ワインディレクター、田邉公一氏インタビュー【その2】

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前回に引き続き、ワインディレクター田邉公一氏のインタビューです!

一昨日はサービスについての内容が多かったですが、今回はマリアージュについて!

人の考えを聞くってやっぱりすごい楽しい。

(前回の記事;ワインディレクター、田邉公一氏インタビュー【その1】

 

 

 

マリアージュについて

野:レオヴィル・ポワフェレのチョコレート×ワインのマリアージュがあって、共通項をもつものを合わせるパターンと、足りないもの同士を合わせるパターンを体感させてくれます。田邉さんはどういう合わせ方をされますか?

料理の合わせ方と一緒だと思うんですよね。基本的に。

やり方って色々あって、性質上これは重ねた方がいいな、同調って言うんですけど、それが良いなっていう料理とか、あとは補完も確かにあるんですけど。

noteも有料であって、記事にだしたんですけど。

(参考;田邉さんのnote記事

同調が手堅いよって、結論付けているんです。僕の中では。

ペアリングを色々やっていて、一番手堅いのが同調ですよね。同じものを合わせる。重ねていく。

料理とワインって違うじゃないですか。

重ねたんだけれど、同じ様に持って行くけど、結局は別々で微妙に違うから。

重ねるとそのズレがレイヤー層になるというか。重なって、より複雑性が出る。

同じ様に合わせているから、例えば柑橘のジュースとソーヴィニョン・ブランの柑橘のフレーバーを合わせると似た者同士だけどちょっと味が違いますよね。

そうすると、同じ方を向いているから、味にレイヤー、層が出る。より増幅して感じやすくなるんですよね。

ワインをテイスティングする理由って、食材を、味を思い浮かべることというか。食材が、あの産地のこういう食材と合うな、似ているなっていうのを探していくことに近い部分もあると思うんですよね。

そういう意味ではテイスティング能力が高い方が良い。香りを発見する、味を的確にとらえるっていう。そうすると同じ様に食材を揃えることが出来ますよね。

もちろん補完というやり方もあるじゃないですか。

料理の場合、料理人の人がそれで完成させてきますよね。

正直、ほとんどの人がワイン関係ないんですよ。

ワインがコンセプトで料理を合わせますよ、だと違いますけど。

基本、何を合わせるって人によって違うし、料理人は料理を完成させてくるから。

だから補完のマリアージュって基本は、料理に関しては失礼、といういい方は悪いけど、僕はあまりやらないんですよね。補完しなくても完成しているっていう。

 

シェフの料理に田邉さんが沿っていく?

それが前提ですよね。それをさらに増幅させていく。

結局飲むわけだから、口の中に入れた時に伸ばしてやるというか。

人と人に似てるんですけど。

足りない所があるから私が手伝う、というマリアージュよりは、同じものを同調して発展させる、みたいな方が基本的にはマリアージュはうまくいく可能性が高いかなって思っています。

だから足す、胡椒が入ってないから胡椒の味を足すようにシラーを合わせるっていうのは違うかなって。

 

 

野:コニャックの生産者さんによって、既に完成しているコニャックに合わせる料理を作ってってお願いして、例えばスパイシーなコニャックにスパイスを全く入れない料理に合わせるっていうやり方をしている人たちがいて、いろんなやり方があるんだなぁと。

