【余談】私の好きな「ワイン」とは何かを考える。

ワイン

私はワインが好きだ。

ワインがあったからフランス移住するくらいにはワインが好きだ。

(元々はこんなに何年も住むとは思わずに来たけど)

この間書いたラフルールのニュース。

参考記事:【ニュース】ポムロールの有名ワイナリーシャトー・ラフルールの決断

ボルドーではワイン用のブドウ栽培において水まきが禁止されている。

(他の地域もされてると思うけど、ちゃんとそれぞれの仕様書見てないからボルドーに限定させてもらう)

それを書いてて思った私の想い。

私の好きなワインって何?

「ワイン」と一言で言っても、人によって感じ方が違うと思う。

私の好きな「ワイン」って何なんやろう。

そもそも私は人との出会いや、人と話すのが好き。

お酒を介して出会った人には、異職業の人もいっぱいいて、そういう人と出会えるのが楽しい。

最初にワインを勉強したいって思ったのも、ワインの味よりもワインを知ってたらお客様からの反応が良くなったから。

お客様と話せるのが楽しかった。

でもなんでワインなんやろう。

それって一生終わらない学びがあるからやと思う。

それぞれの国、地域、造り手、そして年。

それぞれのビンテージ、ミレジム毎の想い出があるから。

それぞれのビンテージの違いがあって、グラスの中に自然を感じられるから。

今回のラフルールで、灌漑(かんがい)、つまり人工的な水まきについても書いてあった。

確かにボルドーのここ数年は厳しい年が続いている。

水まきしたいときもあるし、雨が多すぎるから屋根を付けたいときもある。

でも、それでいいの?

それってボルドーワイン(認められている国もあるから、あえてボルドーワインって書いてます)の良い面をなくしてない?

美味しいブドウがあってこそのワイン。

自然に負けず美味しいブドウを作る農家。

雨が少ないからこそできるワインがある。なのに水撒いちゃうの?

でも、それなら霜の被害を減らすために畑の真ん中に沢山の火をともすのも、温風の出るヘリコプターを飛ばすのも、雲を散らす空気砲を飛ばすのも、自然の摂理からは外れてる。

人間の力はどこまで介入してもいいの?

そんなことをここ数日ずっと考えてる。

みんなはどこまで人間の介入が許せる?

