タイトルにもある通り、ポムロールで一番大きなワイナリー、Château de Sales(シャトー・ド・サル)です。
大きな森に囲まれていて外からは建物も見えませんが、門を抜ければラベルに描かれている建物が私たちを待ち構えています。
この間、ワイナリー側から連絡を貰って訪問したのはこのワイナリーでした。
コロナウイルスの影響で、見学者がぐっと減ってしまいましたが、もうすぐ新たなツアーを考えているとのことなので、それも楽しみ!
歴史
16世紀中頃 |
Libourne(リブルヌ)の市長、または市参事会員のSauvanelle(ソーヴァネル)家は、現在Château de Sales(シャトー・ド・サル)のある場所に到着しました。 彼らはサンテミリオンの修道者から土地を借りていました。 Sauvanelle(ソーヴァネル)家の邸宅は150年以上残っていました。 |
1602年 |
「Seigneurs de Sales(ド・サル君主)」として知られるSauvanelle(ソーヴァネル)兄弟の経営の下、ワイナリーの繁栄が始まります。 赤ワイン、白ワイン共にスペインに向けて輸出を開始しました。 |
1643年 |
これまでは簡易な要塞しかなかったので、ワイナリー内にシャトーの建設を決定しました。 ルイ13世様式の一軒家は18世紀から19世紀にかけて回収が行われました。 |
1735年 |
François de Sauvanelle(フランソワ・ド・ソーヴァネル)氏には男性の相続者がいなかったので、次女のJeanne Magdeleine(ジャンヌ・マグドレン)が結婚した時にDesaigues(デザイグ)氏への持参金として、ワイナリーを譲渡しました。 |
Jeanne Magdeleine(ジャンヌ・マグドレン)の息子Augustin Desaigues(オーギュスタン・デザイグ)氏がワイナリーを相続しました。 また、彼はde Fournel(ド・フォーネル)と結婚しました。 彼らには数人の子供がいて、中には革命期にヴァンデに亡命を選んだ2人の息子もいます。 女性はChâteau de Sales(シャトー・ド・サル)に残りました。 |
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Desaigues(デザイグ)夫人と娘のGabrielle(ガブリエル)は投獄され、Robespierre(ロベスピエール)の没落まで開放されませんでした。 さらに不運は続きます。 ワイナリーは国に差し押さえ、シャトーは強奪されました。 彼女らが帰った時には椅子が2脚しか残っていませんでした。 Gabrielle(ガブリエル)はほぼすべての財産を買い戻しました。 |
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1802年 |
逃亡していた兄Pierre Denis(ピエール・デニ)が戻ってきたので、Gabrielle(ガブリエル)はワイナリーの経営を託しました。 |
Pierre Denis(ピエール・デニ)は相続人がいないまま亡くなり、財産はGabrielle(ガブリエル)の孫Alexandre de Laage(アレクサンドル・ド・ラージュ)が受け継ぎました。 そしてPaul de Laage(ポール・ド・ラージュ)が亡くなるまで、国務評定官の地位を持つde Laage(ド・ラージュ)家がワイナリーの所有者であり続けました。 |
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1830年 |
Paul Marie Joseph de Laage de Meux(ポール・マリー・ジョゼフ・ド・ラージュ・ド・ミュ)は行政官を辞任します。 そして商社P. Delaage et Cieを起ち上げます。 |
1949年 |
ワイナリーはPaul de Laage(ポール・ド・ラージュ)の娘で、de Folin(ド・フォラン)伯爵夫人であるMarie Simone(マリー・シモーヌ)の子供たちに受け継がれます。 |
娘のMarguerite de Folin(マルグリット・ド・フォラン)は、第二次世界大戦前夜フランス軍将校Henri de Lambert(アンリ・ド・ランベルト)と結婚しました。 |
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1979年 |
Henri de Lambert(アンリ・ド・ランベルト)がワイナリーを継ぎますが、ここまでに徐々に経営に関わってきました。 |
Henri de Lambert(アンリ・ド・ランベルト)はその生涯をワイナリーとアペラシオン・ポムロールに費やしました。 ブドウ畑を28haから47.6haと大きくし、技術面での革新も行いました。 同時期に、アペラシオンの人気は高くなり、Henri de Lambert(アンリ・ド・ランベルト)はポムロールを象徴する人物となりました。 |
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1969~1990年 |
Henri de Lambert(アンリ・ド・ランベルト)はポムロールワイン組合の会長を務めました。 |
1979~1980年 |
Henri de Lambert(アンリ・ド・ランベルト)がボルドーワイン委員会の会長就任。 |
1983~1986年 |
Henri de Lambert(アンリ・ド・ランベルト)がCNAOC(AOCワインとオー・ド・ヴィ生産者全国連盟)の会長就任。 |
