気になってたメゾンにやっと行ってきました!
François Voyer(フランソワ・ヴォワイエ)はご存知の方もいるのではないでしょうか。
エレガントでバランスの良いコニャックを造るメゾンです。
歴史
1870年代 |
グランド・シャンパーニュにあるコミューン、Verrières(ヴェリエレ)でブドウ栽培を行っていました。 Chauchet Voyer(シャウシェ・ヴォワイエ)家がこの場所から採れたブドウの蒸留を始めたのはこの時期です。 以来、5世代に渡り続いています。 |
19世紀末 |
Paul André(ポール・アンドレ)は自身のブドウを自身で蒸留する数少ない生産者でした。 グランド・シャンパーニュの古いコニャックを遺してくれたのも彼です。 |
1960年代 |
Guy Chauchet(ギュイ・シャウシェ)氏のおかげでストックが充実し始めました。 さらに、瓶詰めが始まったのもこの頃です。 |
1990年代 |
商品のリニューアルにより、愛好家たちに好まれ始めました。 |
現在 |
グランド・シャンパーニュ内のいくつかのブドウ農家と契約をしています。 François Voyer(フランソワ・ヴォワイエ)はセラー・マスターのPierre Vaudon(ピエール・ヴォードン)に引き継がれ、世界30か国以上で愉しまれています。 |
生産コニャック
まずはコニャック。
製品名から飛べるリンクは、生産者の公式ホームページの紹介ページです。
- VS François Voyer
- Terres de Grande Champagne François Voyer
- VSOP François Voyer
- Napoléon François Voyer
- XO 1er Cru François Voyer
- XO Gold François Voyer
- Estra François Voyer
- Hors d’âge François Voyer
- Ancestral N°8 François Voyer
VS François Voyer
VS François Voyer(VS・フランソワ・ヴォワイエ)はその名の通り熟成年数の短いVS。
熟成年数は2~3年以上のものをブレンドしています。
ブドウはグランド・シャンパーニュで採れたユニ・ブランのみ。
Terres de Grande Champagne François Voyer
Terres de Grande Champagne François Voyer(テール・ド・グランド・シャンパーニュ・フランソワ・ヴォワイエ)はVSOPとして販売できる熟成。
4年~6年までのコニャックをブレンドしています。
ブドウは同じくグランド・シャンパーニュで採れたユニ・ブランのみ。
VSOP François Voyer
VSOP François Voyer(VSOP・フランソワ・ヴォワイエ)は6~14年熟成のコニャック。
こちらも同じくグランド・シャンパーニュで採れたユニ・ブランのみ。
ちなみにWorld Cognac Awards 2018でカテゴリーゴールド受賞してます。
Napoléon François Voyer
Napoléon François Voyer(ナポレオン・フランソワ・ヴォワイエ)
熟成は10~20年のものをブレンドしています。
XOとして販売もできるけど、それをしないのが小規模生産者の良いところ。
同じくグランド・シャンパーニュで採れたユニ・ブランのみ。
XO 1er Cru François Voyer
XO 1er Cru François Voyer(XO・プルミエ・クリュ・フランソワ・ヴォワイエ)
ボトルがカラフェに。そして絵柄が美しい。
10~25年熟成のコニャックブレンドです。
同じくグランド・シャンパーニュで採れたユニ・ブランのみ。
XO Gold François Voyer
XO Gold François Voyer(XO・ゴールド・フランソワ・ヴォワイエ)
いろんな賞を取ってるコニャック。
10~30年熟成のコニャックブレンドです。
同じくグランド・シャンパーニュで採れたユニ・ブランのみ。
Estra François Voyer
Estra François Voyer(エストラ・フランソワ・ヴォワイエ)
2010年パリでも金賞を受賞、World Cognac Awards 2018でカテゴリーゴールド受賞しています。
10~45年熟成のコニャックブレンドです。
同じくグランド・シャンパーニュで採れたユニ・ブランのみ。
Hors d’âge François Voyer
Hors d’âge François Voyer(オル・ダージュ・フランソワ・ヴォワイエ)
40~60年熟成のコニャックブレンドです。
同じくグランド・シャンパーニュで採れたユニ・ブランのみ。
カラフェの高級感が凄い。
Ancestral N°8 François Voyer
Ancestral N°8 François Voyer(アンセントラル・ヌメロ・ユイット・フランソワ・ヴォワイエ)
50~70年熟成のコニャックブレンドです。
同じくグランド・シャンパーニュで採れたユニ・ブランのみ。
生産ピノ・デ・シャラント
あまり目立ってませんが、ピノー・デ・シャラントも生産しています。
- Pineau des Charentes François Voyer
- Pineau des Charentes Vieux François Voyer
Pineau des Charentes François Voyer
Pineau des Charentes François Voyer(ピノ・デ・シャラント・フランソワ・ヴォワイエ)
Rouge(ルージュ/赤)とBlanc(ブラン・白)を生産。
最低18か月熟成を行っています。
ちなみに主要品種はユニ・ブラン。
Pineau des Charentes Vieux François Voyer
