ボルドー産のアペリティフ、Lillet(リレ)について。
あまり日本では知られていませんが、サントリーが輸入しています!
目次
歴史
1680年 |
ジロンド県のSaint-Morillon(サンモリヨン)出身のJean Lille(ジャン・リレ)がソーテルヌの近く、グラーヴ地方の小さな村Podensac(ポデンサック)に住居を構えました。 |
1872年 |
ワインやリキュール、スピリッツのネゴシアンをしていたJean Lille(ジャン・リレ)の子孫であるRaymond Lillet(レイモン・リレ)とPaul Lillet(ポール・リレ)がMaison Lillet(メゾン・リレ)を創設します。 当時、ボルドーで唯一の食前酒(アペリティフ)であったLillet(リレ)の誕生です。 |
ワインと醸したフルーツのブレンドであるこのお酒は、創設当時から1970年まではKina Lillet(キナ・リレ)と呼ばれていました。 こはキナノキが使われていたためです。 そして、リレはすぐに全世界で食前酒として嗜まれるようになります。 |
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1938年 |
Roby’sという名で有名なフランス人アーティストRobert Wolff(ロベルト・ウォルフ)が最初の広告を打ち出しました。 この広告のおかげで現在もアメリカやフランスで、かなりの知名度を誇っています。 |
第二次世界大戦後 |
家族経営の小さな会社ながら、ブランドの輸出とアメリカ市場に焦点を合わせることに決めました。 この決断の後、Lillet(リレ)はニューヨークのバーでよく飲まれるようになります。 |
1945年 |
イギリス市場でLillet Dry(リレ・ドライ)の販売が開始されます。 このLillet Dry(リレ・ドライ)はジンと混ぜられるか、カクテルとして提供されました。 これは後に有名なカクテル、ヴェスパーの元となります。 |
1962年 |
Pierre Lillet(ピエール・リレ)の経営の下、Lillet Rouge(リレ・ルージュ/赤リレ)の販売を開始します。 Lillet Rouge(リレ・ルージュ/赤リレ)の登場により、Lillet(リレ)の愛好家も赤ワインの愛好家も楽しめるようになりました。 |
1972年 |
ヴィンテージリレ、Lillet vieux(リレ・ヴュー)1961年が発売されます。 税関上の理由から、既にアメリカでLillet(リレ)と呼ばれていたKina Lillet(キナ・リレ)の公式名がLillet(リレ)となりました。 |
1985年 |
フランス市場でLillet(リレ)ブームが訪れます。 ボルドーとパリで数々の試飲会を行ったおかげで、ボトルがエレガントでモダンになりました。 |
1995年 |
The International Wine Competition(国際ワインコンクール)で金メダルを受賞。 現醸造管理者でもあるBernard Blancheton(ベルナール・ブランシュトン)がセラーマスターに。 |
1999年 |
フランスで販売されたブランド、トップ100に選出。 |
Lillet(リレ)って?
85%がグラーヴ地方で造られたボルドーワイン、残りの15%が醸しを行ったフルーツリキュールによってできています。
ちなみにフルーツリキュールも果実から自家製で造っていて、この果実の選別もかなり重要とのこと。
毎年、このフルーツの選別にかなりの時間をかけているようです。
リレの造り方
品質と香りなどを鑑みて、セラーマスターが選んだワインを購入します。
トルコやモロッコ、スペインの甘いオレンジやハイチの苦いオレンジ、南アメリカのキナノキなど、毎年フルーツや皮をそれぞれのフレッシュさや香り高さ等を鑑みて選択します。
19世紀から続く方法で、フルーツと皮を別々にアルコール内で低温の醸しを行います。
数週間後、大部分が抽出されたのち、お酒を外に出し果実を圧搾します。
そしてフルーツの醸し液とワインをブレンドします。
この作業のことを「vinage(ヴィナージュ/アルコール添加)」と呼びます。
それぞれのタンクは、タンク内を均一にするために混ぜられ、熟成へと入ります。
Lillet Blanc(リレ・ブラン)とLillet Rouge(リレ・ルージュ)はオーク樽に入れられ、Lillet Rosé(リレ・ロゼ)は樽熟成なしで瓶詰めされます。
リレの製品
幾つかのラインナップがあるので、それぞれご紹介します。
Lillet Blanc(リレ・ブラン)-白リレ
熟成:2~4か月のフランスオーク
香り:花とフルーツ
味:柑橘フルーツのジャム
Lillet Rouge(リレ・ルージュ)-赤リレ
熟成:2~4か月のフランスオーク
香り:黒いフルーツの実
味:柑橘フルーツ、熟した赤いフルーツ
Lillet Rosé(リレ・ロゼ)-ロゼリレ
熟成:熟成なし
香り:爽やかで、オレンジの花の香
味:ハツラツとした赤いフルーツ
Lillet Grand Réserve(リレ・グランド・レゼルヴ)-熟成リレ
熟成:12か月のフランスオーク樽
香り:フルーツのジャム
味:フルーティ、フルーツのジャム、トースト
リレの飲み方
私は夏になると白リレを常備しています。
そのまま飲んでもおいしいですが、柑橘系フルーツの皮を淹れるのがおすすめ。
以前ソムリエ協会のイベントでリレを訪問した際、オレンジ(皮ごと)を薄く切って冷凍していました。
その冷凍オレンジを氷代わりに入れていて、これがとてもおいしかった!
時間が経つと、オレンジ果汁と混ざり、どんどん違う味になっていくんです。
フランス人の友人に氷替わりの冷凍柑橘フルーツを入れたリレは好評!
つくるのも簡単やし、周りでつくっている人が増えてきています。
メゾン情報
住所:8 Cours du Mal Foch, 33720 Podensac
電話:+33 5 56 27 41 41
最後に
このブログではほとんどワイン、コニャック少々でお届けしていますが、その他アルコールについても徐々にお届けしていきたいな、と思っています!
最近増えてきているクラフトジンやビール、ウイスキーなんかもご紹介できればと思っております。
そのためにはまず訪問!ということで、今後も訪問続けていきますので、気になっている生産者さんがいれば教えてもらえると嬉しいです。
感想やこんな内容書いて欲しい!などあればお気軽に連絡ください。 sachiwines@gmail.com その他色々やってるので、良かったら見てください☆ Instagram・sachiko0418 レストランブログ Facebook・Bordeaux-Japon.net ボルドージャポンネット Homepage・SachiWines 旧ブログ・Bordeaux-Japon.net ボルドージャポンネット レストランブログ
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