妻のMarguerite de Lambert(マルグリット・ド・ランベルト)の死後、ワイナリーはGabrielle de Lambert des Granges(ガブリエル・ド・ランベルト・デ・グランジェ)、Françoise Treppoz(フランソワ・トレポス)、Anne de Maissin(アンヌ・ド・メイサン)、Bruno de Lambert(ブルーノ・ド・ランベルト)4人の子供たちに受け継がれました。 |
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1982年 |
Bruno de Lambert(ブルーノ・ド・ランベルト)はHenri de Lambert(アンリ・ド・ランベルト)の引退後、ワイナリーを引き継ぎました。 彼は35年間ワイナリー経営をしました。 さらに彼はワイン観光業の前身となる、ワイナリーを開放し、観光客にワインの紹介を始めました。 彼は流行に左右されず、テロワールを尊重したワイン造りを行いました。 |
2017年 |
叔父と父の引退後、14人のいとこがChâteau de Sales(シャトー・ド・サル)の共同経営者となりました。 14人のうち、Marine Treppoz(マリーヌ・トレポス)が社長になりました。 同時期にBaron Philippe de Rothschild(バロン・フィリップ・ド・ロスチルド)で23年間働いたリボルヌ出身のVincent Montigaud(ヴァンソン・モンティゴー)がディレクターに就任しました。 |
生産ワイン
Château des Sales(シャトー・ド・サル)とChâteau Chantalouette(シャトー・シャンタルエット)を生産しています。
Château des Sales(シャトー・ド・サル)がワイナリーの名を冠したファーストワイン。
Château Chantalouette(シャトー・シャンタルエット)はセカンドワインですが、珍しい「Château(シャトー)」とついているワイン。
ちなみにですが、年間生産量は20万本程度。
内ファーストワインが12万本、セカンドワインが8万本程度の生産です。
ブドウ畑
90haも敷地を所有しているワイナリーです。
うち、畑は47.6haです。
これはポムロールで一番!
- 参考;AOCポムロールについて
ブドウ品種は
- 73%メルロ
- 15%カベルネ・ソーヴィニョン
- 12%カベルネ・フラン
の3品種を植えています。
基本的にはメルローは粘土土壌に、カベルネ・フランは石の土壌に植えられています。
土壌には、鉄分も含まれているのも特徴の一つ!
栽培
特にオーガニックにする予定はないようです。
が、1997年から生物の多様性を考えた栽培を行っているそう。
殺虫剤や、除草剤なんかの化学薬品を使わなかったり。
環境に配慮した造りはしているけど、とりあえずはオーガニック等々は考えてないそう。
収穫
収穫は20~50人の収穫者と共に手摘みで行います。
年によって変わりますが、大抵3週間くらいかけて行われます。
2020年コロナウイルスの影響はあったのかと聞いたら、ここ20年くらい同じ人たちが来ていて、フランス人も多いから関係なかったって。
(コロナウイルスのせいで、海外から収穫者に来てもらってるワイナリーは2020年の収穫、人集めが大変やったらしい)
収穫からタンクまで
収穫したブドウは、まず除梗機にかけられます。
ここで房から実だけの状態に。
そして揺れる選果機の上を通ります。
この選果機の最後には空気方がついているので、軽い実が取り除かれます。
そして、さらに手動で選果を。
その後タンクの上にブドウを持ち上げて、軽くブドウの皮を割ります。
タンク内を80%程度いっぱいにして、醸造のスタート!
醸造施設
17世紀に造られた建物を現在も使用しています。
21のコンクリートタンクを所有していて、アルコール発酵/マロラクティック発酵をタンク内で行います。
そして、アルコール発酵中はルモンタージュを1日に2回行います。
この回数は、絶対にやらなければいけないものではなくて、必要なければ1日に1回の時もあるそうです。
さらに醸しを15日間程度。
アルコール発酵を終えたワインはタンク内でマロラクティック発酵を行います。
熟成
熟成前にブレンドを!
その後にワインを樽に入れて熟成が始まります。
7社から樽を購入しています。
焼き加減は軽めからミディアムまで。
2017年まで(16代目)は5%しか新樽を使っていませんでしたが、2017年(17代目)から15~20%新樽使用と
熟成期間は12~14か月熟成。
セカンドワインは3分の1をタンクで、3分の2を樽で熟成します。
熟成の最後はボルドーらしく卵の白身を使った清澄作業を行います。
まとめ
ブドウ品種 |
72%メルロ 15%カベルネ・ソーヴィニョン 13%カベルネ・フラン |
タンク | コンクリートタンク |
マロラクティック発酵 | タンク内 |
熟成期間 |
12~14か月 |
新樽使用率 |
3分の2 |
ワイナリー情報
住所;11 Chemin de Sales, 33500 Libourne
電話;+33 5 57 51 04 92
参考記事
最後に
今回はポムロールのワイナリー!
ワイナリーから掲載用にもらった写真も半分くらいあります。
そして、一人で訪問したので好きな角度で写真も撮れるし、これはこれで楽しいね。
とはいえ、やっぱり誰かと一緒に訪問するのが好きやなぁ。
今ここに書けていない情報もワイナリーに聞いているので、情報わかれば更新させてもらいます。
楽しかった!
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