オーゾンヌとシュヴァルブラン、次回格付けから脱退

サンテミリオン

2022年に次回格付けが予定されているサンテミリオンから、大きなニュースが飛び込んできました。

個人的に思うところもあるので、最後まで読んでいただけると嬉しいです。

最初に結論

最初に結論をお伝えします。

Premiers Grands Crus Classés A(プルミエ・グラン・クリュ・クラッセ・A)に選ばれているChâteau Cheval Blanc(シャトー・シュヴァル・ブラン)Château Ausone(シャトー・オーゾンヌ)が2022年に予定されている次の格付けの申込書類を出さないことを決定しました。

2021年6月30日までに申し込み書類を出す必要がありましたが、Château Cheval Blanc(シャトー・シュヴァル・ブラン)とChâteau Ausone(シャトー・オーゾンヌ)の2ワイナリーは書類を提出しませんでした。

これにより、次回の格付けにはChâteau Cheval Blanc(シャトー・シュヴァル・ブラン)とChâteau Ausone(シャトー・オーゾンヌ)が登場しないことが決定。

シャトー・シュヴァル・ブランの決断

Château Cheval Blanc(シャトー・シュヴァル・ブラン)のディレクターPierre Lurton(ピエール・リュルトン)氏とテクニカル・ディレクターPierre-Olivier Clouet(ピエール=オリヴィエ・クルエ)氏はワイナリーにとって難しい決断であったが、単純に格付けの基準にワイナリーが当てはまらないことがこの決断に至った理由だと述べています。

申請書を提出することも考えたが、格付けの評価基準がテロワールやワイン、歴史などのChâteau Cheval Blanc(シャトー・シュヴァル・ブラン)が思う大切な要素からかけ離れた、その他の要素のスコアが重要視されているから、とのこと。

昔、本には載っていないサンテミリオンの格付けについてという記事を書いたのですが、この内容が関わってきているのかな、と思います。

同時にBernard Arnault(ベルナール・アルノー)氏とFrère(フレール)家が所有するChâteau Quinault L’Enclos(シャトー・キノー・ランクロ )も申請しませんでした。

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シャトー・オーゾンヌの決断

Château Ausone(シャトー・オーゾンヌ)も同様です。

家族経営のワイナリーを経営しているPauline Vauthier(ポリーヌ・ヴォーティエ)氏は、長い間格付けワイナリーでいたが彼女の父Alain Vauthier(アラン・ヴォーティエ)氏を良く知る人は驚かないのではないか、と語ります。

Château Cheval Blanc(シャトー・シュヴァル・ブラン)と同様に申請書類作成までは行っていたそう。

テロワールやワインのテイスティングの割合が、SNS等の評価に比べてあまりにも少なすぎることが問題だそう。

さらに格付けでは15年間のワインを評価しますが、Château Ausone(シャトー・オーゾンヌ)の様なワインを評価するためには、もっと長い時間が必要だとも考えているとのこと。

その他理由

Château Cheval Blanc(シャトー・シュヴァル・ブラン)とChâteau Ausone(シャトー・オーゾンヌ)が書類提出をしなかった理由の一つに、2022年の格付けでは他にPremiers Grands Crus Classés A(プルミエ・グラン・クリュ・クラッセ・A)に選ばれるワイナリーが増える可能性があることも関係しているのではと言われています。

2012年はChâteau Pavie(シャトー・パヴィ)Château Angélus(シャトー・アンジェルス)が追加されました。

しかしChâteau Cheval Blanc(シャトー・シュヴァル・ブラン)とChâteau Ausone(シャトー・オーゾンヌ)という2つの偉大なワイナリーは既に世界中で価値の高いワイナリーではあるものの、格付けの重要性が下がったことは理由ではないとPauline Vauthier(ポリーヌ・ヴォーティエ)氏は言います。

自分たちが格付けよりも上の立場にある、格付けはもう必要ない、などという考えはうぬぼれだと。

ただ、格付けの評価基準に自分たちの価値を見出すことが出来なくなったからだそう。

参考記事

サンテミリオン、最新格付け

サンテミリオン格付けワイナリー、セカンドワインリスト

ワイナリーSNSまとめ、サンテミリオン編

本には載っていないサンテミリオンの格付けについて

サンテミリオンのAOCをひも解く。

特徴しかないワイナリー、シャトー・シュヴァル・ブラン

最後に

前に本には載っていないサンテミリオンの格付けについてでも書きましたが、今の評価はワインだけではなくて「ミシュラン」のようなものです。

2022年はSNS活用も評価基準に入ると噂されていますが、サンテミリオンのワイナリーはSNS活用をしっかりしている所が多いのも現状。

サンテミリオンの町自体が観光地なので、その周りのワイナリーに行く人も多く、ワイン観光業に力を入れているワイナリーもとても多いです。

それはそれでとてもいいことだと思う。

サンテミリオンのワイナリーが世界でもっと有名になればいいと思う。

でも、今回のオーゾンヌとシュヴァルブランの決断も大切なことだな、と。

格付けは重要ではあるけれど、それだけではないっていうのを偉大なワイナリーが示してくれるのは素晴らしいことだな、と。

申請書類もかなり面倒やし、お金もかかると聞いている。

だから格付けだけが全てじゃないと、一番有名なワイナリーがやってくれるというのは素敵なことだなと。

とはいえ、小規模生産者さんは格付けに選ばれているのと選ばれていないのとでは変わってくると思うので、誰も彼もができることではないとは思うけど。

とにかく、2022年格付けが近づいてきたな、とこのニュースを見て思った。

発表が楽しみです!


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