先日訃報が流れてきました。
メドック格付けに選ばれているサンジュリアンのChâteau Léoville-Barton(シャトー・レオヴィル・バルトン)とChâteau Langoa-Barton(シャトー・ランゴア・バルトン)を数十年に渡り支えてきたAnthony Barton(アントニー・バルトン)氏が2022年1月18日、91歳で死去しました。
Anthony Barton(アントニー・バルトン)氏はgentleman du Médoc(メドックの紳士)と呼ばれており、メドックワイン、ボルドーワインの歴史に名を刻んだ人の一人です。
彼は1930年、アイルランドのキルデア州で生まれ、アイルランドとイギリスで学業を修めた後、1951年にボルドーにやってきました。
戦後のワイン業界にとって困難な時期も経験します。
1968年には自身のネゴシアンLes Vins Fins Anthony Barton (レ・ヴァン・フィン・アントニー・バルトン)を設立します。
1983年に叔父のRonald(ロナルド)からChâteau Léoville-Barton(シャトー・レオヴィル・バルトン)とChâteau Langoa-Barton(シャトー・ランゴア・バルトン)を受け継ぎました。
2000年代には娘のLilian(リリアン)に徐々にワイナリーの経営を譲り、彼女の夫Michel Sartorius(ミシェル・サルトリウス)はネゴシアンの Les Vins Fins Anthony Barton (レ・ヴァン・フィン・アントニー・バルトン)の販売を担当するようになりました。
また、2011年にはムーリスにChâteau Mauvesin Barton(シャトー・モーヴザン・バルトン)も買収します。
さらにBarton(バルトン)家には次世代を支える10代目、Lilian(リリアン)とMichel(ミシェル)の子供、Mélanie(メラニー)とDamien(ダミアン)が次世代を支えます。
参考記事
もしよければワイナリー記事もどうぞ。
レオヴィル3兄弟最後、シャトー・レオヴィル・バルトン│ランゴア・バルトン
最後に
Anthony Barton(アントニー・バルトン)氏には何度かお会いしたことがあり、この訃報を聞き何とも言えぬ気持ちでおります。
とても柔らかい方で、でもワインの話をするときはぐっと目に力が宿る。
ワイン造りにはとても厳しい方なんだろうなぁと思った記憶があります。
ワイナリーの経営は既に娘さんの手に渡っていたので、今までと変わりなく生産できるでしょうが、やはり偉大な人物がいなくなったことをとても悲しく思います。
ご冥福をお祈りいたします。
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