でも数年ぶりにRémy Martin(レミー・マルタン)の訪問をしてきました。
到着したらまさかの友達が見学対応で楽しい見学やった!
訪問中は写真撮影禁止なので、今回は写真少ないですがご容赦を。
目次
歴史
1724年 | コニャックの若い生産者、Rémy Martin(レミー・マルタン)氏が自身の名前でコニャックの販売を開始しました。 |
1738年 | フランス国王ルイ15世がRémy Martin(レミー・マルタン)氏のコニャックを評価し、当時珍しい新しいブドウの樹を植える権利を得ました。 |
1810年 | Paul-Emile Rémy Martin(ポール=エミリー・レミー・マルタン)氏がメゾンの名と生産するRémy Martin(レミー・マルタン)のコニャックを、ヨーロッパだけでなくアメリカ、アジア、太平洋地域へ広めました。 |
1830年 | Rémy Martin(レミー・マルタン)のGrande Champagne(グランド・シャンパーニュ)が初めて生産されました。 |
1870年 |
メゾンの海外展開に合わせて、現在のロゴでもあるケンタウルスを使ったロゴを始めてつくりました。 これは天文学にも詳しいPaul-Emile Rémy Martin(ポール=エミリー・レミー・マルタン)氏の星座である、いて座をモチーフにしています。 |
1910年 | Paul-Emile Rémy Martin II(ポール=エミリー・レミー・マルタン・二世)氏とパートナーシップを結びます。 |
1924年 | 後の会長であるAndré Renaud(アンドレ・ルノー)氏が初めてのセラーマスターになりました。 |
1927年 |
Grande Champagne(グランド・シャンパーニュ)とPetite Champagne(プティット・シャンパーニュ)から採れたブドウを使った、Rémy Martin Fine Champagne Cognac VSOP(レミー・マルタン・フィーヌ・シャンパーニュ・コニャック・VSOP)の販売が開始しました。 そしてこのコニャックはすぐに成功をおさめました。 |
1938年 | その品質の高さより、Fine Champagne(フィーヌ・シャンパーニュ)が法的に認められました。 |
1948年 | André Renaud(アンドレ・ルノー)氏がGrande Champagne(グランド・シャンパーニュ)とPetite Champagne(プティット・シャンパーニュ)から採れたブドウのみでRémy Martin(レミー・マルタン)のコニャックを造ることを決定しました。 |
1960年 | André Renaud(アンドレ・ルノー)氏から訓練を受けたAndré Giraud(アンドレ・ジロー)氏が生産において最新技術を使用させ、現在のRémy Martin(レミー・マルタン)の本社があるMerpins(メルパン)に開発センターを建てました。 |
1965年 | André Renaud(アンドレ・ルノー)氏の義理の息子であるAndré Hériard Dubreuil(アンドレ・エリアール・デュブルイユ)が社長に就任し、現在の「Alliance Fine Champagne(アリアンス・フィーヌ・シャンパーニュ)」の元となる、ブドウ栽培者とのパートナーシップを始めました。 |
1972年 | 現在とても有名になった黒いすりガラスのVSOPボトルが考案されました。 |
1981年 | 注文が殺到したこともあり、豪華で洗練されたRémy Martin XO(レミー・マルタン・XO)がつくられました。 |
1990年 | Georges Clot(ジョルジュ・クロ)がセラーの在庫を管理するために最新のデジタル機能を導入しました。 |
1997年 | ルイ15世からの褒章を記念した、1738 Accord Royal(1738・アコール・ロワイヤル)が造られました。 |
2003年 |
Rémy Martin(レミー・マルタン)の歴史で初めて女性であるPierrette Trichet(ピエレット・トリシェ)氏がセラーマスターになりました。 彼女はCentaure(セントー)とCentaure de Diamant(セントー・ド・ディアモン)を生み出しました。 |
2007年 | Rémy Martin(レミー・マルタン)社の行う、持続可能な農業がフランス農業省に認められました。 |