そうですね。それだといいですよね。

最初からコニャックを飲むっていう前提で、それに対して合わせて完成させるっていう形だとそれがいいですよね。

よくあるのがチーズとかで、ソーテルヌにロックフォールを合わせるっていうやり方。

これは究極の補完のマリアージュだと思うんですよね。

強烈な性格を持っている2つで、両方が持ち合わせていない部分があるんですよね。

マリアージュのセミナーでソーテルヌとロックフォールを出したんですよ。

これは味に五味ってあるじゃないですか。甘味、酸味、塩味、苦味、旨味ありますよね。

この五味において、ソーテルヌとロックフォールは強いレベルですべてを完成させることができるんですよね。お互い持ってないものを合致させるというか。

綺麗な五角形ができるっていう。

そういう場合は補完のマリアージュが効いてくるとおもうんですよ。

だからブルーチーズだけだと凄いおいしいんですけど、突出している部分と足りない部分があるじゃないですか。

そういうのも、ソーテルヌ単体でもちろんおいしいですけど、やっぱりないものがありますよね。

単体で完成されているワインではないとおもうんですよ。

凄くおいしいし、デザートワインって言われたり、ボルドーだったらフォアグラと合わせたり。

でも、登場シーンが少ないじゃないですか。一般的に。

ずーっと飲むならブルゴーニュのシャルドネとかピノノワールとかならできるけれども。

ソーテルヌって登場シーンがピンポイントですよね。

それってなんでかというと、全部が完成されてないからだと思うんですよ。

そういうワインに関しては補完が効くというか、ないものを足してあげると、逆に突出して凄い部分を持ってるから、完成させたときに、めちゃめちゃ凄いマリアージュができるっていうか。

これは補完のホームランパターンというか。うまくいく。

同調はヒットを重ねるようなマリアージュだと思うんですよ。

元野球部だったんですけど(笑)

補完はホームランは打てるけど、打率は低いっていうか。

これはでもケースバイケースで、どんなワインなのか、どんな料理なのかを見極めて、これは補完した方がいいのか、同調した方が良いのかを決める。

そこはかなりマニアックな世界になってくるんですけど。

それを考えて、あんまり難しく言わずに出したときにおいしいって思わせておいて、後で説明したりとかすれば、お客様としては「あぁ、すごいな」ってなりますよね。

ロックフォールも蜂蜜をかけるってよくあるじゃないですか。

ブルーチーズに蜂蜜をかけるってありますよね。

でも、蜂蜜をかけてソーテルヌを合わせたらおいしいのかっていう。

田:現地ではどうやって食べるんですか?

野:チーズが一種類だけっていうことがなくて。お皿の上に蜂蜜や、この辺だとジャムが出てくることが多いかもしれないです。私はロックフォールだったら単体で食べるのが好きです。お酒を飲みながら。

田:それはソーテルヌ?

野:ソーテルヌはフォアグラと既に飲んでたら飲むかもしれないですけど、わざわざ開けはしない感じですね。

田:赤ワインですか?

野:ボルドーの人はもっぱら赤ですね。でも最近はペサックレオニャンの生産者さんが白の方がいいんじゃない?と言っていて。

ソーテルヌの生産者さんも、フォアグラとブルーチーズにはソーテルヌ、っていう典型的なイメージをぶっ潰したいみたいで。レストランで前菜からデザートまでソーテルヌ尽くしのマリアージュっていうのがあって。同じワイナリーのビンテージ違いで遊ぶっていうことをやっていたりとか。

田:シャトー・ギローにレストランありますよね?そこに行った方に、サーモンに合わせたりとか、お肉に合わせたりとかをするっていうのを聞いたことがあります。

僕も甘口にっていうのをトライしたことがありますけど、日本人だとちょっときついんだろうなって思います。

野:私が一番ソーテルヌでびっくりしたのが、豚肉にスパイスが色々入っていて、くるくる巻いたのを蒸しているのにソーテルヌがすっごいおいしくて。

ソーテルヌとスパイスっていうのをソーテルヌの生産者さんは結構推していますね。

タジン鍋とか。カレーとか。スパイスにソーテルヌっていうのを、みんな言います。ディケムの人が寿司と合うって言っていて…

田:やってみましたよ!持ち込みました!ちょっと古い2000年代前半のを。

でも、ちょっと厳しいですよ。寿司って、いいんですけど、魚の味って超繊細じゃないですか。

卵は相性が良いってのはあるんですけど。

寿司の味ってすごい繊細で、寿司の味を変えちゃいけないって思ってるんですよ。やっぱりその寿司も、カジュアルな寿司だったらまだ面白いのかもしれないですけど。

ちゃんとネタで仕事をしていると、それを凌駕しちゃまずいなって。

日本の本格的な寿司屋って難しいかもしれないですけど、カジュアルなお寿司とかなら、ある意味面白いのかもしれないですね。

寿司はやっぱり日本酒がいいですよ。

 

朝のルーティーンや大切な日のジンクスってありますか?

