日本でも有名なCamus(カミュ)のご紹介です。
実はこのカミュ、家族経営が未だに続いているのをご存知でしょうか。
5世代続く家族経営のメゾンで、大きなメゾンの中では唯一です。
コニャック市内、大きな公園の裏にあって見学ももちろん可能です。
目次
歴史
1863年 |
Camus(カミュ)の歴史が始まります。 これ以前、Jean-Baptiste Camus(ジャン=バティスト・カミュ)はブドウ栽培者であり、蒸留者でした。 他の蒸留者同様、既に存在しているブランドのために蒸留をし、オー・ド・ヴィを他のメゾンに販売していました。 自身のノウハウを進化させ、独立性を確立させるために、地元の生産者と共にコンソーシアムを設立しました。 このコンソーシアムは「La Grande Marque(ラ・グランド・マーク)」として有名でしたが後に「Camus La Grande Marque(カミュ・ラ・グランド・マーク)」と名前をかえます。 |
1894年 |
Jean-Baptiste Camus(ジャン=バティスト・カミュ)の長男であるEdmond Camus(エドモンド・カミュ)が入社し、セラーマスターになりました。 彼には樽ではなく瓶詰めしたコニャックを販売するというアイデアがあり、彼によりブランドが認知されたと言っても過言ではありません。 |
1896年 |
瓶詰めされたコニャックの販売には弟のGaston(ガストン)も加わり、海外進出にも効果を発揮しました。 特にロシアでは皇帝ニコライ2世の宮廷で提供されるまでになりました。 |
1932年 | 21歳の若さでMichel Camus(ミシェル・カミュ)が入社しました。 |
ソビエト連邦との関係が強化されていきます。 | |
1960年代 | Michel Camus(ミシェル・カミュ)が免税市場向けの限定商品を造り始めました。 |
Jean-Paul Camus(ジャン=ポール・カミュ)がセラーマスターになりました。 彼は市場をアジアや太平洋地域まで広げました。 これにより日本でとても有名なメゾンの一つになります。 そしてBorderies(ボルドリー)にブドウ畑を増やします。 |
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1994年 | Cyril Camus(シリル・カミュ)が入社し、北京での営業ディレクターになります。 |
1996年 | Cyril Camus(シリル・カミュ)がマーケティングディレクターに就任しました。 |
Cyril Camus(シリル・カミュ)はX.O. Borderies(XO・ボルドリー)や免税店にのみ出している製品に力をいれました。 | |
2004年 | Cyril Camus(シリル・カミュ)は社長に就任しました。 |
2017年 | Cyril Camus(シリル・カミュ)ががレジオン・ドヌール勲章を受章しました。 |
生産コニャック
公式ホームページに載っているもののみご紹介します。
それぞれのコニャックの名前からは公式ページの該当ページに飛べます。
VERY SPÉCIAL
Cognac Camus Very Spécial(コニャック・カミュ・ベリー・スペシャル)。
アルコール度数40%。
カミュのコニャックの中で最もフルーティーです。
フルーツの奥に少し香るスパイスも特徴的。
私も家に持っていてフルーツの香りが広がる華やかなコニャックなので、カクテルに良く使っています。
VSOP
Cognac Camus VSOP(コニャック・カミュ・VSOP)。
アルコール度数40%。
カミュの製品のなかで 最も花の香りが強いのがこれです。
カミュの特徴でもあるBorderies(ボルドリー)のコニャックが少しブレンドされているのも特徴。
XO
Cognac Camus XO(コニャック・カミュ・XO)。
アルコール度数40%。
10年以上熟成したコニャックを使用していて、樽からの香りも感じられるコニャックです。
フルーティーさとスパイスのバランスが良い!
