日本でもニュースになってましたね。
ボルドーが新たに6品種追加されたという記事。
これ、ボルドーとボルドー・シューペリオールだけなので、その他アペラシオンには変更ありません。
例えばメドックとか、例えばサンテミリオンとか。
変更理由
INAO(Institut National de l’Origine et de la Qualité/国立原産地名称研究所)がAOCボルドーとボルドー・シューペリオールの仕様書に新たに6品種を加えることを承認しました。
地球温暖化対策のために、栽培し、ブレンドに加えることが可能になります。
気候変動の対策を何も行わなければ、メルローのアルコール度数がどんどん高くなり、ボルドーらしいワインが生産できなくなる可能性を踏まえての変更だそう。
赤ワイン用品種
2021年以降、Arinarnoa(アリナルノア)、Castets(カステ)、Marselan(マルセラン)、Touriga Nacional(トウリガ・ナシオナル)の4つの品種を植えることが出来ます。
これらは、現在認められているMerlot(メルロー)、Cabernet Sauvignon(カベルネ・ソーヴィニョン)、Cabernet Franc(カベルネ・フラン)、Malbec(マルベック)、Carmenère(カルメネール)、Petit Verdot(プティ・ヴェルド)の6品種に加えられます。
白ワイン用品種
白ワインについては、Alvarinho(アルヴァリーニョ)と Liliorila(リリオリラ)が追加されます。
これら2品種は、現在認められているSémillon(セミヨン)、Sauvignons Blanc(ソーヴィニョン・ブラン)、Sauvignon Gris(ソーヴィニョン・グリ)、Muscadelle(ムスカデル)、Colombard(コロンバール)、Ugni Blanc(ユニ・ブラン)、Merlot Blanc(メルロー・ブラン)に加えられます。
これらの品種が選ばれた訳
2019年6月、AOCボルドーとボルドー・シューペリオール委員会がINAOに7品種を提案しました。
地球温暖化における農業的、味覚的な観点から提案されたものでした。
病気への抵抗力はもちろん、晩熟でゆっくり成熟することにより、収穫を遅くすることができ、pHが低く、酸度が高く、アルコール度数が今まで行っていたことに適応するとのこと。
最終的な決定は、他の地域の特徴的な品種でないことを踏まえ、当初提案されていた7品種から南西地方の特徴的な白ワイン用品種であるPetit Manseng(プティ・マンサン)が除かれました。
これらの品種は「Vitiadapt」という実験の一環で、2009年からVillenave-d’Ornon(ヴィルナーヴ=ドルノン)にあるINRAの実験区画で実験されていた52品種から選ばれたものです。
このプロジェクトは気候変動において様々なブドウ品種の行動と適応、そしてボルドーのブドウ品種への追加候補の可能性を研究するためです。
ここでは、ボルドーの白ブドウが21品種、赤ブドウが31品種、さらにラングドックやスペイン、イタリア、ギリシャ、ポルトガル、ブルガリア、ジョージアなど国内外のブドウも栽培されています。
栽培に関するルール
生産者は、栽培前にワイン委員会とINAOと土地台帳の番号の明記、栽培密度、品種、栽培面積等が記入された契約書にサインが求められます。
さらに、AOCに申告している栽培面積の5%を超えてはならず、最終的なブレンドでは10%を超えてはいけません。
区画や醸造は別々に行う義務があり、製品は委員会に送り、委員会によって試飲が行われる。
販売において、15%以下のブレンドであるために、これらの品種をラベルに記載する義務はありません。
将来的な見通し
この実験は10年間実施され、1度の更新が可能です。
10年または20年後に、これらの品種が必要だと判断れれば更新するか、AOCの仕様書に主要品種または補助品種として明確に記入されます。
ただし、ボルドーワインの特徴を大きく変えてしまったために必要でないと判断されれば放棄します。
INAOは各色10品種の実験を許可しているために、今後数年のうちに他の品種がこの6品種に加えられる可能性もあります。
その他地域
この適応目的のブドウ品種変更は、フランスの他地域でも行われる可能性があります。
ボルドーの他の地域、例えばCôtes de Bourg(コート・ド・ブルグ)は今週Carménère(カルメネール)とPetit Verdot(プティ・ヴェルド)についてINAOに書類を提出する予定です。
またGraves(グラーヴ)も内部で議論が行われているようです。
2019年7月にはEntre-Deux-Mer(アントル・デュ・メール)委員会が仕様書にAlvarinho(アルバリーニョ)、Liliorila(リリオリラ)、Petit Manseng(プティ・マンサン)の追加を要求しましたが、まだ認可されていません。
参考記事
最後に
気候変動を受けての認可品種の変更でした。
個人的にはポジティブにとらえています。
気候が変わるのは誰にも止められへんし、このままのワイン造りでは良くないかもしれないのであれば、変えることも視野に入れて行った方が良いと思う。
と言いつつ、ボルドーとボルドー・シューペリオールにおいての変更なので、それより上のAOCには何の影響もないです。
ニュースの投稿が遅くなってしまいましたが、今後も気になったことは記事にしていきます。
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