フランスに来てから

ビンテージへの想いを考えてて、気づいたらそれぞれの年に何してたんやろ、私。ってなった。

余談が過ぎるけど。

数か月前にとある人に出会い、過去を思い出してたのもその一因。

その思い出した暗い、暗い思い出は書きたくないのでフランスに来てからのことを書いてた。

2013年

私が初めてボルドーに降り立ったのは2013年。最初はブルゴーニュはディジョンに3か月ほど住んでた。

選んだ理由は「ワインの銘醸地だから」。

フランスに到着したのが6月頭。

晴れの日があるものの、結構雨が多くて、フランスのワインの銘醸地はこんなに雨降るん?って思いながら過ごしてた。

2013年が雨が多くて難しい年やったって知ったのはこの翌年。

7月の半ばに初めてボルドーにやってきた。

未だに日にちも覚えてる。7月15日。確か月曜日。

この日はめっちゃ暑くて、40℃を超えてて、ボルドーとブルゴーニュってこんなに違うん!?って驚いたのを覚えてる。

9月からのソムリエ学校への入学のための面接をするのと同時に家探しが一番の目的。

色んなアパートを訪問して1件に決めた。

と、この年の思い出を語ると止まらなくなるのでこの辺でやめるけど、2013年という年はとても良く覚えている。雨ばっかり。

2014年

1年のカリキュラムだったソムリエ学校を卒業した。

最終の国家試験の受験日にビザが切れる。

申請はしてたけど、延長できるかわからぬまま、試験を受けた。

結局延長の許可が半年でなくて、フランスに閉じ込められてたからパリで1か月ぐらいワイン雑誌の編集のお手伝いしたり、次の学校の面接受けたり。

試験の結果発表の日は、体調崩してて整体行ってたのもいい思い出。

2015年

ワインの経営学校に通ってた。

カリキュラムがハードすぎて、遊んだ記憶が皆無。

他の学校が2年かけてやるカリキュラムを1年でやるという学校で、毎日毎日朝から晩まで学校。

毎日泣いてた。辛くて辛くて、しんどくて。

フランス語も分からん。日本人もいない。授業でわからんことを聞こうと思っても、自分でかみ砕いてフランス語で質問せなあかん。

いや、フランス語全然喋られへん。

毎日毎日、昨日よりフランス語が話せるようになるのを実感してて、このハードな学校のおかげでめっちゃフランス語上達した。

同じクラスの友達も優しくて良かった。

天気の記憶もほとんどないけど、VINEXPOで初めて働いたのはこの年。

日本から来たソムリエさんたちのアテンドをしてた。

研修でフランスのワインショップでも働いた。

2016年

初めてプリムールに参加して、歯が真っ黒になり、タンニンに疲れた思い出。

色んな事に心が折れ、でも立ち上がり、この年の記憶もあんまりない…。

ビザが全然おりひんから半年くらいはいらいら、もやもやしてたな。

冬は雨降ってたけど、夏は適度に暑くて、なんか心地よかった印象。

2017年

自営業を始める。

この年のワインはあまり語られないけど、バランスが良くて、繊細で。

個人的に今飲むのに好きなビンテージ。

全体的なボルドーワインの統一感があって、細かくて美しい印象。

そういえば、この年結構心地よかったよなー。

ワイナリーの通訳同行も初めて、いまだにお付き合いが続いてるいいお客様との出会いも。

お客様と一緒に行くワイナリー訪問が楽しくて仕方ない。

2018年

結婚した。

ブドウがなってるであろう9月末に結婚式を挙げることにした。

雨は降らないか、暑すぎないか、収穫が早くなって当日ブドウが収穫されてるとかないか、色んな思いがあった。

夏はそこそこ暑くて。うわー、このまんまやったら汗だくで結婚式?嫌やなーって思ってたけど、式の数日前に雨が降って、当日は心地いい風が吹いてるし、天気もいいし、寒くもなく暑くもなく、とても良い気候。

フランスの結婚式、コーディネーターさんとか雇わんから、全部自分で決めなあかんのが難しくも楽しかった。

長かった髪を切り、多分人生で最初で最後のヘアドネーション。

2019年

この年は春に日本で結婚式を。

結婚式の前日にフランスからやってきた親族とご飯食べ、飲んだくれ、翌日顏ぱんぱん。

私の親戚より、フランスからやってきた彼の親戚の方が人数多いのが面白い。

2020年

春。

日本帰国中にフランスがロックダウン。

本来乗るはずやったフライトが欠航になり、大阪発パリ行きの最終便に滑り込んで乗れた。

そしてパリ発ボルドー行きも欠航。

翌日便で乗ることができて、これもまた最終便。

この年の運をフライトに全部つぎ込んだ感じ。

ロックダウンは仕事はないし、でも周りも仕事ないし、家の中庭にソファー出して昼寝したり。

天気も良かったから、仕事のない恐怖、今後どうなるかの恐怖はあるものの、中々に良い時間やった。

週1ぐらいでうどん打ってたなー。

二度目のロックダウンは恐怖。

外にも出られへんし、ワクチン問題も。

あれ?1回目のロックダウン、結構楽しんでたのに2回目苦しすぎひん?ってずっと思ってた。

2021年

まだまだコロナ。

どうなる世界。

どうする私。

(ワイナリーの通訳ガイドばっかりしてたから、仕事がゼロになってた。)

いつまで続くかわからんなら、夢を一つ叶えよう!

色々あって、多分一生「コロナがあってよかった」とはなられへんけど「コロナのおかげでこれができた」ってなれるようになりたいなって思ってた。

2022年

自分の好きなお酒を日本へ輸出するためにフランス&日本で起業。

日本は起業とはまた少し違うけど、フランスはSachiwinesという簡易型単一株主株式会社 (SASU) を設立。

今まで個人事業主でやってたのから請求書の作り方とか、納税の仕方とか、色々変わってなんかずっとパソコンの前にいたな。

会社作るなんてどうやっていいかわからんから、国の機関と予約取って打ち合わせしたり、周りの色んな人に助けてもらった1年。

2023年

日本でワインとコニャックを直輸入・販売するアリエノールを始める。

輸出入の難しさ、タイミングの予測できなさ。毎日毎日新しいことに出会い、ずっと調べものしてたな。

自分の考えの甘さを痛感して打ちのめされる日々。

2024年

なんかずっと移動してた印象。

1年であんなに色んな国に行く年はもうないんじゃないかと思ってる。

観光業もコロナ前はゴールデンウイークから収穫が終わる10月末まで山なりに忙しくなってたのに、忙しさのペースに予測がつかなくなってて、あれ?日本いつ帰れる?ってなってた。

久しぶりに夏に一時帰国したら、日本の湿度の高い夏に完全にやられた。

汗ってこんなに噴き出す?日本に住んでる人たちすごすぎん?クーラーきつすぎん?

フランス戻ったらなんかずっと天気よくないし。1年中11月みたいな。

2025年

フランス来てから初めて1か月以上日本に滞在した。

色んな人と会い、人との繋がりをめっちゃ感じて、忙しかったけど楽しかった!

まだ終わってないから今後に希望を抱いてるけど、仕事的に厳しい1年。

耐えろ。がんばれ。私。

参考記事

ボルドーワインとコニャックの直輸入・販売:アリエノール

【ニュース】ポムロールの有名ワイナリーシャトー・ラフルールの決断

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