Pineau des Charentes Vieux François Voyer(ピノ・デ・シャラント・ヴュー・フランソワ・ヴォワイエ)
最低5年熟成している古いピノ・デ・シャラント。
こちらはBlanc(ブラン・白)のみの生産で、品種はユニ・ブラン。
生産リキュール
Crème de Fruits Framboise François Voyer
Crème de Fruits Framboise François Voyer(クレーム・ド・フリュイ・フランボワーズ・フランソワ・ヴォワイエ)
アルコール度数18度のフランボワーズリキュール。
Crème de Fruits Pêche de Vigne François Voyer
Crème de Fruits Pêche de Vigne François Voyer(クレーム・ド・フリュイ・ペッシュ・ド・ヴィーニュ・フランソワ・ヴォワイエ)
こちらもアルコール度数18度のペッシュ・ド・ヴューニュ、桃のリキュール。
Crème de Fruits Poire François Voyer
Crème de Fruits Poire François Voyer(クレーム・ド・フリュイ・ポワール・フランソワ・ヴォワイエ)
こちらもアルコール度数25度の洋なしリキュール。
ブドウ畑
何故か畑の話をほとんど聞かずに訪問を終えている…。
これはまた訪問せねば。
栽培はHVEというサディスナブルなワイン造りのレベル3を取っています。
そしてブドウ品種のほとんどがユニ・ブラン。
醸造
収穫したブドウはステンレスタンクとコンクリートタンクで醸造します。
蒸留
蒸留器は20ヘクトリットルと25ヘクトリットルのもの。
25ヘクトリットルのものは1970年代から使っていて、20ヘクトリットルはここ10年使用しているそう。
澱と共に蒸留を行います。
ちなみに2020年収穫ブドウは10月15日~2月中旬まで蒸留したそう。
- 参考;コニャックの蒸留について
熟成
オー・ド・ヴィは最初の6か月間新樽に入れられます。
これによって色やタンニンをお酒に与える。
ちなみに、大体ですが3年目くらいまでを新樽扱いにしているとのこと。
樽の話もまた書きたいな、と思っています。
ワインとは少し違って、コニャックでは1年目のまっさらな樽のことだけを新樽と呼ばないのです。
メゾンによって様々ですが、樽購入から最初の数年間を新樽扱いにすることが多い。
テイスティング
François Voyer(フランソワ・ヴォワイエ)のコニャックは全体的にエレガント。
すっと背筋が伸びる、そんなコニャックたちでした。
そして、この日も沢山試飲させていただきました。
まだ瓶詰めされていないものから、製品化されたものまで。
まさか100年前のコニャックも頂いた…!
貴重すぎる経験。
樽出し
2020年
醸造が終わってすぐのオー・ド・ヴィ。
(まだ熟成年数が足りずコニャックとは呼べない)
ここまで新しいのは試飲の経験がないので、当主の話を沢山伺いました。
例年に比べるとフルーティーさは少ないが、まっすぐで一本芯が通ったようなオー・ド・ヴィ。
2015年
これはとっても華やか。
オレンジの花の香りが特徴的。
1971年
自然にアルコール度数が下がっていて、43%です。
お花やフルーツが凄い!
エレガントで繊細、手いっぱいにスミレを抱きしめているよう。
個人的に一番好みがこれでした。
1960年代
ブレンドされてないのですが、具体的な年代聞いてない。
(良くないよね)
これはさっきより男性的。とはいえエレガントやけど。
白胡椒のようなスパイスが印象的。
1920年
樽ではなくダム・ジャンからの試飲。
ダム・ジャンは十分に樽熟成を終えたコニャックが入れられるガラスの容器のこと。
ダム・ジャンや古いコニャックが並んでいる部屋のことをParadis(パラディ、天国)とも呼びます。
ケーキ、ブリオッシュ、バニラ、バターって書いてる。
もちろんしっかりランシオ香はしました。
甘味しっかり、100年経っても可憐なコニャック。
製品試飲
ここからはテイスティングルームでの試飲。
熟成セラーからテイスティングルームまで移動する間もずっとコニャックの香りが残ってた。
偉大過ぎるよ、コニャックさん。
VS
新樽の割合が多いそう。
VSで既に口当たりが柔らか。
お花屋熟したフルーツの香り、木の香りも。
最も特徴的なのが柑橘系フルーツの香り。
レモンの皮だったりレモンソウが、サイドカーにするならこのコニャックめっちゃよさそう!
VSOP
10年熟成です。
XOと呼んでもいいコニャックをVSOPで販売するのは小規模生産者の良いところ。
アプリコットや日を通した洋ナシの様。
リンゴタルト、シナモンなどの甘味が特徴的。
XO
20年熟成
柔らかでエレガント。
それでいて皮やお花の香りが特徴。
XO gold
25年熟成。
この中では比較的男性的なコニャック。
プルーンや、熟したフルーツの香りが。
Extra
50年熟成。具体的には1948年~71年までのコニャックが入っているそう。
限定186本の貴重な一本!
スミレなどのお花の香りが。
さっきもそうやけど、熟成したコニャックはスミレをしっかり感じた。
旨味を感じる!
香りだけでもため息が出るほどの素敵なコニャックでした。
ワイナリー情報
住所;1 Le Maine Verret, 16130 Verrières
電話;+33 5 45 83 02 98
参考記事
コニャックの秘密。どうしてミレジメ/ヴィンテージものが少ないのか。
最後に
楽しい楽しい見学でした!
こんなに貴重なお酒を飲ませて頂けるなんて幸せな時間。
こういう飲み方をさせてもらえると、メゾンの特徴がわかりやすくていいね。
どれも華やかでエレガント。
日本にも入っているので見つけた方は是非どうぞ。
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