今日は大事だから赤パンツを履く、みたいな。

特別な時でもいつも通りにいきますね。パンツも持ってないですし(笑)

割と日頃通りに行くことなのかなって思うんですけど。

どうだろう。意外に難しいな。

決めてることっていうのは、普通のことですよね。

ある程度朝ごはんは決まってるかもしれないです。

バナナ、ナッツ食べて、ヨーグルト、グレープフルーツ、目玉焼きみたいな。

ルーティーンは、朝ごはんがきまってるというか。これが頭に、脳によく働いて、胃がもたれないから。

午前中を凄い大切にしたいので。

僕はフリーランスだから時間がコントロールしやすいんですよね。

ルーティーンだと、午前中に打ち合わせとかの仕事を入れない。午前中は全部自分の時間にするっていう。

その時に考え事したりとか、発信したりとか、ワインを選ぶとか、講座のことを考えるとか、勉強するとか、Twitterをしたり、筋トレやボイストレーニングをしたりとか。発声練習をしたりとかの時間をつくってます。

朝ごはんはある程度決めておけば決断しなくていいじゃないですか。

今日はなにしよう?って考えなくていいじゃないですか。

これで午前中は一番時間としては、集中力が高まるので、絶対無駄にしてはいけないっていうか。

午後の打ち合わせが無駄とか、そんなことはないんですけど。

話すとかって人と話すから集中力が自ずと上がると思っていて、それが午後だとしても。

僕はインポーターさんと話すときもレストランの間の時間というか、15時から18時くらいの間で。大体インポーターさんと試飲とかテイスティングしたりとかって、この時間が多いんですよ。

学校の授業も午後が多いんですよね。13時とか15時とか。

普通人間だと集中力が落ちる時間なんですよ。

人と話したりとか、対面すると、集中力あがるじゃないですか。

ここで寝てられないじゃないですか。打ち合わせしたりとか講座したりとかしている間に、まず寝れないでしょ。だから集中力があがるんですよね。

ってなったら有効的に使えると思うんですよね。

集中力が高いときに、集中力が高まることを重ねても、もちろんいいんですけど。

集中力が落ちる時に、あえて高まることを重ねて。一人だと集中力が下がるときに、1人でいることがほとんどないんですよね。午後は特に。てことは午前中にそういうことを入れずに、分けるっていう。

午前中に自分がやりたい、自分がやるべきこと、自分しかできないこと、ワインをセレクションするとか、正確な発注をするとか、ワインを選ぶこともいっぱいあるので。見積りだすとかっていうのを午前中に全部持っていければ、効率的というか。

ある意味、自分の仕事を午前中に終わらせてしまって、あとは誰かとかかわる仕事を午後に回していって、夜は比較的ゆっくりというか。

夜働くこともありますけど。っていう風な感じに。これが時間のルーティーンですかね。

 

現場にあんまり入らなくなってからは、割と夜はゆっくりできるようになりました。

レストランで働いていると遅いんですよね。

今は学校とかだとおそくても21時くらいに終わるので。

夜は食事、会食行ったりも結構ありますけど、それをしっかり分けられるというか。

午前、午後、夜で分けれますよね。それがルーティーンです。

 

今の仕事のスタイルだと、無理やり休みを取らないと基本的に休みが取れない。

その代わり、どこでもできる仕事というか。

セミナーの時間以外は自分で進めて行ける仕事なので、ソムリエとしては日本では珍しいと思います。

僕の場合はある種どこでもできる仕事が大半で、自分でコントロールできるならコントロールする。

後は、仕事場の近くに住んでいるので、電車に乗らなくてもいいので、時間を効率化させる秘訣かな。

都心のど真ん中にすんで、ほとんどコンサル先も近くにあるので。極力移動だったり、時間を沢山消費しない様に、集中力を持ってやることですかね。

 

最後に、感想

如何だったでしょうか。

私はソムリエを取得して以来、サービスをすることがほとんどなくなってしまいましたが、面白い話を色々伺えて、楽しかったです!

まぁ、今でももちろんレストランで働きたいんですけど。

私も人に何かを与えられる仕事をしたいなぁと。

きっと何も考えずにサービスやソムリエでいることもできるんですよね。

でも、それをせず如何に人のことを考えるか。

「空気読み」ができるか。

(参考;ワインディレクター、田邉公一氏インタビュー【その1】

これってどの仕事にも通じることだなぁと。

 

田邉さん、貴重なお時間ありがとうございました!

明後日からは、ワイナリー特集記事に戻ります。


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