当初の予定では、曜日ごとのテーマによってブログを書こうと思っていたのに、気がつけばワインだらけのブログになって来ています。
私の生活は、正直ワイン以外にあまり語ることがないなぁと思う日々。
今回はボルドーの一大イベント、「プリムール」について!
日本人の思う「プリムール」と、ボルドーで開催されている「プリムール」は違うなぁと感じることも多いので、その辺も掘り下げたいと思います。
目次
そもそもプリムールって何?
フランス語でPrimeurと書くプリムール。
単語の意味を辞書で引くと「できたて」「真新しさ」といった単語が並びます。
日本で有名なボジョレー・ヌーボーも、ボジョレー・プリムールと言う名前で販売されていたりしますよね。
ですが、ボルドーでのプリムールはちょっと違う!
ボルドーのプリムールは?
4月頭に1週間かけて行われる、ネゴシアンやワインの買い付け業者などプロに向けて行われる一大試飲会のことを言います。
ワイン関係者であっても、買い付け等しない人たちは試飲をする権利を得るのはなかなか難しい。
(毎年私は参加していますが、今年はシャトーからの直接招待や招待状が届いたことで参加出来ました)
このプリムールで試飲するのは前年に収穫された、まだ熟成の終わっていないワイン。
(今年2018年4月は2017年収穫のワインを試飲します)
そして買い付け業者はこの段階で購入の本数だったり種類だったりを決めるそう。
未完成のワインって?
試飲するのは未完成のワイン。
未完成ってどういうこと?と思う方も居るのではないでしょうか。
ブドウの収穫は9月から10月。
その後発酵等々が行われて樽熟成へ。
年末には樽に入っているワインたちですが、その後多くの場合18ヶ月程度熟成されます。
つまり、2017年収穫のワインが瓶詰めされるのは2019年。
2018年4月にはまだ熟成途中、ということになります。
その熟成途中のワインを試飲して、それらのワインたちがどの様に成長していくのかを知り、購入本数等々を決めるのがこの試飲会の目的です。
プリムールのメリット
ボルドーで行われるプリムールはメリットが沢山あります。
まずこのプリムールで購入されたワインは、通常の方法で購入するよりもかなり安く購入できるということ。
これは仲介業者へのメリットです。
仲介業者は購入を決めた時点で購入額の何割かをシャトーに支払う義務があります。
これによりシャトー側はお金を手にするので、翌年の樽購入や設備投資などなどにお金を掛けられるということ。
これがシャトー側へのメリット。
さらにシャトー側はこのプリムールで生産されたワインの殆どを販売してしまうので、その後営業をする必要が全くなくなるというのもメリットです。
ワインの販売等々の営業は全て仲介業者が行ってくれるということです。
日本でのプリムール
日本でもボルドーのプリムールワインとして試飲会が開かれたりしています。
ですが、プロ(特に仲介業者)に向けて、というよりは一般の方も試飲できる試飲会が数多く存在するようです。
これは仲介業者やワイン委員会が開催しているもので、ボルドーのプリムールワインは飲むけれども、その意味合いはボルドーのそれとは全く異なるものです。
個人的にプリムールを語る
私は結構な頻度で試飲会に足を運んだり、シャトーで試飲をしたりしますが、プリムールの試飲は全然違うものだなぁと感じます。
今あるワインの試飲をしている、というよりも、完成後のワイン・数年たった後のワインを視ながら試飲をしている、というイメージです。
ちょっと寄り道、醸造家とソムリエの試飲の仕方の違い
書きたくなったので寄り道します。
フランスに到着してから数年、醸造家の方と仲良くしてもらっていて、よく一緒にワインを飲んだり、試飲会に行ったりしていました。
そして醸造家の方に別の醸造家の方を紹介してもらい、一緒にワインを飲むこともよくありました。
その時に感じたことですが、
醸造家はワインの悪い所を探す ソムリエはワインの良い所を探す
同じワインを飲んでいても全く感じ方が違うのが毎回楽しくて、勉強になっていました。
醸造家の方は、今後自分がワインを造るという前提の下ワインを飲んでいるので、醸造途中のミスだったり、最終的な香りからくる醸造過程を考えたり、基本的にはデメリットを探していました。
それは今後より良いワインを造ることに向き合うとそうなって行くのだと思います。
そして私たちソムリエは、出来たワインを紹介する/販売することを目的としているので、メリットを探し、どの様にプレゼンするかを考えていました。
結構ブラインドでワインを飲むことが多かったのですが、一度醸造家の方と私が同じワインを持ってきた事がありました!
その時は感動!
私の好きなワインだったこともありますが、その後人にあげる時にも沢山購入させてもらったワインです。
2017年プリムールは?
今年は仕事が入っていたので、全て参加することは叶いませんでしたが、2017年の個人的感想です。
私の個人的意見なので、こんなこと言っていた人がいたなぁ、くらいに留めておいて頂けると有り難いです。
2016年ワインは圧倒的な果実感を感じた試飲会でしたが、2017年は比較的繊細な年でした。
右岸・左岸共に試飲させてもらいましたが、どちらも柔らかいものが多かったです。
敢えて言うなら、2015年・2016年が男性的、2017年は女性的なワインでした。
2015、16年より早めに飲めるかな、という印象。
…それにしてもプリムールの試飲ってとても体力使います。
普通の試飲よりとっても疲れる。
それでも来年はもうちょっと精力的に参加したいと思います!
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[…] プリムールについては、こちらをどうぞ;2017年、ボルドープリムールについて […]