2012年 | フランスで6番目、コニャック生産地であるシャラント県では初めて、Haute Valeur Environnementale(HVE/環境価値重視)認証を得ました。 |
2014年 | コニャックで生まれ育ったBaptiste Loiseau(バティスト・ロワゾ―)氏がセラーマスターに任命されました。 |
2019年 | Rémy Martin Tercet(レミーマルタン・テルセット)がアメリカと中国市場向けに売り出されました。 |
2020年 | 現在はパートナーシップ契約を結んでいる農家を含め、Rémy Martin(レミー・マルタン)のブドウ生産者の50%以上がHVE認定を得ています。 |
生産コニャック
現在公式ホームページに載っているコニャックをご紹介します。
名前に付けているリンクは、公式サイトの該当コニャックの紹介ページです。
VSOP
Rémy Martin VSOP(レミー・マルタン・VSOP)は力強く、エレガントな香り高いコニャック。
セラーマスターのブレンド技術の高さもわかるコニャック。
カクテルで飲むこともお勧めされていて、公式サイトにカクテルの紹介ページもあります。
CLUB
Rémy Martin Club(レミー・マルタン・クラブ)は古いFine Champagne(フィーヌ・シャンパーニュ)のコニャックをブレンドすることで複雑な香りを表現しています。
フルーツキャンディーの様な香りや、生姜やシナモンの様なスパイスの香りを持ちます。
1738 ACCORD ROYAL
Rémy Martin 1738 ACCORD ROYAL(レミー・マルタン・1738・アコール・ロワイヤル)は樽香りが特徴で滑らかなコニャック。
クラシックカクテルである、サイドカーにして飲むことをお勧めされています。
TERCET
Rémy Martin Tercet(レミー・マルタン・テルセ)は以前ご紹介したコンクールで賞も取っているコニャックです。
トロピカルフルーツの香りが特徴のコニャックです。
氷を入れて飲むことがおすすめ。
XO
Rémy Martin XO(レミー・マルタン・XO)は400種類ものコニャックをブレンドした一本です。
1884年、このコニャックを使ったクラシックカクテル、オールド・ファッションがつくられました。
葉巻やチョコレートと合わせて飲むのもお勧めです。
CLUB 35
Rémy Martin Club 35(レミー・マルタン・クラブ・35)はClubの35周年記念に造られた空港免税店でのみの限定ボトルです。
冷凍庫に入れて、冷えたものを飲むこともお勧めされています。
アプリコットやイチジク、生姜やシナモンなどの香りが特徴的です。
XO RED
Rémy Martin XO Red(レミー・マルタン・XO・レッド)はゴールドに装飾されたボトルが美しい限定コニャックです。
400種類ものコニャックがブレンドされていて、フルーツとスパイスのバランスがとても良いです。
XO ATELIER THIERY
Rémy Martin XO Atelier Thiery(レミー・マルタン・XO・アトリエ・ティエリー)も400種類のコニャックがブレンドされた限定コニャック。
複雑さが素晴らしく、フルーツとスパイスのバランスもとても良いコニャックです。
LOUIS XIII
Rémy Martin Louis XIII(レミー・マルタン・ルイ・13世)はとても有名なコニャックなのでご存知な方も多いのではないでしょうか。
Grande Champagne(グランド・シャンパーニュ)のコニャックを1200以上もブレンドしています。
熟成年数は70年~100年を超えるものまで。
クリスタル、バカラの容器は全て手作業で造られているので、世界で同じボトルは2つとして存在しません。
一度は飲んでみたいコニャックですよね。
…コニャックにはルイ13世を10㎖から飲ませてくれるバーがあります。
ブドウ畑
歴史部分でも触れましたが、ここRémy Martin(レミー・マルタン)の特徴はFine Champagne(フィーヌ・シャンパーニュ)。
つまりGrande Champagne(グランド・シャンパーニュ)とPetite Champagne(プティット・シャンパーニュ)にのみ畑を所有しています。
