドック格付けワイナリー、セカンドワインリスト

2009年ボルドー左岸格付け by Liv-ex

2018年野田祥子的メドック格付け

AOCメドックについて

メドック地方の土地柄を詳しく!

ワイン醸造:アルコール発酵について。

AOCボルドーで認められている品種(赤/白/ロゼ)

ボルドーワイン=ブレンドワイン

最近のボルドーワインについて

ファーストワインとセカンドワイン…って何?

材質別タンクのメリット・デメリット

最後に

シャトー・モンローズは、なんと言っても美しいワイナリーです!

特に熟成室を見下ろすのが本当に気持ちがいい!

今現在は使っていませんが、木のタンクを記念として残しています。

基本的にプロしか見学できないワイナリーですが、一見の価値ありです!


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コメント

  1. […] Château Montrose […]

error: 申し訳ないですが右クリック禁止にしました。データが欲しい方は直接連絡ください。
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