名前が長いワイナリー、Château Pichon Lonvueville Comtesse de Lalande(シャトー・ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランド)についてお届けします。
前回、元兄妹ワイナリーであるピションバロンについて書いているので、興味のある方はポイヤックの2級シャトー、シャトー・ピション・バロンをご覧ください。
歴史
公式ホームページがまだ完成していないので、公式ホームページの変更があればこちらも変更する予定です!
メドックは歴史的に湿地であり、耕作に不向きな土地です。 |
|
1680年 |
Pierre de Mazure de Rauzan(ピエール・ド・マジュール・ド・ローザン)がブドウ栽培に並外れたポテンシャルを見出し、ポイヤックのすぐ近く、Saint Lambert(サン・ランベール)に40ほどの砂利混じりの区画を購入することを決めます。 |
1779年 |
当時19歳のJoseph de Pichon de Longueville(ジョゼフ・ド・ピション・ロングヴィル)がワイナリーの当主となります。 彼は90歳で亡くなるまで当主で居続け、一族は250年このワイナリーのオーナーで居続けます。 彼は情熱をもって働き、ワインの品質向上に一役買います。 |
1850年 |
Joseph de Pichon de Longueville(ジョゼフ・ド・ピション・ロングヴィル)の死。 死の直前、彼は5人の子供に遺産を相続します。 息子たちが相続したのが現在のChâteau Pichon Baron(シャトー・ピション・バロン)で、娘たちが相続したのが現在のChâteau Pichon Lonvueville Comtesse de Lalande(シャトー・ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランド)です。 |
Joseph de Pichon Longueville(ジョゼフ・ド・ピション・ロングヴィル)の娘であり、Lalande(ラランド)伯爵(Comtes de Lalande)の妻であるVirginie(ヴィルジニー)が現在も残るお城を建てます。 このお城はボルドーにあるHôtel de Lalande(オテル・ド・ラランド)に影響され、建築家であるHenri Duphot(エンリー・デュポー)によって建てられました。 |
|
1860年 |
Virginie(ヴィルジニー)姉妹が共同で所有しているこのワイナリーにChâteau Pichon Lonvueville Comtesse de Lalande(シャトー・ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランド)と名をつけました。 |
彼女の死後、ワイナリーは難しい時代に突入します。 同じ一族の中であるが、ワイナリーは数々の人の手を渡ります。 |
|
第一次世界大戦 |
メドックのブドウ畑の衰退を強め、ワイナリーが売りに出されます。 |
1925年 |
ボルドーのクルティエであるEdouard Miailhe(エドワード・ミアーエ)とLouis Miailhe(ルイ・ミアーエ)がワイナリーを購入しました。 彼らはワイナリーに愛着を持って経営を行います。 |
Edouard Miailhe(エドワード・ミアーエ)の娘であるMay Eliane de Lencquesaing(メイ・エリアーヌ・ド・レンケセーイング)がワイナリーを引き継ぎます。 Château Pichon Lonvueville Comtesse de Lalande(シャトー・ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランド)への尊厳と歴史を持っている彼女は、建物の近代化を行います。 |
|
2007年 |
May Eliane de Lencquesaing(メイ・エリアーヌ・ド・レンケセーイング)は、ワイナリーを売却することにします。 購入したのは家族経営の会社であり、Frédéric Rouzeau(フレデリック・ルーゾー)が管理するLouis Roederer(ルイ・ロデレール)です。 Louis Roederer(ルイ・ロデレール)も伝統的な方法でのワイン造りを続けています。 |
ブドウ畑
90haの畑を持ち、内74ヘクタールが生産に使われています。
さらに、その内34ヘクタールはビオディナミックでのブドウを栽培しています。
ブドウ品種
2019年までは
- 60%カベルネ・ソーヴィニョン
- 30%メルロ
- 5%プティ・ヴェルド
- 5%カベルネ・フラン
の4品種でしたが、2020年から…なんと!
- シャルドネ
- セミヨン
も栽培を始めました。
収穫から醸造
収穫はもちろん手摘みです。
150人くらいの収穫者と共に行います。
10キログラム程度入れられる籠で収穫。
収穫の順番は
メルロ→カベルネ・フラン→プティ・ヴェルド→カベルネ・ソーヴィニョン
が基本ですが、成熟度によってもちろん変わります。
収穫されたブドウ、まずは1週間から10日間、冷蔵部屋の中に入れられます。
そしてその後選果を行います。
醸造施設
2013年に新しい建物になりました。
今現在はステンレスタンクと木製タンクを使用していますが、木製タンクは今後使わなくなっていくそうです。
醸造
その後、タンク内にブドウを入れてアルコール発酵の開始。
アルコール発酵中は1日に3度ルモンタージュを行います。
大体ですが8時、14時、18時の3回行います。
そして必要であればデレスタージュも行います。
ルモンタージュ/デレスタージュについてはワイン醸造:アルコール発酵について。をご覧ください。
プレスワイン
発酵が終わった後、果帽を集めて圧搾機にかけます。
そこで出来たワインのことを「プレスワイン」と呼びます。
このワイナリーは、プレスワインをA、B、Cに分けます。
クオリティAはファーストワイン用、クオリティBはセカンドワイン用、クオリティCはワイナリーの名を冠したワインにはならず、ばら売りするようです。
熟成
熟成セラーは醸造施設の下にあります。
醸造が終わったワインは熟成が行われ、3月~4月にブレンドが、その後さらに熟成が行われます。
熟成期間と新樽
ファーストワインは18か月熟成、新樽使用は60%。
清澄作業は、オーガニック卵の白身を使います。
セカンドワインは11か月熟成で新樽使用が50%。
澱引きはタンクで、清澄作業は液体卵を使うそうです。
ファーストワインとセカンドワインで行程は同じですが、セカンドワインの方が少しコストダウンされています。
まとめ
ブドウ品種 |
60%カベルネ・ソーヴィニョン 30%メルロ 5%プティ・ヴェルド 5%カベルネ・フラン |
タンク |
ステンレスタンク |
マロラクティック発酵 |
タンク内 |
熟成期間 |
18か月 |
新樽使用率 |
60% |
参考記事
最後に
最近、歴史部分の情報が多いワイナリーのご紹介が多かったので、今回は個人的に物足りなかった…笑
公式ホームページが更新されたら、こちらも更新予定なのでゆっくりお待ちいただければと思います!
感想やこんな内容書いて欲しい!などあればお気軽に連絡ください。 sachiwines@gmail.com その他色々やってるので、良かったら見てください☆ Instagram・sachiko0418 レストランブログ Facebook・Bordeaux-Japon.net ボルドージャポンネット Homepage・SachiWines 旧ブログ・Bordeaux-Japon.net ボルドージャポンネット レストランブログ
コメント
[…] Château Pichon-Longueville Comtesse de Lalande […]
[…] 格付け2級!Château Pichon Lonvueville Comtesse de Lalande […]