またまたボルドーワインに関する大ニュースです。
ボルドーはポムロールに位置するシャトー・ラフルール(Château Lafleur)がAOCポムロールならびにAOCポムロールから抜けるという発表です。
まずは簡単なまとめ
ポムロールの有名なシャトー・ラフルール(Château Lafleur)とフロンサックのシャトー・グラン・ヴィラージュ(Château Grand Village)を所有するギノドー(Guinaudeau)家は2025年ビンテージからアペラシオンポムロールとボルドーから抜けると8月24日に表明しました。
彼らのすべてのワイン(シャトー・ラフルールとグランド・ヴィラージュ共に)は今後、アペラシオン・ヴァン・ド・フランス(フランスワイン/Vin de France)として販売されます。
この発表はアペラシオンに反旗を翻すためのものではなく、気候変動における実用性を重視したためと言われています。
原因は気候変動
「私たちは気候変動を真正面から受け止めています」
と語っているとのこと。
「2025年のこのヴィンテージにおいて、私たちは気候変動を真正面から受け止めています。それに対処するために、AOCの仕様書とは両立しない複数の技術的手段を導入しています」
と、当主のバティスト・ギノドー(Baptiste Guinaudeau)氏は述べています。
この決断は、何年もかけて熟考されたものだそう。
たとえば、葉の高さを低くすることや、ブドウの木の根元に直接水を注入する灌漑システムの導入などです。これは、現地での水の採取によって可能となるとのこと。将来的には、1ヘクタールあたりの植栽本数を減らすことや、土壌からの水分蒸発を防ぐためのパリアージュ(敷き藁)、区画に日陰を作る装置なども考えられるとのこと。
気候変動は、フィロキセラ危機以来、直面する最も重要な課題で、彼らはAOCが嫌で離れるのではなく、他の地中海系品種の導入によってボルドーの気候に適応するという考えに納得しておらず、独自の姿勢を貫く方法を選びました。
フランスの厳格なラベル表示規則により、この所有地ではラベルに「シャトー」という語を使用できず、「ポムロール」という語も住所にも記載することはでません。これは消費者を誤解させる可能性があるためである。
ボルドーの仕様書抜粋
Densité de plantation Les vignes présentent une densité minimale à la plantation de 5500 pieds par hectare. Ces vignes ne peuvent présenter un écartement entre les rangs supérieur à 2 mètres et un écartement entre les pieds sur un même rang inférieur à 0,80 mètre. |
<訳>
植栽密度
ブドウの木は、1ヘクタールあたり最低5,500本の密度を有していなければならない。
これらのブドウの木は、列の間隔が2メートルを超えてはならず、同一列内の畝間が0.80メートル未満であってはならない。
Règles de palissage et de hauteur de feuillage. La hauteur de feuillage palissé est au minimum égale à 0,6 fois l’écartement entre les rangs, la hauteur de feuillage palissé étant mesurée en limite inférieure à 0,10 mètre en dessous du fil de pliage et en limite supérieure à la hauteur de rognage. |
<訳>
誘引および葉の高さに関する規則
誘引された葉の高さは、列の間隔の0.6倍以上でなければならない。この葉の高さは、下限を折り返しワイヤーの10センチメートル下、上限をrognage(ロニャージュ/摘芯)された高さとして測定される。
私の考え
この大きな決断は、有名ワイナリーと言えども、いや有名ワイナリーだからこそ悩んだろうなぁ…と容易に想像できます。
まずはワイナリー訪問して想いを聞いてみたいのが一番ですが、私の個人的な考えを。
ボルドーはそもそも海と川に囲まれていて湿度が高い地域です。
その中で現行の方法だとブドウが病気になりやすかったり、霜や雹の被害に遭ったり、様々な苦難が毎年毎年やってくるのも現実。
特に2025年はめっちゃ暑かったので、水を必要としていた畑もあったと思います。
でも、ワイン造りとしてそれでいいのか。
とはいえ彼らが何を行うのかに興味はめっちゃある。
気候の変動があり、難しい年や素晴らしい年があるからこそ、その時々の「ビンテージ」らしさが感じられ、それが私たち消費者の求めるものではないのか。
それにしてもここ数年は難しい年が続きすぎている。
右岸での主要品種メルローはそもそも暑い気候好きじゃないし。
だからブドウを守ることを最優先に考えると彼らの意見も分かる。
AOCの仕様書はかなり厳しく、剪定の方法まで決まっています。
その中で不必要だと自分たちで思うことを使わない、そんな考えを持つワイナリーも必要だと思う。
しかもそれをラフルールが行うから意味がある。
「シャトー」と付けれなくなるという代償を払ってでもやる意味があると彼らは考えている。
(シャトーが付かなくなるとセカンドワインと勘違いされるリスクを負っている)
どうなの?みんなはどう思うの?って私たちに問いかけられているように感じる。
造り手の意見もそうやけど、色んな人の考えを聞いてみたい。
そしてまた私も考えたい。そう思わせてくれるニュースでした。
参考記事色々
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