EXTRA
Cognac Camus Extra(コニャック・カミュ・エクストラ)。
アルコール度数40%。
Borderies(ボルドリー)のコニャックを中心に、Grande Champagne(グランド・シャンパーニュ)やPetite Champagne(プティット・シャンパーニュ)のコニャックがブレンドされています。
熟成は湿度が高く、比較的温度の低い熟成室で行われます。
複雑で深みのある香りが特徴的で、お花の香りやタバコ、皮などの素晴らしい香りが広がります。
EXTRA DARK & INTENSE
Cognac Camus Extra Dark & Intense(コニャック・カミュ・エクストラ・ダーク・エ・アントンス)。
アルコール度数40%。
先ほどのExtra(エクストラ)用の熟成樽から最も素晴らしいものを選んでブレンドしたのがこれ。
複雑さと深みをしっかり持つコニャック。
クレーム・ブリュレやパン・デピスなどの甘味のある焦げやスパイスを感じます。
VSOP BORDERIES SINGLE ESTATE
Cognac Camus VSOP Borderies Single Estate(コニャック・カミュ・VSOP・ボルドリー・シングル・エステート)。
アルコール度数40%。
生産地域の5%しかないBorderies(ボルドリー)のブドウのみを使ったコニャックです。
粘土石灰土壌で、シレックスを多く含む土壌です。
花の香りがしっかりあるコニャックを生産する地域で、その特徴がしっかり出ているコニャックです。
XO BORDERIES SINGLE ESTATE
Cognac Camus XO Borderies Single Estate(コニャック・カミュ・XO・ボルドリー・シングル・エステート)。
アルコール度数40%。
こちらもBorderies(ボルドリー)100%のコニャックです。
力強く、口当たりはしなやか、ケーキなどの甘い香りが広がります。
最後に広がるお花の香りが心地良いコニャック。
ÎLE DE RÉ FINE ISLAND
Cognac Camus Île de Ré Fine Island(コニャック・カミュ・イル・ド・レ・フィン・アイランド)。
アルコール度数40%です。
レ島のブドウのみを使っていて、塩味が特徴。
湿度の高い熟成室で熟成され、まろやかさのあるコニャックです。
ÎLE DE RÉ DOUBLE MATURATION
Cognac Camus Île de Ré Double Maturation(コニャック・カミュ・イル・ド・レ・ドゥーブル・マチュラシオン)。
アルコール度数40%。
熟成の最初はブドウが栽培されていたレ島の湿度の高い熟成室で行われ、数年後コニャックに運ばれ、古い樽で熟成されます。
レ島のコニャックの特徴である塩味は感じますが、トースト香や蜂蜜が特徴的。
RETOUR A SAINT-AULAYE
Cognac Camus Retour à Saint-Aulaye(コニャック・カミュ・レトゥール・ア・サン=トレイエ)。
アルコール度数43%と少し高いです。
3000本のみの限定商品!
1.5ヘクタール栽培されたコロンバール100%のコニャック。
さらに、ドルドーニュSaint-Aulaye(サン=トレイエ)で栽培されています。
実はドルドーニュでも少しだけコニャック用ブドウ栽培が認められています。
洋ナシなどのフルーツやスパイスが特徴のコニャック。
はじめに
Camus(カミュ)公式がYouTubeに説明動画あげてるので共有します。
ブドウ畑
カミュの特徴はBorderies(ボルドリー)等単一クリュでのコニャック製造かな。
「生産コニャック」でも書いたけど、Ile de Ré(レ島)のブドウを使ったコニャックもつくっていて、塩味が特徴!
以前コニャックのブドウ畑について詳しく書いたのでそちらを見て頂けると嬉しいです。
ちなみに写真は敷地内にある見学時に使う説明用のブドウ畑。
収穫
収穫は機械で。
コニャックではほとんどの生産者が機械収穫です。
収穫するブドウの量も多いので、素早く収穫できる機会が沢山用いられています。
機械収穫=悪い、手摘み=良い、とは一概に言えない今日この頃。
収穫をしたブドウは2時間以内に圧搾機にかけられます。
醸造施設
圧搾されたブドウは発酵が行われます。
発酵が終わった後のアルコール度数も8度程度と低いのもコニャックの特徴です。
蒸留
蒸留はワインの澱と共に。
25へクトリットルの蒸留器を使用しています。
蒸留の方法は以前かなり詳しく書いたのでもしよろしければどうぞ。
- 参考;コニャックの蒸留について
ブルイはアルコール度数30度程度、2度蒸留を終えたボンヌ・ショフは72度程度です。
熟成
熟成はもちろんオーク樽で。
というかコニャックの蒸留にはオーク以外の材質の樽は認められていません。
樹の粒子が細かく、焼きが軽い樽を使用しています。
メゾン情報
住所;21 Rue de, Pl. Cagouillet, 16100 Cognac
電話;+33 5 45 32 70 14
参考記事
コニャックの秘密。どうしてミレジメ/ヴィンテージものが少ないのか。
最後に
怒涛のコニャックメゾン訪問記事が続いてるけど大丈夫かな…?
カミュってブックシリーズのコニャックも有名よね。
コレクター心もくすぐる。
意図しているわけではないけど、何故かいつも数本カミュのコニャックが家にある。
なくなったら買ってしまう。笑
感想やこんな内容書いて欲しい!などあればお気軽に連絡ください。 sachiwines@gmail.com その他色々やってるので、良かったら見てください Instagram Twitter レストランブログ Facebook|Bordeaux-Japon.net ボルドージャポンネット Homepage|SachiWines 旧ブログ|レストランブログ
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