これらのクリュ、と呼ばれる区域については以前記事にしたので、そちらをご覧いただければと思います。
このFine Champagne(フィーヌ・シャンパーニュ)を名乗るためには、Grande Champagne(グランド・シャンパーニュ)から採れたブドウで出来たコニャックを50%以上含んでいる必要があります。
そして残りがPetite Champagne(プティット・シャンパーニュ)。
どちらも石灰が特徴的な区域で、長い熟成に向くコニャックを造ることで知られている場所です。
220ヘクタールもの自社畑も持っていますが、Alliance Fine Champagne(アリアンス・フィーヌ・シャンパーニュ)に参加しているパートナー農家さんが800件以上あります。
収穫と選果
収穫をしたブドウはすぐにアルコール発酵をすることでワインを造ります。
このワインはアルコール度数7~9%とかなり低いです。
酸が強いこともコニャック用ワインの特徴の一つです。
蒸留
蒸留はコニャックで重要なプロセスの一つです。
全体的な流れは以前結構詳しく書いたのでそちらを見ていただけるとありがたいです。
- 参考;コニャックの蒸留について
Rémy Martin(レミー・マルタン)の特徴は、澱を残したまま蒸留をすること。
これによって、最終的なコニャックに複雑さが与えられるとのこと。
25ヘクトリットルの比較的小さな蒸留器で丁寧に蒸留を行うのも特徴です。
ちなみにですが、ワインの予熱も行いません。
以前コニャックの蒸留についてにも書きましたが、予熱器のないこんなスタイルの蒸留器を使っています。
そしてスゴンはブルイに、その他は全てワインと一緒に再度蒸留されます。
以前書いた蒸留サイクルですが、ここRémy Martin(レミー・マルタン)ではこんな流れです。
ボーナス制度
先ほど、パートナー農家さんが800以上いると言いましたが、それぞれが蒸留をしたオー・ド・ヴィを購入するときはボーナス制度を設けています。
- 品質が少し高ければ、購入金額が3%アップ
- XOになると認められた品質の高いものは購入金額が5%アップ
- ルイ13世になると認められたとても品質の高いものは購入金額が10%アップ
します。
これによって、契約農家さんたちのモチベーションも上がるし、Rémy Martin(レミー・マルタン)側も品質の高いオー・ド・ヴィを購入することが出来ます。
樽について
前回樽の造り方について書きました。
Rémy Martin(レミー・マルタン)ではリムーザンの木を使っているそうです。
そして樽を造る前の乾燥は2~4年とかなり長い。
焼き加減はミディアム+で焙煎香やブリオッシュの香りを大切にしています。
熟成
熟成セラーは30か所以上あるそう!
熟成されているコニャックはアルコール度数が高いので、安全面を考えて、どのメゾンでも熟成セラーを複数所有しています。
全てのセラーは温度と湿度が違うとのこと。
熟成期間は商品によって様々。
若いものから古いものだと100年を超えるものまであります。
ブレンドを行った後は、6か月大樽に入れられてなじませます。
テイスティング
今回は写真が撮れなかったので、前に訪問した時の写真をお送りします。
この試飲にもマカロンが付いてきました。
頂いたのはパッションフルーツのマカロンとVSOPでした。
キャラメル、ブリオッシュ、バニラ等わかりやすくおいしいコニャックでした!
メゾン情報
住所;Av. de Gimeux, 16100 Merpins
参考記事
コニャックの秘密。どうしてミレジメ/ヴィンテージものが少ないのか。
コニャックの秘密。どうしてミレジメ/ヴィンテージものが少ないのか。
最後に
前回のマーテルに続き大手メゾンのご紹介でした。
皆さんも見たことがある、飲んだことがあるお酒があったのではないでしょうか。
以前コニャック、駅から歩いて行けるメゾンにも書きましたが、レミーマルタンと調べると出てくるコニャック市内の場所は基本的な見学場所と異なるのでご注意ください。
メルパンというコニャックから車で10分くらいのところに通常見学場所がありますー!
見学後はグラスももらえますし、写真は撮れませんが充実感のある見学です。
次回はレミーマルタンの見学についてまとめます!
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