少し前ですが、ボルドー初のウイスキーを造ろうとしているMoon Harbourにお邪魔してきたので、その時のレポートです。
ボルドーといえばワインですが、そのワインの町ボルドーでウイスキーを造ってしまおうというプロジェクト。
初めてのことなので、かなり注目されたお酒でもあります。
Moon Harbourとは
2017年9月にボルドー市の北にある元潜水艦ドックでウイスキーを造る会社。
敷地は600㎡で、そのうち400㎡が生産に使われています。
ウイスキーは最低3年樽熟成しなければいけないので、まだ100%ボルドー産ウイスキーは生産されていません。
そしてウイスキーは穀物を使ったお酒ですが、ここでは大麦とトウモロコシを使って製造しています。
Moon Harbourの目指すもの
100%ボルドー産を目指しています。
ただ、麦芽製造所が今のところジロンドにはありません。
そこで、ヌーヴェル=アキテーヌ (Nouvelle-Aquitaine)県に造る予定にしているとのこと!
とことん現地にこだわります。
ピート香
ピートでいぶすことで得られる燻製香。
Moon Harbourではアルカションで採れる海藻を使っています。
これもまたボルドー界隈のものを使用。
醸造
発酵は22~24度で始めます。
その後、28~30度に温度が上がり醸造が続けられ定期ます。
酵母は蒸留所がセレクトしたものを追加。
醸造が終わった後のお酒はアルコール度数7度程度で、ビールのよう。
蒸留
銅製のボルドー型蒸留器を使用します。
蒸留をすることによって、900ℓ/アルコール度数7%のお酒が90ℓ/アルコール度数70%のオー・ド・ヴィとなります。
このオー・ド・ヴィの香りをかぎましたが、アプリコットなどのフルーツジャムの香りがしました。
蒸留によって得られるオー・ド・ヴィはtête(テット/頭)、cœur(クール/心臓)そして queue (クー/尾)に分けられます。
そのまま使われるのはcœur(クール/心臓)のみ。
コニャックの記事でも何度か触れていますが、cœur(クール/心臓)が一番質のいいオー・ド・ヴィです。
このtête(テット/頭)と queue (クー/尾)は再度蒸留されて質の良いオー・ド・ヴィとなります。
熟成
最初にも書きましたが、熟成は元潜水艦ドックで行われています。
このドックは第二次世界大戦で使われていたもので、荒廃していたものを購入して工事、その後熟成セラーとして使っています。
1943年に造られたドックですが、1947年以降使用されていませんでした。
写真を見せてもらいましたが、本当にかなりの荒廃具合!
最低3年熟成が義務付けられているウイスキー。
最初のボルドー産ウイスキーができるのは2020年9月です!
その他のお酒
ウイスキーができない3年間、収入がないのは厳しい。ということでほかにもいろいろなお酒を造っています。
それは、ジンとボルドー初のラム。
ジンは毎年パッケージを変えていて、コレクター心をくすぐってくれます。
最後に
ついに来年に迫ったボルドー産ウイスキーの発売。
個人的にはとても待ち遠しいです…!
今現在、Moon Harbourではウイスキーを販売していますが、それは他から買ってきた既に数年熟成されたお酒を、最後Moon Harbourで熟成して3年以上という規定を満たしています。
ソーテルヌやペサックレオニオンのワイナリーから樽を購入してきて、ワイン樽でウイスキーを熟成しているのもここの特徴です。
もちろん見学も可能。
フランス語と英語で見学を行っているので、興味のある方はどうぞ!
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